俺は百合恋愛を好む者!!
初めて書く小説です!毎日投稿、面白い作品に出来ることを目指して頑張ります。
拝啓────父さん、母さん。
急なことですみませんが、聞いてくださると幸いです。本当に冗談のような話なので、信じてもらえるかは分かりませんが。
数時間前に俺は、いつものように叡智な書物(周囲が引くほどの百合要素を含む)を購入しに行きました。読むものが無くなったので。
電車に乗って遥々東京まで出向き、某書店で購入を終えた俺は帰路に着いていました。
そんな時、見てしまったのです。絵に描いたような、百合恋愛を!!
実際、初めて見たものですから俺は衝動を抑えることができなかった。
彼女らの後を自然な流れで付いて行き、マジもんの百合恋愛を堪能しようとしたのです。あ、ストーカーとか言わないでくださいね?悲しいですから。
彼女たちは俺に見せてくれた。漫画やアニメでは絶対に見ることが出来ない、誰にも仕組まれていない本当の恋心とやらを。
数分が、「良いものを見た」と彼女たちに心の中で感謝の意を表し、その場を去ろうとしました。
だが、現れてしまったのです。
俺がこの世で最も許せない存在────百合に挟まろうとする男たちに。
二人の男は彼女たちの間に割って入ると、それぞれがタイプである方を口説き始めた。
正直なところ、彼女たちは苦笑いを浮かべながら男たちを拒絶していた。それはもう必死に。
男の手を振り払い、先へ進もうとする二人を逃すわけもないのです。
男たちは強引に建物の陰に連れ込もうとし始めました。
俺は見過ごすことが出来なかった。彼女たちの幸せな時間を奪っていく奴らが、許せなかった。
「‥‥止めろよ」
そして、無我夢中で彼女たちを助けていたんです。本当に、後になって気づきました。
「なんだテメェ!?」
男は颯爽と現れた謎の百合豚に驚きを隠せず、声を荒げて俺に殴り掛かる。
単調な右フックを左手で受け止め背後に周る。そして顕になった男の耳元でこう告げる。
「俺は‥‥百合恋愛至上主義者だ」
‥‥もっといい名前あったかな?
とまあ、そこからの流れは実に簡単でした。
迫り来る素人のパンチやキックを手を抜いて対処する。本気を出さないのは、万が一のことを考えているからだ。
次出された右腕を掴み引き寄せ、待機させていた右拳で男の顔面を殴る。そのあとは足を崩して地面に叩きつける。
そんなことをすれば、一人はノックアウト!!試合終了‥‥なのですが。
重要なのは、敵がもう一人いるということです。
「死ねやゴラァ!!」
「────ッ!?」
背後にいたもう一人の敵に気付かず、あっさりと。百合恋愛至上主義者は、背中にナイフを刺されてしまったのでした。
(しくじった‥‥)
悲しいことに、いくら強くてもナイフで刺されると人は全身から力が抜けるようです。そのまま地面にぶっ倒れました。
「お兄さん!!」
嬉しいことが一つあるとするならば、助けた彼女たちがすぐに駆け寄ってくれたことだ。欲を言えば、百合豚としてはその間には入りたくないけど。
それは、無礼というものですよね。
「う、うわぁ!?俺は‥‥俺はぁ!!」
両手に俺の血をつけた男は、顔を真っ青にする。気でも狂ったのか、場所を考えずに叫び散らかす。
すぐ警察にお世話になっていました。
そして救急車を呼んだりもしてくれたのですが、意味はなく‥‥俺は死にました。
────以上。
「だけど!!‥‥何の因果か分かりませんが、私は今!女として異世界にいます!!」
転生特典として最強の力を手にし、男の体を捨てた私は合法的に百合恋愛に参加できる。
こんな理想的な世界があったなんて!!
前世は百合豚でも、私は今度こそ。今回の人生こそ────
「────百合恋愛至上主義者として、やりたい放題してやりたい!!」
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