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マザコン!  作者: 束砂
73/113

9月・真実と事実:17

どれくらいだろうか、「うーん」と考えていた公平がふいに真剣な顔で


「留衣、本気で麻琴と付き合ってる事にすれば?」


なんて言うもんだから、目は開いたまま口も半開きになり、顔面凍結してしまった。

手元に転がる雑誌を拾って丸める。


「うん、冗談だ」


ゆらりと立ち上がり公平を見下ろす。


「落ち着け!冗談だって!」


ペコンっ!!


「……真面目に話す」


公平は頭を擦りながら床の上で正座した。






「麻琴、どこ行くんだ?」


「職員室だけど?」


翌日、教室から出ていこうとする麻琴を呼び止めた。

首を傾げる麻琴について俺と公平は立ち上がる。

怪訝な顔をしたまま先に立ち、麻琴はスタスタと歩いて目的地に向かう。


職員室に入り、用事を済ませるまで廊下で待ち伏せた。

俺達が出した[結論]は『何もしない』事。

ただ何もしないのではなく、麻琴が言わないのだからこちらも聞き出したりしない。


代わりに[目を離さない]。

つまり、麻琴が危害を加えられないように常に側に居続けるという事だ。


麻琴が動けば俺達も動く。

登下校は問題ないだろう。

授業中も、隣に俺、斜め後ろに公平で見張れる。

休み時間──麻琴が立てば立ち、歩けば歩く。


行き先がどこであれついていく。

職員室、特別教室、図書室、女子更衣室にトイレまで……。


「何なの?」


トイレに立った麻琴は行き先を聞かれて流石に問い返してきた。


「別に、気にするな」


にっこりと笑って答えた公平に目を細めて、それでも(当然だが)トイレに行く。

出て来るまで女子トイレの前に居ると、廊下を行き交う生徒に不審な視線を向けられた。

恥ずかしいが、仕方ない、麻琴の為だ。


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