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氷と風

訓練場に氷の破片が散っている。


蓮は肩で息をしていた。


目の前には――もう一人の蓮。


氷の大剣を構えた影。


烈は腕を組んだまま見ている。


「それがお前だ」


影の蓮が踏み込む。


凍った地面が砕ける。


大剣が振り下ろされる。


蓮が受け止める。


「ぐっ……!」


重い。


腕が沈む。


影の蓮は無表情のまま押し込んでくる。


烈が言う。


「力任せ」


「読みやすい」


次の瞬間。


影の蓮の膝が腹に入る。


「っ!」


蓮の体が浮く。


そのまま蹴り飛ばされる。


地面を転がる。


烈の声が響く。


「立て!」


蓮がゆっくり起き上がる。


剣を拾う。


吐く息が白く広がる。


「……マジで俺だな」


影の蓮が歩いてくる。


剣を構えたまま。


烈が言う。


「鬼を使え」


蓮の手の紋章が光る。


「……氷覇」


空気が一気に冷える。


蓮の背後に影が現れる。


氷色の瞳。


白い息。


氷の爪。


静かな氷のオーラ。


氷覇。


その瞬間、氷覇が笑う。


「ははっ!」


「いいじゃねぇか!」


蓮が笑う。


「いくぜ!氷覇!」


影の蓮が突っ込む。


蓮も地面を蹴る。


大剣がぶつかる。


氷が爆ぜる。


烈が小さく笑う。


「いい顔になってきたな」


蓮が叫ぶ。


「まだまだっす!」


氷の衝撃が訓練場に広がる。


修行は――さらに激しくなった。



同じ頃。


養成学校の裏に広がる森。


風が木々の間を静かに流れている。


玲は森の中に立っていた。


目の前には――もう一人の玲。


風を纏った影。


副隊長の鳴海すいが木にもたれて言う。


「それがあなた」


「あなたの鬼の性格」


影の玲が消える。


次の瞬間。


風が裂ける音。


玲の横を刃のような風が通り抜ける。


「っ……!」


玲が飛び退く。


背後の木に深い傷が走る。


速い。


目で追えない。


影の玲が再び消える。


今度は正面。


風の爪が振り下ろされる。


玲が短剣で受ける。


金属音。


衝撃で後ろに弾かれる。


地面を滑る。


すいが淡々と言う。


「風鬼は速さ」


「迷えば負ける」


影の玲がゆっくり歩いてくる。


無表情。


玲は立ち上がる。


紋章を見る。


「……風牙」


その瞬間。


森の風が一斉に揺れる。


玲の背後に影が現れる。


細身の鬼。


鋭い目。


風のオーラ。


風牙。


風牙が笑う。


「やっと呼んだか」


玲が前を見る。


「力貸して」


風牙が楽しそうに言う。


「面白くなってきた」


影の玲が突っ込む。


玲も地面を蹴る。


二つの風が衝突する。


空気が裂ける。


木々が揺れる。


葉が舞い上がる。


すいが小さく頷く。


「いいわ」


「そのまま強くなりなさい」


森の中で風が荒れる。


玲の修行も――


始まったばかりだった。


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