第六百二十六話
悲報。
レプシトール人はチ●チン切られるのが嫌なだけで女装はオールオッケーだった。
さてレプシトール女性であるが、銀河帝国基準では微妙な化粧をしていた。
なんだろうか、厚ぼったい唇と劇画のような急角度の眉毛、つり上がった目などである。
ヘビに寄せてるのだろうか?
まず変化はカレンさんから起こった。
怪獣みたいな無茶な顔面工事メークがなくなり童顔の顔が現われた。
薄化粧とかではなく方向性が変わったようだ。
かなり年上だと思ってたが、俺たちとあまり年齢が変わらないかもしれない。
「メーク変えました?」
会議でカレンさんにたずねた。
「クロノスの文化が入ってきましたので。ラターニアの化粧品は肌への負担が少なくて素晴らしいです」
さっぱりした顔である。
うーん、メークの下はヘビ顔じゃないようだ。
女装男子見てて思ったけどラターニア人より全体的に童顔だよな。
猫顔というか。あ、そうか。カワイイを追及したアニメの絵って猫の顔なんだっけ。
「誰かさんの国から急速にカワイイが入ってきましたのでね!」
あ、ちょっと怒ってる。
「それは……もう……あきらめてください」
「ご存じの通りレプシトールの男はナルシストです」
「は、はあ」
「承認欲求モンスターどもに女装すればカワイイって褒めてもらえるって教え込んだ結果がこれですよ!」
「切腹から男の娘になるなんて誰も予想できなかったんじゃああああああああッ!」
「女性は女性でバリキャリ路線放棄してカワイイ格好が流行ってますし……これ見てください!」
白ゴスと黒ゴスの双子の女の子の写真だ。
おー……気合の入ったゴスロリ。
カワイイね!
特に黒ゴスの子。本当にお人形さんみたい。
「いとこの兄と妹です」
片方男か。
「おうふ……どっちが兄上どので」
「黒ゴスの方です」
嘘だろ。
「その……兄上が美少女すぎるのですが」
「だから文句言ってるんでしょうが! 誰ですか! 女装は男にしかできない最高に男らしい趣味って言ったやつは!」
「銀河帝国で何百年も前から言われてる定番ジョークなんで発祥わからないんですよ」
「銀河帝国の文化は劇薬すぎます!」
と怒られてしまった。
なおニンジャ隊はおっさんだから誰も女装してな……半分が女装しただと!
女性ニンジャのくノ一いらない?
冗談だろ……。
ということで西条くんは向こうではアイドル扱い。
おまけにケビンとこの元おっさんアイドルを輸入したところ熱狂的に受け入れられた。
ぽく悪くないよ。
こうしてクロノスはレプシトールの社会をグズグズに壊してしまったのである……。
カレンさんと通信を終了して、日課のパーシオンへの呼びかけ。
相変わらず無視されてるけどね。
通信の呼びかけに答えないので打ち切り。
報告書書いて……女装の話はいいか。
武士の情けだ。歴史に残さないでやろう。
ということで「レプシトールは協力的」、「パーシオンくんは相変わらずこちらをガン無視」っと。
報告書……と言っても俺が書かないだけで会話ログは共有されちゃうんだけどね。
はいはい、お仕事終わり。
そろそろパイロットの仕事したいな……。
ということで食堂に行く。
なにがあるかな?
おっと焼きそばの麺入荷したのか!
焼きそば作ろう。
なんか太麺だな。
「目玉焼きをのっけるがいい……」
中島の目が光った。
「了解。目玉焼きってことは魚粉は?」
「いる!」
ということで焼きそば作ろうとしたら……すでにワンオーワンが来てた。
「……おやつ食べる?」
「食べるであります!」
たしか買ってあった大福があったはず。ペットじゃなくて食べる方の。
ということで、俺が後で食べようと思ってた大福はワンオーワンの腹に消えたのである。
いいもん!
注文しておくもん!
焼きそばを作ってると仲間たちがやって来た。
昼休憩になったケビンとニーナさんも合流。
「手伝うね~」
我らが癒し担当のニーナさんが卵スープを作ってくれる。
素晴らしい。
ケビンも手伝ってくれる。
「ケビン疲れてない?」
「看護師とのダブルワークだからね……」
優秀なものだから便利に使われてるようだ。
戦場で衛生兵としてバリバリに治療しまくってたもんね。
同期と経験値が違いすぎる。
「極めて優秀」って評価の書類が俺のところに届くもの。
焼きそばができると他の連中が配膳を手伝ってくれる。
なお大福のストックはゼロになった。
ハーさんのお店に連絡。
銀河帝国のお菓子も作って届けてくれる。
大福あるだけ。クッキーとポテトチップスも大量に。
あとで運んでくれるだろう。
ハーさんはクロノスでも有名な経営者になった。
でもその生活は質素だ。
児童養護施設の方に力を入れてる。
軍人で政治家としては経験の浅い俺にはカバーできない部分だ。
本当に助かってます。
タチアナ、シーユン、ワンオーワンも手伝ってるらしい。
偉いぞお前ら!
食後のデザートにアイスあるぞ!
焼きそば食べてると疲れ切った顔の嫁ちゃんが到着。
「つーかーれーたーのーじゃー」
「はーい少し待って」
嫁ちゃんの分を手早く作る。
「なんかあったん?」
「うむ、レプシトールに行きたいと企業に学者にスポーツ団体がうるさくての……。まだ汚染が心配じゃから協議しておった」
「新天地で一山当てたいもんね~」
すでに西条くんが一山当てた。
これから続くものが次々出るだろう。
バスケットボールの元選手なんかも人生やり直したい人多いだろうし。
「当面は犯罪歴がない人かな。とりあえずレプシトールは企業ヤクザにアーマードリキシにニンジャの失業問題があるから彼らに護衛してもらうとして……カレンさんに連絡しておく」
「頼んだのじゃ……甘いものが食べたい……」
冷蔵庫の中には……イモか。
「大学芋作るわ」
「欲しいであります!」
ワンオーワンの目がきらきら輝いてる。
「はいはい。作ってあげるから! 嫁ちゃんの面倒見て」
「了解であります!」
こうして俺たちはレプシトールとパーシオンの猛攻を凌いだのである。
……嘘です。自滅です。
ちょっと突いたら体制が崩壊したのである。
次はパーシオンくんか。
パーシオンくんはどうやって崩そうかな?




