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燃え尽きる覚悟

地下が揺れる。


中級悪魔が咆哮を上げ、迅へ突進する。


赤黒い刃が閃く。


火花が散る。


迅は踏み込み、斬り上げる。


悪魔の爪が剣を受け止める。


衝撃。


地面が砕ける。


守剛が岩を隆起させ、横から叩きつける。


悪魔が跳ぶ。


天井へ張り付き、闇の中から降下。


迅は剣を振るう。


連撃。


だが硬い。


刃は食い込むが、深くは届かない。


悪魔の腕が振り抜かれる。


迅は剣で受け止める。


重い。


圧が増す。


足元の床がひび割れる。


「――っ!」


悪魔の口が開く。


黒い光が収束する。


守剛が叫ぶ。


「下がれ!」


放たれる衝撃波。


迅は剣を構え、正面から受ける。


衝撃。


身体が宙を舞う。


壁に叩きつけられる。


音が消える。


肺の空気が抜け、視界が白く染まる。


剣が床に転がる。


遠くで、守剛が立ち上がろうとしているのが見える。


だが身体が動かない。


――また守れないのか。


地下が、やけに静かだ。


なんで俺は、こんなに弱い。


闇が迫る。


その奥から、声。


「諦めるのか?」


低い。


冷たい。


「大口を叩いていたくせに」


影が揺らぐ。


「もう限界か?」


嘲るような響き。


「やはりお前も、何も守れぬ」


迅の指が震える。


床を掴む。


「……違う」


血を吐きながら、顔を上げる。


「誰が諦めるか!」


声が掠れる。


それでも叫ぶ。


「羅刹――もっと力を貸してくれ!」


沈黙。


やがて、闇の奥で笑い声。


大袈裟に、馬鹿にするように。


「今のお前が耐えられるのは、二割」


空気が軋む。


「それ以上は壊れる」


迅は、息を整える。


「構わない」


立ち上がる。


足は震えている。


だが視線は逸らさない。


「ここで終わる方が、よっぽど終わってる」


闇が歪む。


「死んでも知らんぞ」


迅は剣を拾う。


「行くぞ、羅刹」


その瞬間。


紋章が爆ぜる。


赤い光が奔る。


地下の空気が焦げる。


角が伸びる。


牙が覗く。


片目が赤く燃える。


髪が逆立つ。


守剛が目を見開く。


「……二割か」


掌の剣が変質する。


刃が炎を纏う。


灼熱の業火。


羅刹の力。


熱が地下を支配する。


肺が焼ける。


骨が軋む。


それでも、立つ。


これが、二十パーセント。


悪魔が唸る。


迅は剣を後ろで構える。


赤く燃える片目で、真っ直ぐに見据える。


「終わらせる」


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