修行の果て
森の奥。
静かな空間に風が流れている。
玲はゆっくりと銃を構える。
目の前には――
もう一人の玲。
風牙の力を纏った分身。
次の瞬間。
分身が消える。
風。
背後。
玲が振り向く。
風の刃が頬をかすめる。
後ろの木が裂ける。
速い。
玲が息を整える。
銃を握り直す。
小さく呟く。
「……風牙」
森の空気が変わる。
風が銃口に集まる。
渦を巻く。
分身が突っ込む。
風の刃が迫る。
玲は動かない。
狙いを定める。
引き金を引く。
轟音。
風の弾丸が一直線に走る。
分身を撃ち抜く。
そのまま――
後ろの木々をえぐり取る。
何本もの木が裂ける。
分身の体が崩れる。
風となって消えた。
静寂。
玲の手から銃が落ちる。
そのまま前に倒れた。
すいが歩み寄る。
「合格」
⸻
同じ頃。
訓練場。
地面は氷に覆われていた。
蓮と分身の蓮が激しくぶつかる。
氷の衝撃。
剣がぶつかるたびに氷が弾ける。
烈が腕を組んで見ている。
蓮が息を整える。
剣を握る。
「……氷覇」
地面の氷が広がる。
冷気が集まる。
蓮が踏み込む。
剣を振り上げる。
氷が一気に爆ぜる。
巨大な氷の斬撃。
分身の蓮を飲み込む。
衝撃が訓練場を覆う。
烈が一瞬、炎を纏う。
熱の壁。
氷の衝撃を防ぐ。
氷が砕け散る。
静寂。
分身の体が崩れる。
氷の粒となって消えた。
蓮が剣を地面に突き立てる。
息を荒くする。
足が震える。
烈が炎を消す。
「終わりだ」
蓮が笑う。
「……っす」
その瞬間。
力が抜ける。
蓮の体が崩れる。
氷の地面に倒れた。
烈が小さく笑う。
「やっとか」
⸻
その頃。
地下の特訓施設。
迅はまだ――
立っていた。




