鍛冶屋バラン
ある国に、一人の若き鍛冶師がいた。
彼の夢は、自分の民を外敵から守るために、かつてないほど強力な剣や戦の道具を作り出すことだった。
少年はまず、王国の鍛冶師アカデミーに入学する。だがその後、彼はもう一つの存在を知ることになる。
それは——王国戦士アカデミー。
この戦士アカデミーでは、戦士と鍛冶師が一組となり、共に任務をこなしながら経験を積んでいくという制度があった。
少年のパートナーに選ばれたのは、なんと王国で最も美しく、最も勇敢だと言われる少女戦士だった。
しかし、彼には一つ大きな問題があった。
たしかに彼は有望な鍛冶師だったが……戦場が大の苦手だったのだ。
臆病で、血を見ることすら嫌がる彼にとって、戦いは恐怖そのものだった。
それでも彼は、最高の武器を作り出す旅に出る。
旅の中で彼は、ある古の伝説を耳にする。
それは、かつてこの地にいた古代の鍛冶師——ドワーフたちの物語。
かつて、彼らは偉大な武器を作り上げていた。
だが、大戦の際、知らぬ間に敵となる存在に力を貸してしまい、裏切り者として裁かれ、全滅したと伝えられている。
……だが、本当に彼らは滅んだのか?
そして、彼らが遺したという禁断の鍛冶術とは……?
少年と少女の旅は、王国の秘密、そして武器の本質に迫っていく——!
「見つけた……ミカの石だ!」
名をバランという少年は、洞窟の奥深く、岩陰に身を隠しながら息を潜めていた。
その視線の先には、ひときわ輝く石——伝説の鍛冶石、ミカの石が鎮座していた。
それは、強力な剣を鍛えるために使われる、鍛冶師たちの憧れの秘宝だった。
だが、問題が一つあった。
ミカの石の背後——そこには、巨大な鉄のゴーレムが、まるで番人のように眠っていたのだ。
「……カツン、カツン……」
洞窟の天井から滴る水の音が、石の床に響く。
バランは目を細め、心の中でつぶやく。
「この鉄のゴーレム……本物だ。静かに行かないと、この洞窟の磁力のせいで動き出すかもしれない……」
この洞窟、「ラリの洞穴」は、磁気を帯びた特異な場所として知られている。
昔、ここには鉄でできたゴーレムたちが住んでいたという。雷の多いこの地域では、落雷が頻繁に起き、洞窟内の金属に強い磁力が蓄積されていた。
時が経つにつれ、ゴーレムたちはこの電気の力を自分のものとして使えるようになったのだ。
バランは深呼吸し、慎重に一歩ずつ進み出す。
ゴーレムは……まだ眠っているようだった。
「……今しかない」
汗が額を流れ、手のひらもじっとりと濡れていた。
バランは足音を殺しながら、石に近づく。
——ビリ……ッ!
体に微弱な電気が走った。
彼は立ち止まり、目だけを動かしてゴーレムを確認する。
その体からは、かすかな火花が放たれていた。
それを見たバランは、目を見開き、震える声で呟く。
「やっぱり……鉄のゴーレムの伝説は本当だったんだ。すごい……!」
——ガシャンッ!
重々しい音と共に、ゴーレムの目が開いた。
「うわあああああああっっ!!」
バランの叫びが洞窟にこだまし、何度も反響する。
彼は気づかなかった——ミカの石に近づいたその瞬間、彼の体から出た微細な電流が、ゴーレムの磁気フィールドを活性化させてしまったのだ。
ゴゴゴ……!
ゴーレムが立ち上がる。
高さは約6メートル、両腕はまるで柱のように太く、顔には黒い帯が目の部分にかかっていた。
「やばい……!!」
バランは、ミカの石を握りしめると、反射的に出口に向かって全力で走り出した!
皆さん、このバランという鍛冶師の物語を楽しんでいただけたら嬉しいです!
この冒険では、彼が王国一の剣を作るために、さまざまな試練に立ち向かっていきます――とてもワクワクする旅です。
まだ初心者なので、これからもっと文章力を磨いていきます。
応援してもらえると本当に励みになります!
読んでくれて、本当にありがとうございました!