表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
604/619

第六百四話

 たぶんラターニアは喧嘩したら包丁持ち出すタイプだ。

 それは我々も熟知してる。

 勝つとか負けるとかは関係ない。

 大国二か国を相手にしてでも違法な奴隷を解放し復讐を遂げる。

 それが国民とのお約束なのだ。

 さーて、戦況であるが……。

 我がクロノス艦隊は当然ラターニア側。

 後方支援をしてる。

 パーシオンやレプシトールから「敵対するのか!」と呼びかけられてる。

 レプシトールはカレンさんを窓口にして交渉してもらってる。

 そう、国家が抹殺しようとしたカレンさんを窓口にして遅延戦術を頼んだ。

 オーダー内容は「なるべくレプシトール側有責という印象で交渉してほしい」と頼んである。

 半分嫌がらせだ。

 戦争が長引いても……というかラターニアが満足するまで終わらないのだからこれでいい。

 たいへん殺意の高いラターニア艦隊に補給する。

 ラターニアの国民世論は両国の殲滅一色である。

 勝てる勝てないじゃない。

 なめられたら終わりとわかっている。

 その証拠に後方担当である我がクロノス経済が好調すぎて怖い。

 食糧含むありとあらゆる物資をラターニアは購入していく。

 もう完全に金に糸目つけてない。

 クロノスでは首都を含めラターニア軍の軍人が街を歩き食事や買い物をする。

 ここで普通なら治安問題が出るところであるが、クロノスは友好国。

 現在大きな問題は発生してない。

 酒飲んで鬼神国人と喧嘩するくらいだろうか。

 どちらも普通に警察に逮捕されてるので問題なし。

 元気でよろしい!

 鬼神国人のリーダーには「戦争行く軍人さんをケガさせちゃだめよ」と。

 ラターニア軍の司令官には「戦争行く前に兵を負傷させないでね!」と双方に釘刺してある。

 多少のトラブルはいいのよ。殺気立ってるんだから。

 でもケガすんなって話。

 俺は間違ってないと思う。

 なお双方から「市井の動向まで把握してるとは……恐ろしい」と驚かれてる。

 なぜだ!

 さてレプシトールでは勝山会長が切腹からの斬首。

 どうせクローンやろがとラターニアでは話題にもされてない。

 新会長は勝山会長のクローン……というか本人。だって顔同じだもん。

 勝山財閥にお咎めなし。

 反政府組織は「もう終わりだ……」とお通夜状態だ。

 それはそう。

 反政府組織は正しく現状を把握してる。

 学生のお遊びではない。

 だってリーダーは最高レベルの私学の学生だし。

 俺も国立大学から学会を紹介してもらって私学の教授のほとんどとコンタクトを取った。

 もちろん俺の存在、マイク&ハマーの工作はすでに体制派の学者に通報されてる。

 それをわかった上で切り崩させてもらった。

 そりゃ共同研究なんかでお金は入れたよ。

 でも学者への賄賂なんかやらなくても賛同してくれた。

 ほとんどの学者はフラットな視点で「レプシトールヤバい……」って思ってくれたみたい。

 そりゃレプシトールの最高頭脳だしね。

 体制派は思想で凝り固まった学者が多い。

 自分たちが滅びに向かってアクセル全開なのを理解するにも能力が必要って話でしかない。

 正直言うともう手段は選んでられない。

 なるべく被害を出さないように戦争を終わらせる局面に入ったと思う。

 だからいままで証拠をつかませないように提供してた武器弾薬などの物資を表立って供給した。

 マイク&ハマーによる国盗りだ。

 でも学生だけじゃ「頭良さそうな妄想で暴走して破滅エンディング」を迎えてしまう。

 だから外国勢力の介入だぞと教えておく。

 民主制も旧クロノスと周辺国がそれでコケてると口を酸っぱくして警告しておく。

 王と諸侯制。中から腐ってゾークにバチボコにされた我々銀河帝国の失敗を語っておく。

 はっきり言うぞ。

 貴族になってもいいけど領地と運命を共にする覚悟が必要だからな。

 銀河帝国の半分はその義務を負って戦った。

 逃げた半分は粛清に領地没収。

 今いる銀河帝国貴族は戦って生き残った連中だからな。

 クロノスだって同じだ。

 俺の身内は覚悟ガンギマリ勢だし、クロノス現地の惑星知事から貴族になった人たちは領地と共に滅びることを受け入れてる。

 半分民主制というか明るい全体主義のラターニアも「なめられたら国民全員で仕返しに行く」を体現してる。

 レプシトールくんもこうじゃないと生き残れないよって。

 切腹? 辞世の句? 斬首? ハハ、笑わせんなって。

 最後まで戦って死ぬんだよ。領主の責任でな!

 王族だって邪魔なら麻呂みたいに処されるのが当然だ。

 銀河帝国は前皇帝を始末したし、鬼神国やラターニアの前王は時代の変化を受けて邪魔になる前に自ら退位したぞ。

 という話をした。

 さーて、独裁者になれるかな?

 ラターニア、クロノスの雇われ店長からスタートだぞ。

 勝つつもりかって?

 ははは、なにをやっても言い訳ばかりでぬるい環境のレプシトールくんに負ける要素がないよ。

 みんな顔を青くするなって、失敗が許されないだけだって。

 慣れればわかってくるさ。

 それはそれとしてマイク&ハマー社は勝山に宣戦布告した。

 カレンさんも「しかたありません」という反応だ。

 マイク&ハマー社は六大財閥くらいまで拡大すると六番目に入ってくるかなって規模である。

 それが勝山に宣戦布告したニュースはレプシトールに駆け巡り驚きを持って受け止められた。

 アホが。狭い範囲でしか生きてないからこの程度で驚く。


「マイク&ハマー社全軍で勝山を強襲する」


 はは!

 軍用の人型重機。

 宇宙対応の人型戦闘機じゃなくて、地上作戦用の重機に分類されてる小型機に乗り込む。

 学生たちはゾーク襲来時の銀河帝国士官学校レベルで操縦を叩き込んだ。


「レプシトール滅亡からラターニアの奴隷になりたくなければ勝て」


 俺は学生たちに冷徹に言い放った。

 ラターニアが首都星落とす前に革命を成功させなきゃ奴隷……とまでは言わないけど未来永劫搾取されるのは明らかだ。

 ラターニアは俺たち銀河帝国やクロノスみたいに甘くねえぞと。

 すでにラターニアはとは話し合いができてる。

 戦争終結前に革命が成功したら許すってね。

 クロノスや銀河帝国だって善意から参戦してるわけじゃない。

 ゼン神族が付け入るすきをなくすのが目的だ。

 と言い訳しながら、俺は嫁たちと学生を引き連れて勝山の拠点攻略を開始した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
自分が始めた物事の責任ぐらいは取るべきよね。
兄貴の交渉術と発破かける軍師っぷりが惚れ惚れしますね これが超銀河皇帝⋯!
まぁ、レオ達が学生の頃も似たような働き方せにゃならんかったししゃーなし
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ