海恋!?
完全たるお誘い…軟派だ。
もちろん悪い気はしないし、もともとそれを狙って海に来たのだから、むしろ幸せだ。
てか、すごい幸せだ。
「い、いいよ?」
「疑問系なの?はは(笑」
「あはは」
それに、軟派って感じがなかった。
あまりに自然に私の心の中に溶け込んで入ってきてくれたから、なんだか、昔からずーっと一緒にいたようにも思える。
「じゃあさ、泳げる?バテてない?」
「泳げるけど…ちょっとバテてるかな。」
「そっか、じゃあココに動けるまで一緒にいよっか。」
***
気付いたら、別行動になっちゃってたなー…。
はるちゃん、どうしてるかなぁ。
…あ!!
申し遅れました、私、はるちゃんのお友達の本田美沙です!!
私も、ここんとこ別れてからずっと1人だし、寂しい気がするから、逆ナンしにきているんだけども。
はるちゃんと一緒にいるはずが、全くの別行動になっちゃってたんだよねぇ。。
大丈夫かなぁ、ああ見えてもはるちゃんは、少し奥手なんだよな。
そうおもって、辺りを見回してたら、はるちゃんらしき人が、パラソルの下にはいるのを見つけた。
近づこうとしたら、はるちゃんを覆ってるパラソルを見ているイケメンを発見。
「ふふーん、はるちゃん狙いかぁ♪」
思い通り、パラソルの下にいたのは、はるちゃんで、イケメンのその人は、はるちゃんに声をかけていた。
なんだ、逆ナンしなくても、普通にナンパされてるんじゃん。
心配ないか!!
よし、行動開始しよっと!!
***(引き続きみさsideです)
海の家前にイケメン発見!!
「ねえねえ、今1人?」
「俺ー?彼女いるから、ごめん。」
なんだよぉーっ、なんで彼女持ち?!
なんて、怒るのも虚しいから、
「あ、ごめんなさい」
って言って他を探すことにした。
とは言うものの、なかなか私好みのイケメンさんがすぐ見つかる訳もなく、暇なので、気分転換に海に入るにした。一応、浮き輪持ってきたし。
泳げないから、適当に浮き輪に乗ってプカプカ浮いてゆっくり休憩することにした。
「あ…ここ丁度はるちゃん達見えるなぁ…。いいな、ナンパされて…。」
私も、もう少し可愛ければなぁ…。
なんだか少し悲しくなってきた。
彼氏と別れるのだって、いつも彼氏が他に好きな人ができて別れることになるばっかだし。
魅力…無いのかな。私。
あ″ー駄目だ。なんかネガティブになってきた。
一回気持ち切り替えなきゃ。そう思ったその時、
ザパパーン
大きな波が来た。
「きゃっ!!?」「おわっ?!」
浮き輪がひっくり返って私が海に落ち、そして誰かにぶつかった。
やばい、ここ結構深いかも。
「ちょっ、君大丈夫?!ちょ、ちょちょちょちょ!!溺れてんの?!」
ブクブク沈んでく私。
「た…ブクブク…すけ…ブクブク」
***(引き続きみさside)
気が付くと、パラソルの下に寝かされていた。
「あれ?なんで私ここに?」
「気がついた?君、でっかい波が来たせいで、溺れたんだよ」
いきなり、目の前にイケメンさん。
「助けて…くれたの…??」
「うん、君さぁ、いくら浮き輪にのってても、泳げないなら、危険だから、深いとこ行っちゃだめだよ?」
「ごめんなさい…」
良かった。助けてもらえて。じゃなきゃ命に関わっていたのかもしれない。
「ま、いいよ。おかげで可愛い子にあえたしね。」
「へ?」
まさか…ナンパ?私を?
「時間…ある?今日一人?」
「…はい!!」
「その顔は…乗り気だね?」
そう言うと、少し笑った。
「俺、横山慎吾。」
「私は、本田みさ。」
「みさちゃん?可愛い名前だね。」
「あ、ありがと」
「そうだ、俺高3だけど、みさちゃん何歳?」
やっぱり年上…!!
「高2だよ。」
「どこ高校?」
「東高校。」
「あ、そこ俺も。」
「本当ですか?!じゃあ同じ高校の先輩なんだ…」
しらなかった、こんなカッコいい人、先輩にいたなんて。
***(遥side)
2人でパラソルの下で話していた。
「俺さ、中学のとき、女子がすっげぇ、苦手だったんだ。だから男子校入ったんだよね。」
「なんで苦手だったの?」
「なんか、俺にやたらベタベタくっついてくるし、話し方とか…下品ってか、なんつうか…。」
「モテてそうだもんね。輝くん。」
「そっちこそじゃん。俺さっき遥ちゃんに声かけんの、すげぇ勇気いったし。」
「え?そうかなぁ?」
「そうだよ。」
急に真面目な顔して言うから、びっくりして思わず目をそらした。