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白銀ノ竜  作者: 鏑木
第零章
2/10

女子高生と竜1

 …やっと見つけた



そう言った女性は私を抱き締めたままで、かく言う私と何が何やら状況も飲み込めず尚且つ頭が真っ白な状態で固まってしまったまま。


体感にして数分くらい抱き締められたままだったがやっとこさ私の頭が動き出し状況が少しずつ飲み込め始めた。


とは言えど、夜の公園で見知らぬ女性にいきなり抱き締められた。という意味不明な状態ではあるけど。







「…あ、あの…」






未だ私の肩に頭を寄せながら抱き着いている女性の背中を軽く叩き声を掛ける。

あ…と声を漏らしながら顔を上げた女性。

至近距離で見る蒼色の瞳に若干顔が熱くなった気もしたが、離して頂けると助かります。と何とか言う事ができた。


…少し視線を逸らしながらになってはしまったけど。






「あ!ごめんなさい!いきなり抱き着いてしまって…その嬉しくてつい…」


「あ!いえ…まぁそれは別に構わないですけど!あ、いや構わなくはないか…」





ん?どっちなんだ?と若干自分で何言いたいのかわからなくなっていると、女性の言葉に引っ掛かりを感じる。





「嬉しくてつい…?」





どういう事だ?初めに言った言葉[やっと見つけた]と[やっと…出会えた]という言葉、それはどういう意味なんだ?


まるでそれは私を探していたようで、私と出会う事が決まっていたかのように思える。


その言葉の数々の意味が知りたくて女性を見れば、少し顔を赤らめながらそれでいて初めにも浮かべていた満面の笑みで女性は答えを口にした。



それはとても現実離れしたものだったけど。









「…ずっとお待ちしていました、貴女を。」


「待っていた…?私を?」


「はい。貴女がこの時代に産まれ落ちたと知ってからずっと貴女を探し、この時を待ち望んでいました」


「…あ、え…それはどういう意味…」


「貴女は私の主となるべき方です、貴女の傍でやっと私は本来の力を発揮出来る」


「…貴女は…一体…」


「私は…竜…ドラゴンとも呼ばれ伝説上の生物だと言われる存在…竜の一族です」





そして貴女に仕えし者です。


月夜の下、そう言った女性の背後には薄っすらと白銀の竜が浮かび上がっていた。


いきなり自分に仕える竜だとドラゴンだと言われ、またもや頭が真っ白になる私。


唯1つ頭に浮かんだのは私の平和でありきたりだった日常が終わるかも知れないという事だった。












私立の高校に通う私、白崎瀬鳴(シラサキセナ)は高校三年生で平凡な何処にでもいる女子高生だと自負している。


中学生の時はバスケと護身として某格闘技をしていたが高校に入ってからは辞めたも同然で、放課後にコンビニでバイトをしている。

一人っ子の私は小さな頃両親を亡くして以来会社を経営する祖父母と独身の叔母に育てて貰って来た。現在は1人暮らし中だけど。


クールだの何だの言われたりするが人付き合いが苦手なだけで、余り人に関わらないようにしていたらそう言われるようになっていただけ。


そう私は至って普通の女子高生だ。

そうだったはずなのに…








「大体話はわかりました。未だに信じられないけど…」





何故か私は今、ドラゴンだと言う女性に貴女は私の主です。

だなんて、普通に聞いたら厨ニ病ですか?としか言われないであろう事を聞かされている。



ちなみに今現在は私の部屋に場所を移して女性(自称ドラゴン)の話を聞いている。





「簡単に信じられない事はわかっています。ですが全て事実なんです」


「まぁさっき貴女の背後に竜らしきモノを見ましたけど…見間違いかもですけど……」


「見間違いじゃありません!」




話を最後まで聞いて下さい!という女性の言い知れぬ気迫に圧され、私はとりあえず正座をして聞く体勢を取った。







「セナ様、私は産まれたその瞬間から貴女にお仕えする事が定められていました。我々の一族は古来よりある人間の一族と親交を深め、竜の一族と人々を守る為に害を為す者達と戦って来ました。」


「害を為す者…」


「はい。ですが人間の一族全てが我々竜を従えるという訳ではなく。一族の中でも竜を従える力と器を持つ選ばれし人間のみが我々竜と契約を結ぶ事が出来ます、選ばれし人間は常に現れる訳ではありません…30年に1人、現れない時は100年に1人という事もあります」



…そして今が丁度100年目です。



そう言いながら女性、もとい竜は私を見る。




「…産まれてから112年、約一世紀と少し貴女に会えるこの時をお待ちしていました」


「…112年!?…途方もない年数」


「えぇ、とても待ち遠しい年月でした」




とても信じられない話ではあるが、私には竜が嘘をついているようにはどうしても思えなかった。


かと言っても話を全て信じきれる筈も無く、若干疑わしく思いながら黙っていると竜は私のそんな気持ちを感じ取ったのか苦笑いを浮かべた。

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