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マザコン!  作者: 束砂
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8月・HAPPY[BLUE]BIRTHDAY:12

家事をしないでいる。

男子高校生でなくても子供なら、当然しない日の方が多いはずだ。

朝から食事の用意をしない、洗濯をしない、掃除をしない……退屈でしかない。


母と暮らし始めて俺には[家事]が染み着いているようで、常々行っている事をしないでいると落ち着かない。

ソファーに戻りテレビを観始めると、母が起きてきた。


「おはよー留衣。誕生日、おめでと」


大欠伸をしながら伝えられる言葉に「おはよー、うー……ありがとぅ」と返す。

照れ臭い。


身体を伸ばし、にっこりと笑って目覚めた母がキッチンに立つ。

今日は特別。


……胃薬は常備してある。


朝から夕食か?!と喚きたくなる量の朝食が出てくる。

山盛りご飯、味噌汁、玉子焼き、焼き魚、漬け物、サラダ……夜中に作った煮物、肉の炒め物、揚げ物まで作り始めようとする。


「朝からどんだけ食う気だ?!いい加減にしろ」


「だって、成長期の男の子はよく食べるって聞いたから。留衣、成長期でしょ、食べない?」


「成長期でも限度ってのがあるからね。俺、もう175㎝だから。どんだけ育って欲しいんだ」


「……目指せ、180㎝!」


爽やかさを気取って見せる母を〈アホだ〉と思う。

朝からこれだと1日が不安になる。


「今日は午後からお出掛けね。それまでしたい事してていいよ」


数人分の量を並べたテーブルで[夕食のような]朝食を食べながら告げられるとげんきんなもので、〈さて、何をしようか〉などと頭を働かせる。


先ずは、食べられるだけ朝食を腹に収めた。

満腹以上にもなる苦しい腹を抱えて部屋に戻った。

昨夜は母に占領されていたベッドに転がる。

胃薬は役にたった……のか?


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