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マザコン!  作者: 束砂
89/113

10月・大切だから大事:11

文化祭2日目は3時まで。

一般客が帰ると同時に片付けが始まり、夕方6時からは生徒と教員達とで後夜祭が始まる。


何とかこの空気を変えたい……少しづつ不機嫌になる公平と、冷めた目を座らせていく麻琴に挟まれて居心地が悪い。


「美希さんはね、インドに行ってたの」


麻琴は一拍おいてはっきりすっぱりと言い捨てた。


「インド?!」


思わず出た大声に二人から睨まれる……教室の隅なのだ。

声を落として麻琴は話す。


「ずっと行きたかったんだって。1年の時からバイトして卒業してから行く予定だったのに……どうしても落ち着かないからって、突然夏休みの終わりに飛んでっちゃったの!知ってた?あんたのせいでインドよ、インド!!自分が傷ついたからって勝手に振りまくって、付き合わされた人が傷ついてないなんて思ってなかったよね?他のバカ彼女カノ達がどうだか知らないけど、美希さんはあんたのせいでインドよ!あんたはいいわよ、勝手に自滅してバカみたいに復活したんだもの。美希さんはガンジスで身を浄めたって笑ってたけど、3㎏も太ったんだからね!おまけに単位稼がなきゃ進級危ないかもってヘラヘラ笑うのよ!」


ん?……それは公平のせいになるのか?

なんとなくポジティブにしか聞こえないのは気のせいか?


「お土産もしっかり頂きました!真剣に想ってた美希さんに失礼よ、公平!」


麻琴はスマホを取りだし、付けてあるストラップを見せた。

……リアルなシルバーの象がキラリと光った。


ふんっ!と怒る麻琴に冷たい視線を投げ掛ける公平。

と、戸惑う俺……居たたまれない。

太陽光に当たってキラキラと光る象を突き付けられ、沈黙が通り過ぎる。


なんだろう……確かに、公平の態度は可笑しい。

他の元彼女モトカノたちとは会うとニッコリと返して話しもするが、さっきの彼女にはそれがなかった。

前も名前が出ただけで驚いていたような?

母と同じ匂いのした[美希さん]は麻琴にとっても大切な友人らしい事は解ったけど。


〈ひょっとして、公平って〉


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