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タケル
それから13年後
雷が落ちたあの山小屋のあった辺りは山が崩されビルが建ちならぶ大都会へとなっていた
そこのアパートに住む3人家族がいた
新聞記者として働いている父親(47)
大学院に行っている姉(23)
中学校に行っている弟(13)
この家族には母親がいない
山小屋の落雷事故で命を落としたあの女性である
長男を出産する際に雷が直撃し母親は亡くなった
それいらい男手ひとつでこの家族は育ってきた
長男の名はタケル
彼は中学校二年生である
彼は勉強も普通 運動も普通 特徴のない平凡な中学生であった
しかし彼は普通の人間にはできないことをできる
彼は体から電気を発することができる
このことに気づいたのは6歳の頃ガキ大将にいじめられた時だ
ガキ大将が拳を振り下ろした途端彼の体から電気が発せられた
その電気でガキ大将は気絶してしまった
それ以降何度か彼が危険な目にあったとき彼の体から電気が発せられ彼を守った
だが意識して電気を発することはできなかった
そのため特別なことができるというわけでもないので
普通の中学生として過ごしていた