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パートナー  作者: 緋擂
1/5

はじまり

 

 1人目・2人目、登場。

 それは突然始まった。


          ―∞†∞―


「ねぇ、ウルグアイってどこ?」


のどかな昼休み、のんびりパンをかじり、ちょうど僕は考え事をしていた。

昨日録画した映画への期待を胸に、今日の午後の授業の教師がいきなり腹痛かなんかで、これまたいきなり自習になったらなぁ、などとありもしない展開を考えながら、パンをかじっていた。

そうしたらいきなり、


「ウルグアイってどこ?」


だ。なんだそりゃ。

購買で残り1個のところで奪ったコロッケパン(しかも最後の一口!!)から目を離し、突拍子もない質問をかましてきた『彼女』を見た。


うわー。きらきらした目してる。

こりゃ答えなきゃあとが怖いや。


「ウルグアイは…」


一応クラスじゃトップを誇る僕は、


「アフリカの国です」


でたらめを言った。


「アフリカ!!」


嘘ばれたか?


「そりゃすごいね!!」


いや、何が?


「納得しました。ありがとう」


えっ、何に?


『彼女』は来たときよりきらきらした目で、自分の席に帰って行った。

『彼女』は一昨日転校してきた。

名前はなんて言ったかなぁ、あぁそうそう宮島ミヤジマ咲々《ササ》だ。

なんて言うか、一風変わった女子だ。

見た目は悪くないし、むしろかわいいけど、何かどこか違う。

ざっくばらんに切られた黒髪?

いや、普通でしょ。

白い肌に桃色の唇。

うん、イケてると思うよ。

ものすごい寸胴体型でもないし、どちらかというとスタイルいい方かな。

じゃあ…なんだこの違和感?

結局訳わかんないけど、そんなかんじ。

それにさっきの質問は何だ?

地理の地図帳見ればいいのに。

あいにく僕はひねくれてるから、素直に答えなんか言ってやんない。

よくわかんないけど、まぁいいか。

さっき食べかけて止めたパンの最後の一口を、口へ放り込んだ。

うまい。


木川キカワミキ!!」


フルネームで呼ばれた。

まだ口の中にはパンが残っていて、かといって無視するわけにもいかず、僕は口をモゴモゴさせながら呼ばれた方を振り返った。

…振り返らなくとも誰が呼んだか分かったんだけど。


「ねぇ樹!!」


呼び捨て…だよ?宮島さん?


「樹ってクラスで1番頭いいんでしょ?さっき誰かが言ってたけど」


うーん、そんなことな…


「ある!!あるから!!」


じゃあ、そういうことで…。

嬉しそうに笑う宮島咲々には勝てそうにない。


「頭いいってことは…まぁそうだよね」


何?


「ホラあれだよ。宿題見せてほしいな―なんて!!」


やだって言ったらどうするだろう?

困った顔が見てみたい気もする。


「ね!お願い、見せて!!まだ引っ越しの片付け済んでなくて、やる暇なかったの!!」


どうしようかな。


「あ、見返り?えーと、あ!私のアドレス教えたげる」


いらない、心底いらない。

わかったよ、はい。

机の中から青色のノートを取り出して、僕は宮島咲々に渡した。

大事そうに受け取って彼女は足早に席に戻る。

授業開始まであと10分。

ノート、きれいなまま戻ってくるといいな。


「咲々ちゃん、ノートの落書きすごいね!!」


「うん、だから今借りてるの!!」


うん、聞かなかったことにしよう。

まさか僕のノートにまでは…落書きしないよな?


あぁ、はやく家に帰りたい。




 訳わかんない題名でゴメンナサイ…。

読んでくださった方、ありがとうございます。

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