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マザコン!  作者: 束砂
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9月・真実と事実:3

恥ずかしいのか、怒ったのか、顔を赤くして机に俯せた麻琴に掛ける言葉がない。


「あ……いやー、これを機会に作ればいいんじゃないか?」


「ああ、うん、そう、いい機会だ、作ってみれば……」


女子を気遣う事を知っている公平に合わせて麻琴に声を掛けるが


「……簡単に言わないで……私、同性受け悪いんだから」


優しさは届かない。


「そんな事ねぇよ!麻琴は可愛いし、頭いいし、よく気の利くさっぱりしたヤツじゃないか!な、留衣!」


「う、うん……そう、麻琴はか、かわ、いい?気の利くヤツだっ!直ぐに友達出来るって!」


「……無理しないで。今まで仲良くなった子なんていないもの。私には芽衣さんだけだもの!」


益々顔を伏せただけだ。

まさかこんな落とし穴があるとは……。


小学生の頃から一緒にいるが、麻琴が[友達と遊ぶ]と離れた事はない。

伏せたまま落ち込む麻琴に「じゃ、じゃぁ単位一つくらい落とせば?」と公平が打診した。


「やだ!私、成績落としたくないもの!」


勢いよく起き上がった麻琴は涙目だった。


「なら、俺と組む?」


その顔に俺は思ってもいなかった台詞を吐き出してしまった。


沈黙があった。

一瞬、俺が吐いた台詞に二人とも止まった。


「だって、単位落としたくないんだろ?俺も助かるし、俺ならへーきだろ?」


「それ……は、そう、だな」


沈黙を不思議に思いつつ言葉を連ねると、歯切れ悪く公平が賛成を唱える。

何かよくない事でも言ったのだろうか?


「そうだな、留衣は試験成績危ないし、こういうイベントで稼いどかなきゃなんないもんな!」


「アホで悪かったな」


どこか考え深げにして、わざとらしくニヤっと笑う公平に不貞腐れて見せる。


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