第六百四十八話
カワゴン喧嘩キライ……。
ラブ&ピース。たまにバイオレンス。
そう、洗い物してさっさとお仕事お仕事……。
カトリ先生……いつからいたのですか?
だがこの銀河忍者カワゴン!
三十六計逃げるに如かず!
兵法三十六計。
えっと作者は仏陀だっけ?
キリストだっけ?
まあなんでもいいや。
とにかく大昔の兵法書。
その中の走為上……えーっと読み方はランニングジョーだっけ?
と、とにかく逃げるんだよ~!
「煙玉!」
シュバッと斬られた。
煙玉は着火せず床に落ちる。
「まだ小細工あるならさっさとやれ」
「あ、うん、はい」
ここで素直に投降するとシバかれる。
俺はカトリ先生に詳しいんだ!
考えるふりしてクナイをシュバッっと投げる。
上から振りかぶると高確率でよけられる。
だから下投げ!
ガシッと普通にキャッチされた。
おかしい、完全に前動作を消したはずだが。
「いまのはなかなか。褒めてやる」
じゃあと袴の帯を切って逃走しようとナイフを抜いて……がしり。
アイアンクロー。
待って、シャレにならないレベルで痛い。
頭蓋骨がミシミシ音してるから!
解放されたと思ったら襟首つかまれて捕獲。
にゃーん!
「にゃーん! にゃーん! にゃーん!」
「うるせえ。ほれ武道場に行くぞ。そこの君らも!」
ローザリア帝国の近衛隊がゾロゾロやってくる。
女性隊員はシャーロットの護衛で残るみたい。
「は、はい!」
こうして道場というか格技室に連行されたのである。
「一応注意しておくが……この王様な、使えるものはなんでも使うから注意しろ」
「は、はあ……」
「こんなんでもレプシトールニンジャみたいだからな」
さーて前フリはいいとして木刀選び。
この辺に紛れ込ませておいたいつもの圧縮木刀……。
「例の木刀は倉庫に移したぞ」
「なじぇ!?」
「威力ありすぎて勝負にならんからだ!」
なんという説得力。
普通の木刀とおっと折れそうな木刀。
折れそうな方をローザリア帝国の子たちに渡して。げし!
カトリ先生に尻を蹴られた。
「なにどさくさ紛れに折れそうな木刀渡してんだ。ああコラ!」
「兵法であります!」
「スパーリングでなにやってんだボケ!」
「自分、なるべく楽して勝ちたいであります!」
カトリ先生が俺を指さしながらローザリア帝国の子たちを見る。
「ご安心してください。その手のノリには慣れております」
ということで木刀を構えて。一喝。
「おしゃー! かかって来いや!」
と思わせて逃亡スタンバイ。
なぜかカトリ先生が拳をボキボキ鳴らす。
「こちとら逃げたら殴られるんじゃああああああああああッ! かかって来いやああああああああああッ!」
涙声でシャウト。
「一手ご指南を!」
隊長と思われる若い子が前に出る。
なんか主人公顔だな!
「うきいいいいいいいいいい!」
王の品格はどこへやら。
荒れ地の限界集落出身の野猿むき出しで襲いかかる。
初撃はブロッキングされた。
あらまー、強いわ。
エッジみたいなオーソドックススタイル。
ならばと突いてみる。
いや同じ剣術と言っても噛み合うのと噛み合わないのがあるわけ。
リコちのところみたいにバックラー装備とか。
メリッサのところは古流で初手の理論から違う。
自分の内側へ弾いた。あーはい。
「ちょいタイム」
もう一つ木刀を取って投げ渡す。
「そういうことか」
「二刀流でしょ」
はーい再戦。
同じく突き。
突きを二刀で挟むように斬ってパリィ。
すぐに手首を回して攻撃してくる。
剣の持ち方は……小指引っかけないで人差し指と親指の保持するタイプか。
で、こっちは両手で重い斬りを放ってくるタイプって向こうもわかっただろう。
対策で二刀流で途切れなく攻撃してくるだろう。
だからここでスタイル変更。
まずは二刀流の連打をよけて……っと。
そしたら片方の手を俺の腕と木刀の間に挟んでロック。
そこに容赦なくもう片方の木刀を叩きつけてきたところろの顔面に空いてる手を差し込む。
顔をぐるんと曲げてやったら足払い。
尻もちついたところに喉元に木刀突きつけて勝利宣言。
これで戦闘継続するようなら木刀を脇に入れて体をひっくり返す。
それで固めて終了。
負けを認めないなら首にニープレスね。
イソノにやったとき木刀を尻に突き刺したらマジギレされたので制圧まで。
「ま、まいった!」
うん、よかったよかった。
平和的に終了。
するとローザリア帝国の近衛隊の野郎どもが俺に群がる。
「陛下! 次は俺!」
「疲れるまでな~。木刀?」
「素手でお願いします。グローブつけてね」
オープンフィンガーのグローブつけて第二戦。
俺の体調を考慮して三分だけね。
つうか三分動くの疲れるんですけど!
と思ったらうちら士官学校同期の男子どもがやってくる。
「レオ助けに来たぞ」
エディが頼もしい!
結婚式を終えて帰ってきたエッジもいる。
「次頼むわ」
「わかった」
はいはい。徒手ね。
両手を振り上げて……おっとレスリングか。
ロックアップで組み合う。
スルッと抜けて胴に組み付き……。
「させるか!」
おっと切られた。
強いなあ。
もう一度ロックアップ。
でもぼくちゃん。レスリングにつき合うって一言も言ってないもん!
引き込んで寝技!
ふはははははは!
「この野郎!」
ぬははははははー!
持ち上げようとしてきたのでスルッと抜けて、下から足に絡みつく。
そのままヒールホールド!
「ぎゃあああああああああああああッ!」
光速タップで撃破。
「あーあ、忍者に翻弄されちゃって。うちの王様は手札が多いんだよ」
エディが呆れる。
だって相手の苦手なフィールドに持ち込むのが兵法だもん!
疲れたので休憩。
「い、息も切れてない……ば、化け物か!」
「道化と聞いてたが戦闘力が高すぎる!」
「そりゃあーた。十代から戦場にいるんだからこうなるわ」
後から汗がにじんできた。
お水飲んどこ。くぴくぴ。
するとエディがローザリア帝国の近衛隊に語りかける。
「安心しろ。うちの王様は例外だ。俺たちはまだ普通だ。あと鎧着てその辺歩いてる女子に喧嘩売るなよ。レオの数倍容赦ないからな」
リコちに喧嘩売ったら命の保障できないもんね。
こんな感じで俺たちは友好を深めるのだった。
余計なしがらみのない戦いっていいよね。
その後エディがスパーリングしてたら鬼神国の若衆も参戦。
心ゆくまでバトル野郎どもが戦ったのである。




