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マザコン!  作者: 束砂
109/113

11月・母親至上主義!:16

倒れ込んだ俺に尽かさず馬乗りになった母はグイッ!と俺の胸ぐらを掴み上げた。


「このバカ息子がっ!」パンッ!

「いって……!」


「何やってんだっ!」パンッ!

「いっ……!」


「二人を巻き込んで!」パンッ!

「痛いっ……て!」


「当たり、前だ!バカ!!」パンッ!

「ごめっ……!ごめん!」


有無を言わさぬ往復ビンタを喰らわせてきた。

二往復させて激怒状態の母は掴んだシャツに顔を埋めて止まった。


俺は痛む顔を擦り、上半身を片腕で支えてその姿を見た……掴む手や肩が震えている。

もしかして、泣いてる?……母を泣かしてしまった。


「……ごめん、母」


泣かせるつもりはなかったのに……後悔と反省をする俺の上で、母はぼそぼそと何か呟きだした。


「母……?」


何かを口にするがよく聞こえず、聞き返す俺に母は眉間にシワを寄せた顔を上げた。

潤ませた目をしてはいるものの、泣いてはいない。


「この、バカ!何で勝手な事ばっかするんだ?!知りたければ聞けばいい!逢いたければ言えばいい!私は……あんたの母は、息子の疑問に応えてやれる覚悟も強さも持っている!!他人を頼られて情けない思いをさせるな!!」


俺を真っ直ぐに見て、目を吊り上げて喚きたてる。

面食らったけど、母の怒りがそこなのかと申し訳なくなった。


そうだ……俺には必ず問い掛ければ返してくれる母がいる。

城崎だって、[母に聞け]と繰り返していたのに聞かなかったのは俺で、心配かけて怒らせたんだ。


「ごめん」


ただ、母を悲しませたくなかっただけだけど、それは俺の自己満足に過ぎない考えだったようだ。

それでも俺はそうしたいのだけど、言わないでおく。



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