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【書籍化決定】羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~  作者: 藤原ゴンザレス


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第六十四話

 翌日。

 ホテルの門に仮設されたセキュリティーゲートで実習。

 IDカードを確認して物品を検査。

 あやしくなければ通過させる。

 いまも食料を積んだトラックを検査してる。


「ちゃーっす、通っていいっすよ~」


 誘導灯を振るとトラックの運転手が俺に気づく。


「あ、あれ? レオ・カミシロ!?」


「へいへーい、レオちゃんでーす」


 手を振る。


「お、応援してます!」


「あざっす!」


 もう何度もこのやりとりをしている。

 俺がここで戦闘服着て実習してるとは誰も思わないようだ。

 ……気分はアルバイト。

 また食料を積んだトラックが来る。

 というか渋滞の列になってる。

 搬入口の駐車場があふれてる。

 もう何台来てるんだよ……。

 さすが後宮のVIPたちへの食材。

 質量とも最高である。

 非破壊の透視スキャンで検査。

 爆発物はない。

 だけど……。

 俺は重量計を横目で見る。


「荷物の重量が多いっすね。ちょっとフォークリフト呼ぶんで待っててください」


 と言いつつテーブルの下の警報ボタンを押す。

 すると作業服を着たおっさん、近衛隊がやってくる。


「フォークリフト頼むぞ」


「へ~い」


 俺は入り口にあったフォークリフトに乗り込んでトラックへ。

 するとすでに近衛隊が運転手にパルスライフルを突きつけてた。


「大人しくしろ! 逮捕する!」


 あっと言う間に運転手が拘束される。

 さすが海賊狩り。

 対人戦闘の能力が神がかってる。


「婿殿! 荷物を詳細検査してくれ!」


「へーい」


 爆発物処理用の人型重機に乗り込む。

 爆発衝撃対応のぶ厚い装甲の重機だ。

 ライトをつけて目視確認である。

 木の箱があった。

 開けてみると果物が入ってる。

 で、他の箱を開け……。

 なんか嫌な予感がしたので開けずに外の近衛隊に連絡。


「なんか嫌な予感がする箱を見つけました」


「予感かよ……って婿殿の勘は当たるからな……」


 爆発物などに詳しい隊員が来てくれる。


「あー……爆弾だわ。あとはまかせてくれ」


「へーい」


「婿殿がいると便利だな。もう何個爆弾見つけた? 軍用犬もびっくりな精度だぞ」


 そうなのである。

 どうもレベルアップ的なものをしたらしく、俺の直感の精度が恐ろしいことになっていた。

 爆弾に毒薬。

 普通に暗殺。

 それに有名になりたい頭のおかしいヤツまで。

 高精度で見分けられたのだ。

 そのせいで俺のシフトは門番に固定。

 昨夜からずうっと不審者のチェックである。

 それにしても不審者が多すぎる。

 俺は近衛隊のおっさんに通信する


「他の皇位継承者の放った刺客ですかね?」


「さあな。そう思わせたいのか。それとも目立ちたいだけの連中か」


 先行き不安である。


「そろそろ休憩だ。いったん中に入れ。あとは俺たちでやっておく」


「お疲れ様ッス」


 業者用の搬入口から入る。

 すると隔離されてたケビンが冷凍庫の作業をしていた。

 毒物などの検査である。

 俺の直感でほとんど弾いているが一応検査はしている。


「あ! レオくん!」


「ういっす。そっちはどうよ?」


「正直女の子の腕力じゃキツいよ」


「悪いな。部屋もあまりいい部屋じゃなくて」


 ケビンは従業員用の仮眠室にいる。

 食事も俺たちとは別々だ。

 ちょっとかわいそうである。


「しかたないよ。ゾークのスパイだったし」


 するとメリッサがやって来て後ろから胸をもみしだく。


「やっぱすげえパイ! 何カップあるんだよ! ほら隊長見てよ! このでかいパイ!」


「やめてあげなさい!」


 かわいそうである。


「でもさ隊長! 同クラの女子の誰よりもデカいって! しかも鍛えてるから垂れてないの! 見てこのロケット!」


 すっげー勢いで揉んでいく。


「やめい!」


「ケビン! お前何カップだよ!? ブラのカップはいくつだ!?」


「わ、わからないよ! 女官さんが選んでくれた下着着てるだけだもん!」


「メリッサ聞いてくれ。これ以上やると俺の中でなにかが目覚めそうだから! お願いだからやめて。ほんと金払うからやめて!」


 元野郎で欲情したくない。

 ギャグですむうちにやめて!

 ほんとやめて!


「金に汚い隊長が金を出しても……そこまで追い込まれてるの!?」


「メリッサ! 俺をなんだと思ってるの!?」


「旦那」


 ……そりゃそうか。質問を変える。


「クラスの連中は俺を何だと思ってるの?」


「侯爵家の坊ちゃんなのにアルバイトに励む守銭奴と評判の苦学生? ほら、前は遊びにも参加しなかったじゃん。いまは給料資格につぎ込んでたのみんな知ってるけどさ」


「しょうがねえじゃん。首都星で稼いで実家に仕送りしなきゃならんかったし」


「あはははははははは! いまはみんな知ってるよ! だよな? ケビン」


「うん、いまはみんな知ってるよ。だってレオくんの地元……侯爵家クラスの惑星なのに農協しかなかったし……」


 普通の侯爵家の惑星はもっと都会だ。

 俺……絶対アニメショップ誘致するんだ……。


「それでさー、隊長。何人捕まえたの?」


「20人から先は憶えてませんがな」


「あはははははははは! 相変わらず敵にモテるねえ!」


 笑えない。


「あはははははははは! でもさー、最初は本気で殺しに来たけど、片っ端から捕まるからさすがに減ってきたよね」


「はやく黒幕を捕まえてほしい。この業務から解放されたい」


「だね。そういやさー聞いた? 他の惑星の解放のためにトマス殿下が挙兵したってさ」


 シナリオにない展開が来てしまった。

 うーん軍部にアピールしたいのだろう。


「それ大丈夫なん?」


「あはははははははは! だめに決まってんじゃん! 隊長くらい頭のネジ飛んでないと勝てないって」


「お、おう……」


「うん、レオくんくらい恐怖心が麻痺してないと勝てないよね」


「君らひどくない?」


「客観的な意見だよ。みんなも麻痺してきたけどさー、戦艦型に乗り込んで撃墜してくるなんて命がいくらあっても足りないよ」


「お、おう……」


 これは計画を前倒しにしなければならない。

 そう、エッジの育成計画である。

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