表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/18

受け止めた怒り

養成学校地下。

特訓施設。


迅はゆっくり立ち上がった。


体はボロボロだった。


それでも刀を握る。


目の前には――


影の迅。


鬼の気配を纏った、自分自身。


その時。


どこからともなく声が響く。


父の声。


「……少し力を貸してやる」


迅の瞳が赤く染まる。


両目が赤く光る。


額から角が生える。


口元から八重歯がのぞく。


髪の色が、わずかに赤く染まる。


迅は刀を握り直す。


そして――踏み込む。


一撃。


影の迅の体が吹き飛ぶ。


壁に叩きつけられる。


影の迅が立ち上がる。


怒りに満ちた目。


「なんなんだお前は!!」


「お前みたいに――」


「口だけの奴が一番ムカつくんだよ!!」


「消えろ!!」


影の迅が突っ込む。


拳が振り下ろされる。


迅はその攻撃を受け止める。


衝撃が地下に響く。


迅が静かに言う。


「……ごめん、羅刹」


「俺、強くなることばっかりで」


「お前のこと分かろうとしてなかった」


影の迅の動きが止まる。


迅が続ける。


「お前のその怒りにも理由があるんだろ」


「俺、その怒りも全部受け止めるよ」


刀を握る手に力が入る。


「俺は」


「お前も含めて全部守りたいんだ」


「その為には俺一人じゃ何もできない」


迅は真っ直ぐ前を見る。


「だから羅刹」


「力を貸してくれ」


「お前と一緒に強くなりたい」


沈黙。


その後。


低い声が響く。


羅刹。


「……お前ほど馬鹿な人間は見たことがない」


少し間を置いて言う。


「少しだ」


「今のお前の限界を俺が引き出してやる」


「ついてこれるか?」


迅は笑う。


「まかせろ」


次の瞬間。


迅の体から力が抜けた。


刀を落とす。


玄の方を見る。


そのまま――倒れた。


気絶。


玄は腕を組んだままそれを見ていた。


そして――


少しだけ笑った。



それから二日後。


国の西にある街――コスタール。


その街が


大規模悪魔災害に襲われた。


街の広範囲が破壊され


多くの悪魔が出現したと報告が入る。


事態を受け


鬼鋭隊を中心とした


大規模討伐隊の結成が決定された。


新たな戦いが――


始まろうとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ