表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
マザコン!  作者: 束砂
8/113

5月・麻琴の事情:3

俺は確かに浮かれていた。

その理由を知らない麻琴はずっとムクれたまま夕方まで俺の部屋で過ごし、その間俺は雅ちゃんのために寝床を準備した。


デートを終わらせた公平が来て初めて理由を知って、麻琴は口を開けて呆れた。


「雅ちゃんかぁ、4年振り?相変わらず可愛いんだろ?芽衣さんの親友はやっぱり芽衣さんと同じで年とらないんだな」


「公平は彼女の事、知ってるんだ」


「勿論、結婚前の数ヶ月ここに住んでたし、留衣の[初恋]の相手だからな」


夕食の準備に励む俺の前でダイニングテーブルに並んで座って話している。


俺の[初恋の相手]……間違いのないその事実に麻琴は声をだせないでいた。


「留衣のデスクにあるだろ、写真。あれ、ここに一緒に住み始めた記念っつって俺が撮ったんだ。っていうか、撮らされた……まぁそれから夕飯もゴチになってんだけど」


「あの時だけだって言ったのに、公平が勝手に毎日食べて帰るんじゃないか……公平んトコの親、ホントに心配してねぇの?」


「平気平気、逆に食いぶちが減って感謝してるって。礼とか挨拶とかタマにしてくるだろ」


公平の家は近所で、両親ともに優しい気さくな人達だ。

6歳離れた妹もいる。

俺が遊びに行って長居することはあまりない。

殆ど公平の方がやって来るし、俺には母の世話をするという大役がある。


母と雅ちゃんは20数年来の親友で、彼女は俺が生まれた時から母の側にいた。

目が大きく色白で母より10センチほど背が低い。

精力的でいつもハツラツとしていて、母とはちょっと違う気の強い女性だ。

(母は見た目通り気が強い)


「留衣ー、お腹空いたー」


「今日のご飯何?」


夕飯が仕上がる頃二人は部屋から揃って出て来た。

並んでいる二人の姿に俺は顔が緩んで仕方がない。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ