表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
654/671

第六百五十四話

 開会式前日。

 駅のカレーフェスに向かう。

 俺のバイクを使うまでもない。

 新しく買った自転車で行く。

 買い出し用のママチャリではない。

 スポーツバイクね。

 もうとっくに成人したというのに、このあふれ出る大学生感よ。

 駅前の公共駐輪場にチャリを停めてカレーフェスに行く。

 もうね、王都の住民は俺がいたくらいでは驚かなくなった。

 そもそもキッチンカーを出してる店主の多くは長屋時代の顔見知りだ。

 席に腰掛けカレーを食べる。

 広場には小さな子どもたちがいて遊んでた。

 この子たちはテロの前に生まれた子どもたちだ。

 そしてベビーカーが何台も行き交っている。

 こちらはテロの後に生まれた子どもたちだ。

 クロノスでは上の世代が丸ごといなくなった。

 そのせいか各地でベビーラッシュが起きてる。

 子育て世代にお金が行くようになったからね。

 世の中はいい方に向かってると思う。

 たぶんね。

 カレーは銀河帝国式のにした。

 帝都のなつかしいカレー。

 こういうのを食べると……里心が……。

 嘘である。

 毎週金曜日はカレーの日である。

 うーん……これ買ってサボろうと思ったが……作りたくなった。

 うーん。

 近くのキッチンカーに行く。


「王様、おかわりですかい?」


「んにゃ、護衛のニンジャの分。ほら、姿現せ」


 20人ほどがゾロゾロ出てくる。

 そうなのである。

 騎士団置いてけぼりを繰り返した結果。

 レプシトールニンジャが俺のお庭番兼護衛として正式に採用されたのだ。


「好きなの頼んでいいぞ」


「ありがとうございます。陛下は?」


「帰る。カレー作りたくなった」


「テイクアウト40人前で」


「あとで宮殿に届けます」


 40人もいるのか。すげえわ。


「はいこれ。お釣りいらないから」


「ありがとうございます!」


 チャリで宮殿に帰る。

 そもそも危険性は少ない。

 宮殿から駅までは元長屋の連中が住んでる地区だ。

 再開発でばらけたけど、それでもご近所さん。

 俺は町内会費払ってるし、町内会の催し物にはお金を出してる。

 ゴミ拾いなんかも普通に参加してるしね。

 チャリに乗ってると知り合いに挨拶されるしね。

 忍者たちもゾロゾロやってくる。

 いやわからないように気を使ってくれるんだけど、ママチャリで疾走してる黒服は目立つのだ。

 宮殿に着いたら食堂に直行。

 カレーを作る。

 カレーはいいぞ。カレーは。金曜だし。

 ベーシックな豚肉のカレーだ。

 俺がカレー作ってるとニーナさんも手伝ってくれる。

 問答無用でトンカツを揚げる。

 それだけじゃないコロッケもだ。


「……揚げ物は正義」


「あ、はい。うん」


 もうこうなったらニーナさんは誰にも止められない。

 業務用の福神漬けとらっきょの漬物を出して……っと。

 あと謎のサラダパスタ出して野菜切って。ふう。

 ニーナさんがご飯炊いてくれたので仕込み終了。

 あとはお昼まで王様するか。

 部屋に戻ると待ち構えてたレンと女官さんに捕まる。


「なんです!?」


「明日の開会式の準備です」


 あ、はい。

 エステ的なやつ。

 そのまま縛られてご案内。

 美容室から侍従になった兄さんに髪をセットされる。


「陛下、いままではどんなケアを」


「宇宙海兵隊シャワー室付属のアロエシャンプーであります!」


「……ヘアケアからはじめますね♪」


 カワゴン選択肢失敗した。

 カナシイ……。

 なんか炭酸入りのクレンジングとかよくわからない単語が出たが為すがまま。

 シャンプー終わって髪の毛を切る。


「髪型どういたします?」


「ジャーヘッドだけはご勘弁を。宇宙海兵隊名物ジャーヘッドだけはご勘弁を……」


 ガクブルしながら答える。


「サロンなのでしませんよ~。ではおまかせで」


 ガクガクブルブル……。

 できあがりはモミアゲまでバッサリのオーゼン風かと思ったら、ラターニア風というか銀河帝国のモデル風におさまった。

 うーん優男風。

 待てよ……俺はNTR専用の量産機だったのか!?

 もしくは刺されて死ぬバッドエンドしかない複数股男。


「旦那様お疲れでしょう。お茶を飲んで休まれては?」


 執務室に戻るとレンがやって来た。


「レン……俺はどうやらNTR専用量産機らしい……」


「旦那様が量産機だったらゾーク戦争であれほど苦労しなかったと存じますが」


 さすがレン、俺の嫁だけあって軽くスルーしてくる。


「あ、それより、どう? この新しいクロノス国王用儀礼服」


 要するに軍服なんだけどさ、儀礼用のヤツ。

 白い手袋つき。

 執務室に吊してある。


「非常にお似合いかと。旦那様は骨格は細身ですが筋肉質ですので」


 俺の身体データに合わせて作った服である。

 明日はこれでバカ殿である。

 なお隣には本物のバカ殿セットが吊してある。

 白いクロノス国章紋付きの上着にゴールド袴。

 刀は紫の紐。

 ヅラはチョンマゲ。

 さらに隣には金色着物のサンバセットも。


「当日、スキを見て金色サンバセットで踊ろうと思うんだが」


「クレアちゃんに殺されたくなかったらやめてください」


 さすがに自殺行為か。

 お茶飲んで芋ジャージ姿の自分を鏡で見る。

 うーん、深夜のコンビニ前でよく見るタイプの兄ちゃんだ。

 髪だけ金かかってる感じが完全にそれ。

 俺王様でいいのか?

 なんて思ってると廊下から声がする。


「そんなキラキラドレス! 絶対嫌!」


 芋ジャージに汚い教室シューズを履いたタチアナが逃げ回ってる。

 おそらく聖女のドレスが恐ろしくガーリーだったので逃げ回ってるのだろう。


「なんでそんなキラキラティアラつけるんだよ!」


「聖女様! お似合いですから!」


 タチアナってさ、本人パンクを自称してるけど、ふわふわキラキラ似合うんだよね。


「ぜったいに似合いますから!」


「やだああああああああああああああああああッ!」


「捕まえたであります!」


 あ、ワンオーワンに捕まった。


「タチアナ! 私だって太極国伝統の宮廷衣装を我慢するんですから!」


 シーユンも捕獲班だったか。

 シーユンも男の子として育てられたせいかスポーツっぽいの好きだしね。

 普段着は野球の公式ユニホームシャツだし。


「いやじゃあああああああああああああああ!」


 タチアナの叫び声が響いた。


「レンは?」


「ドレスです」


 やはりレンが一番そつがない。

明日は丸一日病院で検診のため

キャラ紹介になると思いますですはい

(定期検診の予定が重なっただけで病気とかじゃないです)

明後日も予定が過密なためどうなるかわかりません

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
レンがなんだかんだ卒がないのは そもそも公爵令嬢というのがあるのだろうか
病院、予約してるのに2時間待ちがデフォな謎施設。
町内会費を払う王様… たぶんラノベ史上初なのでは?(笑)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ