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マザコン!  作者: 束砂
76/113

9月・真実と事実:20

目の前の真剣な顔をする俺達をシゲシゲと眺めた麻琴は、暫くして呆れたように息を吐いた。


「違うわよ……確かに階段からは突き落とされたけど、あれは事故だし」


麻琴は少しバツの悪そうな顔をして、落ち着いた様子で話し始めた。


「事故?」

「事故?あれが?」


「そう。それに……あの時のは笠井さんじゃないし……笠井さんの取り巻きだし。ちょっとふざけてた所にたまたま(・・・・)私が居て、ぶつかっただけらしいし。ちゃんと後で謝ってもらったわよ。まぁ、確かに、笠井さんとは仲悪いけど……嫌がらせなんて中学の時以来されてないわよ」


麻琴の告白は俺達の斜め上をいく。


「中学って……」


「中1の時に、呼び出しくらったの。3人だったかな?留衣に近付くなって言うから、私は留衣に興味ないし、芽衣さんに会ってるだけだって言ったのに、突っ掛かってきたし……先に手を挙げたのはあっちよ?だから、反撃して往復ビンタ咬ましたら、泣いちゃって……」


恥ずかしそうに目を游がせて麻琴の告白は続いた……


「制服は?!水掛けられたんじゃ……」との公平の問いに


「ああ、あれは……」と、チラリと俺を見て、公平を見て言葉を濁した。


「あれは……あれも、事故。笠井さんを探して廊下を急いでたら……ぶつかっちゃって」


「誰と?」


「……さんと」


「誰?」


「……き、さんと」


「聞こえねぇよ、誰だよ?!」


「美希さんとよ!小松こまつ美希みきさん!絵の具を洗うバケツ持ってて、廊下の角でぶつかってその水被ったの!」


不貞腐れた麻琴から出てきた名前に俺は疑問符をたてた。


「こ……美希?」


公平が僅かに驚いた様を見せた。

その名前に思い当たるものがあるらしい。

俺も、どっかで聞いたな……誰だっけ?


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