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アトランティスの魔法使い  作者: 夢見まち
第一章
7/7

7話

 窓から見える景色は言葉にする事が難しいものだった。見えるものと言えば色んな色をした景色で

まるで空間と言っても良いものだった。

俺は、窓の外を指差しながら正面に向きこの状況を知っているであろう全員に対して

「何、これ?ドッキリか何か?」と言う。

戸惑いまくりの俺を見て、おじいちゃんはいつもと変わらず笑みを浮かべながら

「いや、いや。これはドッキリではなく今、本当に起きている事じゃよ。」

と、これが本当のことだと肯定するおじいちゃん。

「んなわけないじゃん、さっきの魔法みたいなのも本当はトリックか何かに決まってる!」

と何処ぞのバトル漫画のインチキ格闘家みたいな事を言って、声を荒げて否定する。


言い終わった瞬間にタイミングを見計らった様に車内アナウンスが流れる。

「え~、当列車をご利用の皆様、本日は誠にありがとうございます。この列車は特別便でございます。

また先程、当列車はゲートに突入致しました。到着予定は今から3時間ほどで到着いたします。従いましては、お席にお座りのお客様はご自由にお席をお立ちなられても結構でございます。。車内では車内販売、ならびに食堂も今からご利用できますので、皆様、到着までごゆるりとおくつろぎくださいませ。」

とアナウンスが流れ終わると、おじいちゃんは

「食堂で何か、食べるか?」

場違いな事言った後、その一言に完全に俺が怒ったのが分かったのだろう。

ぽりぽりと頬を指で掻き始める。


 おじいちゃんでは埒があかないと思ったのだろう。おじいちゃんの隣に座っているおばあちゃんは

ため息を付きながら、俺を見て真剣な顔をして言う

「おじいちゃんの言っていることは本当の事よ、私達は皆、魔法使いよ。あなたを含めてね。

出来れば知って欲しくは無かった。」

そう言うとおばあちゃんは少し寂しげな苦笑いをして俺を見る。

「どうして?」

とおばあちゃんに質問するがそれに答えたのはおじいちゃんだった。

「お前は俺等よりも遥かに強い魔力を秘めている。家で凛を連れて行こうとした者達は強い魔力を持つ子供達を集めるのが目的での。集めては自分達の国の兵士にするつもりなのじゃ。

じゃから、儂達は、お前の魔力を昔から抑えておったのじゃが、お前が成長するにつれて儂達では抑えることも難しくなってのぅ」

「抑えてたってどうやって?」全くそんな事された覚えがないので疑問に思った事を

言うと人差し指を立てて苦笑いで

「それは、飲み物や食べ物に魔力を抑える薬を混ぜてたし、

ビタミン剤と言って毎日飲ませてるサプリもそうじゃ」

「犯罪だろ!それ!」

「大丈夫じゃ!抑えるだけで影響はないし、おまけに無香料じゃから食べ物の味を落とさないし」

「んなこと聞いてねぇ!」

興奮して立ち上がって怒鳴るが、隣に座っているみーねぇが「まぁまぁ」と言いながら

俺に座るよう俺の両肩に手を置く

俺は腕を組んで別の質問をおじいちゃんにする

「だいたい、何処に向かってるわけ?」

それに答えたのは隣に座ってるみーねぇだった。

「今から行く所は私達やあなたの故郷よ」

「故郷?」

「まぁ、地球も私達の故郷なんだけどね」

と言う言葉を聞いてみーねぇにしては訳のわからない事を言うので首を傾げながら目を細める。

「じゃ俺や皆は魔法使いで何なのさ?」

みーねぇがその質問に答えようとしたその時、ガラッと列車の連結部分の扉が開き、

森から俺達を列車まで案内してきた男を

先頭に部下なのだろう数人男女が入ってきた。

俺達を見て、微笑をしながらやって来る。

それを見て、おじいちゃんは立ち上がり、通路に出ると男と向かい合うと

ザッという音と共に

男を筆頭に全員片膝を床に付け、頭を垂れる。

「おかえりなさいませカイト様、リン様。お久しゅうございます。」

そう男が言うと更に深々と頭を下げる。

リン様!?ってかこの人、俺を知ってる?

今、目の前で起こっている事に戸惑っている俺を置いて、

「辞め、辞め。」とおじいちゃんは両手を左右に振る。

それを見て、男は

「しかし、そう言うわけには」と部下の手前、食い下がらないのだろう。

そのため、おじいちゃんは男の両脇を持って立ち上がる様促す。

その結果、男の方が折れ立ち上がる。そして後ろを向き、部下たちに手で立ち上がるよう合図する。

「凛も困っておるし、ヴァグズ。それにまだ、この子には殆ど話して無いんじゃ。」

その言葉を聞いて、ヴァグズと呼ばれた男は俺を見る。

視線を感じて直ぐに、立ち上がり

「あの、はじめまして。篠戸 凛です」と頭を下げる。

ヴァグズは何処かおかしかったのだろうか、フッと笑い

「ヴァグズと申します。お祖父様には昔、大変お世話になりました。

御用の際には何なりとお申し付けください。」と言うと小さく頭を下げる。

挨拶が終わり、おじいちゃんに向き直すと

「良い子にお育ちになられたようですね。」

その言葉を聞いておじいちゃんは

「当たり前じゃ。儂等の孫じゃぞ。」

そのセリフに俺は恥ずかしくなり、自分の顔が赤くなるのが分かったし、俺以外、皆微笑している。

恥ずかしいからヤメてよっ!と言えないので席に座り恥ずかしさでじっと我慢する。

「凛」

とおじいちゃん呼ばれ、顔を向けると


「さっきの質問じゃが、答えよう。

お前や儂等はアトランティス人じゃ」






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