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マザコン!  作者: 束砂
77/113

9月・真実と事実:21

「だから、私、誰にも嫌がらせなんてされてないわよ」


麻琴が憮然として言い切った。


「じゃ、なんであん時教室から出て行ったんだ?そんなに俺と組むの嫌だったのかよ?」


俺は納得がいかなくて、拗ねているような態度をとった。


「そ、そうだよな、それに、何で笠井を探すんだ?仲悪いんだろ?」


何処か戸惑いつつも、公平は俺の問いに合わせてきた。

麻琴はまた口隠りながらボソボソと話す。


「だって……私知ってるから……笠井さんが留衣と組みたいんだろって。だから私と組んだらまた泣くんじゃないかなって……先に笠井さんに留衣を誘うように言わなくっちゃって思って。そしたら美希さんとぶつかって制服濡れちゃったし、丁度、貧血気味だったし、保健室で寝てようと……」


「はぁ?」


「だって、笠井さんが留衣の事好きだって知ってるし、単位欲しさに留衣と組んだりしたら、また笠井さんたちに睨まれて文化祭が楽しくなくなるでしょ?折角、あの人楽しみにしてるのに!」


「何で笠井が楽しみにしてるって判るんだよ?」


「時々、留衣の事見てるし……委員会で一緒だから、話しして……」


「……仲良いんじゃないのか、それ?」


「仲良くなんかないわよ!夏休みにだって、言い合いになって水掛けまくられて大変だったんだから!勝ったけど!」


どうやら麻琴は笠井と[友達]らしい。

ふんっ!と鼻息荒くする麻琴に何故だか笑いが込み上げてくる。


「ああ、でも笠井さんじゃないけど、時々嫌がらせはされるわよ」


麻琴は思い出したようにまた口を尖らせた。


「「誰に?!」」


俺と公平は声を揃えて目を見開いた。


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