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第六百二十三話

 シーユンは野球さえ絡まなければ清楚で大人しいお嬢さまである。


「クソ! 鬼神国に負けた!」


 試合が終わってピクニックに合流したシーユンはその辺の木箱を蹴っ飛ばす。

 ……清楚。


「シーユン、落ち着いて」


「レオ様……」


 はいお嬢さまモード。


「はいパンとジュース」


「ありがとう存じます」


「はい、お兄ちゃん琴出して!」


「は!」


 シーユンの琴を置く。


「ぽくシーユンの琴聞きたいなあ!」


 俺がそう言うとシーユンはにこりとほほ笑んで琴を奏でてくれる。

 琴を奏でるときに使う爪は昔は象牙が使われてたらしい。

 いまはセルロースで作るんだって。

 象牙よりも硬くて音色も同じなんだって。

 澄んだ音色が響く。

 心が洗われるなあ……たとえこの曲が野球チームの応援歌だって知ってても……。

 なおシーユン激推しのチームであるがいつもシーユンが叫んでるので弱そうに思えるが、そんなことはない。

 外宇宙では鬼神国のところと並ぶ強豪チームの一つである。

 というか太極国の大企業はこぞって野球チームを設立。

 太極国だけでリーグ戦が可能な数になってる。

 ラターニアも他の国での宣伝力が高いとわかるとチームを結成。

 でも弱い。

 ラターニア人は筋力が強くないのでしかたない。

 楽しそうなのでヨシ!

 楽しいのが一番大事!

 座敷童ちゃんも来て食事。

 ワンオーワンとタチアナは座敷童ちゃんと遊ぶ。

 メリッサも加わってバレーボールしてる。

 俺は嫁たちと楽しい時間をすごす。

 途中からルーちゃんとママが来て取材される。


「レプシトールの投票が行われてますが」


「結果を見て判断したいと思います」


 やめてね。併合とか言わないでね!

 というわけで楽しいピクニックが終わる。

 そろそろレプシトール時間で投票が終わるころか。

 急に胃が痛くなってきた。

 レジャーシートとゴミを片付けて……。


「拙者が戻しておきますぞ」


 いつの間にか現われた末松さんが運搬用のターレットトラックでゴミとレジャーシートを運んでくれた。

 末松さん用のパンと冷凍弁当とラーメン渡したら喜んでくれた。

 末松さん……恐ろしい子……。

 個人の武力以外のすべてを持った騎士団長だわ。

 末松さんもRPGルールだと弱い雑魚キャラなんだけど、SLGなら内政、魅力、運が100みたいなウルトラ強キャラだもんね……。

 うーん、俺って運がいいわ。

 末松さんが公爵会で頭角現して新たな公爵会リーダーとかになってたら確実に苦戦してたもん。

 負けてた……まである。

 銀河にはおそらく俺の能力なんて凌駕するものがたくさんいるのだろう。

 そう思いながらシャワー浴びてから部屋に戻る。

 嫁ちゃんが先に待ってた。

 いつものジャージではなくネグリジェ。

 もしや……これは……仲良しタイム。


「婿殿寝とけ。夜中に開票結果がわかるぞ」


 なるほど。


「えっちのお誘いだと思ったのに~!」


「いいから寝ろ」


 涙なしでは語れない生活である。

 嫁ちゃんの横に潜りこんで就寝。

 すぐに眠くなる。

 すぴー。


「……ふう……今日も勇気が出なんだ」


 嫁ちゃんの声が聞こえた気がする。


「婿殿起きよ」


「ほへ」


 レプシトールの選挙結果が出る時間になった。

 二人で見るのも不安なので着替えて食堂へ行く。

 手は恋人繋ぎな!


「クレアどうじゃ?」


 クレアが先にクロノスの選挙特番を見てた。

 他国だけどガッツリ利害関係があるのでクロノスでも特番扱いである。

 ルーちゃんママが番組に出演してた。


「ルーちゃんは?」


「タチアナちゃんたちと寝てるよ」


 なら大丈夫か。

 あの三人面倒見いいんだよね。

 選挙特番は各党の紹介から始まった。

 民主主義改革党は民主主義で独立国としてやり直すことを目指してる。

 ちょっと無理かなって言われてる。

 財政再建の話は特にない。

 財政は気合でどうにしかして、とにかく独立独歩するらしい。

 自由主義党は俺が資金ぶち込んでる党だ。

 民主主義政権に移行してラターニアの元で再建を目指す党だ。

 クロノスの利益を考えたら一番いい。

 ラターニアの植民地って考えると、後の世でラターニアに囲まれて苦労しそうだけど。

 さらに今回のダークホース……というか現在支持率七割のやべえ党。

 クロノス併合党だ。

 クロノス併合党はその名の通りクロノスの一部になる。

 ハードランディングもかまわず財閥解体して不良債権処理を処理。

 足りない分は各国の支援を受けながら処理。

 軍も再編成。というかクロノスに譲渡。

 行政能力が落ちた分をクロノスに併合されることで賄おう的な党だ。

 残念だけど現実的なのよね……。

 とにかく全力でラターニアへの借金返して、クロノスの支援を受ける。

 国軍がコケてる分の安全をクロノスに国ごと譲り渡してどうにかしてもらう。

 ムシがいいんだけど!

 本当になめてんのかわりゃあああああああ!

 って案件なんだけど……。

 場所的に却下できないのをわかってる。

 うーんレプシトール人、こういうときだけ異常なくらい悪質。


「開票です」


 ルーちゃんママがそう言うのと同時にクロノスに併合党の勝利予想が流れた。

 ですよねー!

 そうなりますよねー!

 なお泡沫政党の太極国党は速攻で0議席予想が決まった。

 チンチ●ないないお化けの嫌われ方は異常である。


「俺ふて寝していいかな?」


「しかたなかろう。クロノスに併合されるのが一番現実的なのじゃ」


「いらないよー」


「だったら植民地にして富を吸い尽くせ! 廃墟にしたらポイ捨てせえ!」


「無理~ッ! 俺そういうキャラじゃないし! それにジェスターが弱るよ~! ジェスターの誰かが死んじゃう!」


「わかってるなら覚悟せえ!」


「ふええええええええん!」


 こうしてレプシトールはクロノスの保護国になったのである。

 もうこれ銀河帝国式のフランチャイズ貴族制しかないよね。

 地元と運命を共にする諸侯と中央の王。

 どうやったって腐るから剪定は頻繁に。

 腐りながらも持続可能って路線でダラダラやるしかない。

 カリスマがいればなんでも叶うんじゃねえのよ。

 国という箱と制度を整えて箱が富を生み出すようにしなきゃいけないのね。

 ふへー……たいへんだ。

 さあ……どうしようかな?

 とりあえずカレンさんに相談するか……。

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― 新着の感想 ―
クロノスがサッカー 太極国が野球 鬼神国がプロレス が好きだったけ? ラターニアは何が流行ってたけ? ここはシュレーションゲームが ボドゲ持ってったよさそう
剪定(沈々無い無い)
レオっちがさっさと子作りして後を継がせればいいのでは?
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