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【書籍化決定】羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~  作者: 藤原ゴンザレス


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第九十六話

 コロニーのガワができると民間業者の出番になる。

 これは軍にやらせると軍艦の食堂みたいに紅白幕でデコレーションされる。

 それしかデザイン案のデッキはない。

 ……俺たちにはデザインという概念はないのさ。

 それだけは避けたいと嫁ちゃんが大野に頼んだ。

 かと言って海賊にやらせると、ヒョウ柄などの悪趣味内装で安っぽい香水のにおいが漂う空間にされる。

 なので内装屋を持っている大野にバトンタッチ。

 ちゃんと予算つけたら無難な内装を提示してきた。

 なお電子機器などの担当は妖精さんだ。

 一抹の不安をおぼえるが、俺とさえ絡まなければ妖精さんはまともなんだって!!!


「お掃除ドローン追加しましょうね」


 妖精さんは過剰なくらいのお掃除ドローンをプリンターに発注している。

 ゴミの処理能力も過剰なくらいのを要求した。

 嫁ちゃんとの会議で問いただす。


「なぜこんな清掃に処理を割くのじゃ?」


「現状コロニーをゴミだらけにしてるからですよ。私たちの時代にも問題になったんです。コロニーがまだ珍しかったんでゴミの分別もできない市民を放って置いたらゴミと害虫であふれかえるという……」


 地獄だな。


「ケビンはどうしてたん」


 横にいたケビンに聞いてみる。

 コロニー育ちの意見は重要だ。


「ゴミのポイ捨ては御法度だったね。とにかく病人が出るからって子どものころから徹底的にゴミ捨てだけは教え込まれたよ。ゴミ屋敷なんて作ったらゴミ処理工場での強制労働が待ってるし」


「マジかよ……」


「ネズミが出たら区画ごと焼却だしね。ハムスターすら飼育禁止だし」


「というわけでゴミ処理は徹底的に」


 宇宙開拓時代の生き字引とコロニー出身者が言うのだからそうなんだろう。

 承認っと。

 内装屋の作業もできるけど、こっちは廃戦艦スラムの住民に仕事が与えられる。

 内装だったらめったに死人出ないし。

 俺たちは方向性が決まると出発準備に取りかかる。

 もう俺たちの仕事はないのだ。

 海賊側の元軍人の船が50隻。

 大野艦隊が100隻。

 で、俺たちの超大型艦である。

 俺たちが1隻ですまされたのは戦闘機やら輸送艦やらを内蔵してるから。

 艦隊戦は少ないだろうと予想されてたからである。

 なんでもゾークは宇宙空間での戦いを嫌がってる。

 ファーストコンタクトで俺一人に手痛い敗北を喫したのが尾を引いてると分析されている。

 宇宙空間は不利だぞって学習したのね。

 大艦隊で進んでいく。

 とは言っても近くから攻略していく予定だ。

 俺たちの仕事は仲間の家族を助けることと後方の安全確保なのだ。

 トマスには悪いけど少し待っててもらう。

 トマスの10万もの大艦隊はただいま停滞中。

 たぶん惑星攻略に手こずってるんだろう。

 そのうち【うちら宇宙空間でも戦えるんじゃね?】ってゾークが気づくだろう。

 そしたら撤退を余儀なくされると思う。

 逆に言えばそれまでは猶予がある。

 それまでにトマスの逃走経路を確保するのだ。

 無能貴族には盾になってもらおうと思う。

 つうわけで次は惑星【館花】。

 メリッサの実家じゃん。

 さっそくメリッサに聞いてみる。


「うん? 次うち? 親父と兄貴どうしてるかな」


 領地の境界近くに来たので通信。

 メリッサに呼びかけてもらう。


「おーっす、メリッサだよ~ん」


 軽い。

 すると山賊の親分みたいなおっさんが出た。

 領主のゴードン館花子爵だ。


「おう、どうして戻ってきやがった」


「助けに? あと旦那紹介したいしさ」


「そうか。じゃあ血は絶えないってことだな」


「ああん? どうしたんだよ親父」


「メリッサ、絶対にここには来るな。公安には報告したが……弥七の野郎がゾークになりやがった」


 それを聞いてその場にいた全員が息を呑んだ。

 人型ゾークの工作員だ。


「弥七師範が!? 他の惑星の領主もゾークに変わったぞ! いまそっちはどうなってるんだ!?」


「そうか……弥七が化け物になったおかげで俺たちは総崩れだ。他にも何人かが化け物に……。全員エスパーだ」


 そういやメリッサの惑星はエスパー積極採用だっけ。

 だとしたら人型ゾークも多いのか。

 まずいな。


「俺たちは城にこもって戦ってる。今のところはなんとかなってるが……いつ陥落するかわからん」


「おい冗談だろ? ちょっと待ってろ! 今助けに行くから!」


「来るな! ……今行く!」


 ここで通信終了。

 なにかあったようだ。


「隊長。家族を助けてくれるか?」


「もちろん。ほら行くぜ!」


 俺たちは出撃する。

 俺の機体の新規開発が終わっていた。

 今度の機体は関節部に柔軟性を持たせ俺の動きにも耐えられるように設計した。

 端末もアップデート。

 妖精さんの常駐用の専用メモリまである。

 なのに泥臭い見た目は1ミリも変わらない。

 デザイナープリーズ!!!

 それはいいとして、惑星館花である。

 住民のほとんどが武術家か観光産業の従事者である。

 子爵領なのは単純に人間が居住できる面積が小さいのと地下資源が乏しいからだろう。

 主な収入源は観光。

 時代村がある。

 ガチ侍を見せる施設のようだ。

 制度としての侍は滅んでるのに侍とはこれ如何に?

 それは野暮だろう。

 とにかく和風旅館に侍と忍者で稼いでいる。

【観光客の区域と公安のスパイ養成所は別れているけどね】とメリッサは言っていた。

 もともと技術自体はオープンな情報らしい。

 あとはどれだけ継続するか。

 どの武術も同じである。

 さて防空システムは俺たちを標的としなかった。

 帝国軍だもんね!!!

 ヘタに設定をいじらずデフォルトで使う。

 某公爵領や某侯爵領には見習ってほしい。

 バーニアはいらない。

 普通に輸送船で降りた。

 ドローンでの索敵で敵は見つからなかった。

 俺たちは惑星の表を司るテーマパークにたどり着いた。

 前世的なものの記憶がある俺が見るとSFにありがちな日本だなと思う。

 マッチョ忍者とか裸よりも恥ずかしいハイレグくノ一とか。

 甲冑+二刀流とか。

 連獅子甲冑とか。

 対魔忍とかいそう。

 こういうの……しゅき。

 さて探そうか。

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― 新着の感想 ―
やーいお前の母ちゃん対魔忍 書かなきゃいけない気がして!
[一言] 退魔忍は見つけたら、いや多分探した時点で嫁達からアウト判定くらいそうw 男子達は喜ぶだろうけどwww
[気になる点] ゾーク化した退魔忍に勝てる気がしない
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