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第六百五十一話

「あにき~メシくれ~」


 救護所での看護師のシフトが終わったタチアナが食堂に来た。

 疲れ切ってる。

 ゾーク戦争で衛生兵として働いてたタチアナは、看護師の中でも実力は抜きん出てる。

 通常の業務から、手術の手伝い、民間人の治療に次々怪我しまくる俺たちの治療に……あと頻繁に死にかける俺の世話も。

 俺から会得した超能力。

 癒しの力もあって、経験値がとてつもなく高い。

 当然、ケビンの師匠にあたる士官大学校医学部の教授たちに目をつけられてる。

 おそらくケビンの時と同じだ。

 ある日、部屋に士官大学校医学部の受験案内が置かれてる。

 なにかなと思ったら笑顔の院生、現在はケビンと同じ医師たちが来る。

 部屋のドアに鍵をかけられ……死ぬほど勉強だ。

 なあに、タチアナは賢いし、体力も我がカミシロ隊水準でも高い方だ。

 気がついたら医師免許が生えてくることだろう。

 なおワンオーワンも目をつけられてる。

 ワンオーワン……学力高いのよ……素直だから。

 そんなワンオーワンも来る。


「おなかすいたであります」


 なぜか二人とも俺のところに来るのね!

 というわけでシャーロットと鉢合わせた。


「ちーっす」


「う、うむ」


「お疲れ様であります!」


 二人は相手が誰だかわかってないようだ。


「どちらが聖女じゃ?」


「ちっこい方」


 タチアナに蹴られた。


「身長のことは言うな!」


 ベシベシパンチされる。

 お怒りのようである。


「お主が聖女か?」


「なんかそう言われてるっスね」


「シャーロットちゃん。これが噂の聖女タチアナ」


「ちすちす」


「お好みや食うか?」


 侍従さんがたくさん買ってきてくれたお好み焼きを渡す。

 ワンオーワンにもね。

 いつも二人にカツアゲされてるので多めに買ってきてくれたのだ。


「ん。ありがと」


「あと焼き鳥」


「いいね!」


「おいもさん! おいもさんはあるでありますか!」


「はいワンオーワン。ポテト」


「うわーい!」


「あー……もしかして……お主ゾーククイーンか?」


「ゾーククイーン? マザー?のワンオーワン少尉であります!」


 表記が入り乱れてるが、経産婦じゃないためクイーンが正式名称ということになってる。


「ワンオーワン、少佐」


「あ、間違えた。少佐であります!」


 そうなのである。

 ゾーククイーンや聖女が尉官でいいのか問題はもめにもめまくった。

 結局、二人とも特別職扱いで少佐に昇進になったのである。

(シーユンは帝国士官学校に留学中の外国V.I.P.なので正式に階級がなくなった)


「でも自分は軍の看護師であります!」


 と本人は思ってるが「医師国家試験合格しちゃえば基本的に少佐だよね」と銀河帝国軍上層部は思ってる。

 医師や弁護士、それと技官や士官大学校の教授みたいな特別職の「佐」はいっぱいいるから扱いに困らない。

 もうタチアナとワンオーワンは医者にしちゃえという空気感である。

 ケビンでうまくいったから味を占めたんだろうな。

 実際、それが一番四方丸く収まるのだが。


「二人とも……その……なんというか普通じゃの……」


「だって、あーし平民だし」


「もう違うだろうが」


「だってあーしの領地、クレア姉が管理してるし」


 そりゃね。

 無理だよ。

 平民にはノウハウがない。

 だからクレアが代官を派遣してる。


「つーわけで、えっとシャーロット様?」


「シャーロットでいい。聖女よ」


「あーしの方も聖女っていうのやめてもらえると嬉しいッス」


「わかったタチアナ」


「自分もワンでお願いするであります!」


「わかったワン」


「ところでさー。シャーロットどこ行きたい?」


「うむ。この軽音を聞きたいのじゃ」


「行こう行こう! シーユンも誘おうぜ!」


 なおタチアナもワンオーワン、それにシーユンも書類上軽音部所属であるが、地獄の特訓は免除されてる。

 ライブもなし。

 趣味で集まってバンドやってるだけだ。

 護衛たちと遊びに行った。

 仲良きことは……。

 って大丈夫よ。

 絶望さんやクロノス、ラターニア、鬼神国の精鋭による聖女親衛隊が守ってるし。

 妹分たちの成長に感動で涙が止まらないカワゴンだった。

 さて、俺はクレアのところに行く。

 屋内でできるからスポーツ大会枠じゃなくて文化祭に組み込んだ。

 さすがにこの間みたいな規模のプロレスの大会はできないだろう。

 ……しないよね?

 彼らマネタイズから経営から興行まで、自分たちでできちゃう。

 だから俺たちの管理下にないんだよね。

 どうやっても行政の紐付きにするのが無理なんだわ。

 プロレス会場に行くとタンク先生たちのプロレス教室のタイムスケジュールに、エキシビジョンマッチの予定が書かれてた。

 あらま、クレアの試合が近い。

 グッズを買って、俺の近衛騎士団の分までチケット買ってっと。

 あと差し入れで現金も寄付。

 鬼神国人の受付の人に渡す。

 あとプロテインとその辺で買った屋台の食べものもね。

 カリフォルニアロールもね。

 中ではクレアの追っかけがうちわを持って応援……。

 俺の嫁なのだが。なんか複雑。


「クレアちゃーん!」


 仕掛け花火が爆発とともにマスクをかぶったクレアが登場!

 うぇーい!

 アイドル系の衣装。

 するとタンク師匠のアナウンスが。


「今日は旦那さんのレオ陛下がお越しになっております」


 なんか花を持たされてリングに上がらされた。


「愛してるよ! がんばってね!」


 と言った瞬間、下からマスクド中島が出現。

 俺にラリアット。

 ぶべら!


「ちょ、おま! 俺じゃなかったら怪我してたぞ!」


 するとセコンドの鬼神国人が折りたたみ椅子を中島に渡す。

 さすがにムカついたので振りかぶってきたところに前蹴り。

 かがんだところにストーンコールドスタナー!

 ぶしゃー!

 花火が点火。

 ここまで茶番。ただし打ち合わせなし。

 ビール缶を二つ渡されたので、自分の頭にごっつんこ。

 缶を頭突きで開けてビールを口に流し込む。

 あ、なんだこれノンアルじゃん。

 そういう演出ね!


「ぐははははははー! おら中島も飲め!」


 中島を引き起して無理矢理ノンアルコールのビールを飲ませる。

 ここで腹殴るとリバースするのでエルボーを当てるふり。


「うぇーい!」


 観客が喜んでくれた。

 花火ブシャー!

 という感じで前日の文化祭は成功裏に終わった。

 シャーロットとタチアナたちも仲良くなったみたいだし。

 さて問題は……イソノ不在の体育祭なのである……。

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― 新着の感想 ―
イソノ〜野球やろう……って、そうか、アイツは嫁さんの妊娠が分かったから来ないんだったな(哀愁)
そう言えばタチアナ最近は聖女パワーばかり活躍してるけど、本来は他のジェスター能力のモノマネだったよな…シャーロットさんのジェスター能力次第じゃ聖女タチアナさらなる強化フラグか?
なんか安全装置になっているイソノ不在でお祭りが無事に終わるはずもなく
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