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マザコン!  作者: 束砂
112/113

11月・母親至上主義!:19

「い、や、だ!絶対しない!」


「えぇ……強情だなぁ。そんな芽衣ちゃんも好きだけどー、僕はやっぱり芽衣ちゃんと留衣と3人で居たいんだよー……僕にとって、この世でたった独りの[血の繋がる人]だし」


柔らかい声で零れる能見の言葉にまたも母は動く事を止めた。

眺めていた俺は立ち上がり、二人の側に寄るとそのまま能見から力任せに母を引き剥がして奪い返す。


「留衣?」

「母が嫌がってんだろ」


首を傾げてくる能見に俺は母を後ろ手に向き合った。

能見の言葉は理解出来ない。

それは、俺が何も知らないからだ。

でも、母が嫌だと言うのなら、俺は母の意志に従う。


「留衣……」

「母が嫌だと言ってんだからあんた(・・・)と、なんて認めない」


俺は少し強い口調で言い切った。

俺の後ろで母はどんな顔をしているのだろう?

そんな事を考えてしまう……だけど、たぶん、怒ってはいないはずだ。


「そんなぁ……」


嘆き、落ち込んだ素振りを見せる能見は直ぐに「ふふ……」と笑みを零した。


〈怖っ!!〉


俺と母は拒否されても嬉しそうに笑う能見に怯えた。


「ま、いいか。これからは自由に逢えるし」


そう口にする能見の手には母のスマホが握られていた。


「留衣のは登録済みだよ。これで……芽衣ちゃんのも登録出来たし、僕のも入れたからね」


いつの間に?!


俺は自分のスマホを探した。

するとそれは能見のポケットから出てきたのを手渡された……震える手で受け取り、自分のポケットに隠した。


なんだこの人?!なんだこの人?!


「これから宜しくね」


「「絶対嫌だ!」」


「わぁ、そっくりー」


嬉々としてニッコリと笑う能見に俺と母は声を揃えて答えて、部屋から逃げ出した。


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