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第五百八十四話

 マイク&ハマー社の入社式。

 正確に言うと、俺が全株式取得した新しいマイク&ハマー社ね。

 表向きはカレンさんに紹介してもらった現地協力者の持ち物である。

 俺は背広で参加する。

 いいね。こういうの。


「皆さん、マイク&ハマーのニンジャとして恥ずかしくないように辞世の句を用意してください!」


 うん?

 ニンジャ? 忍者?

 あれ?

 辞世の句?

 俺……事務職で参加って聞いてたんだけど。

 ねえ、某ヤンキーサラリーマンごっこしてないんですけど!


「ミナサン! 新人研修です! ミコシ商事に殴り込みます!」


 あっれー?

 レプシトール製のプロテクターに着替える。

 なんだろうこのパチモン忍者。

 ヘルメットはフルフェイスの猿。ウキー!

 すると我が隊の隊長がやって来る。

 すっげーウロコの人。


「タイチョサン、私こういうものデス」


 ゴリゴリのラターニア訛りで挨拶。

 名刺も渡す。


「ほう……海賊ギルドからの派遣か。名前は『カワゴン』か。ふむ、がんばれよ」


「アリガトゴザイマス」


 ぺこり。


「お前ら! 生きて戻ってきたら寿司おごってやる! 行くぞ!」


「ドモドモ」


 パルスライフルはラターニア製。

 これなら問題なく使える。

 あとはクナイに手裏剣にマキビシに……あとニンジャソード。

 忍者刀じゃなくてパチモンのニンジャソードの方。

 なぜこうなった?

 本来俺は罰ゲームで新入社員をするはずだった。

 前回の戦いでの耳血。

 ちょっとその重傷の前兆的なやつだった。

 それをケビンに正座で怒られて、面白がった男子のバカどもに罰ゲームとして新入社員研修を命じられたのだ。

 事務職で嫌味言われつつコピーと電話のはずだった。

 そこでレプシトールの空気感を学んで海賊を使って社会を引っかき回す予定だったのよ!

 でもなぜ忍者?

 装甲車で運ばれる。

 見えるのはミコシ商事首都支社。

 本部は別の惑星にあるんだって。

 首をかしげてると妖精さんから連絡が入る。


「レオくん! どこ行ってるんですか!? 部署の人総出で探してますよ! コネ入社ってことになってるんですから!」


「なんか入社式行ったら、忍者隊に配属されてミコシ商事に殴り込みだって。いま装甲車の中」


「は?」


「いやだからミコシ商事に殴り込み」


「なななななな! なんでそんなことに!」


「わかんにゃい」


 本当にわからない。

 支社に着くと装甲車を降ろされる。

 隊長による研修開始。


「お前ら見てろ」


 隊長はロケランを担いでた。


「お前ら死にたくなけりゃ後ろに立つなよ!」


 ゴ●ゴ的な意味じゃなくてバックファイアで死ぬからである。

 ぼく職業軍人だから知ってるもん!


「ハジメマシテ! ツマラナイモノデスガ!」


 隊長はなにやらほざきながらビルにロケランをぶち込む。

 こういうのしゅき!

 すると隊長が大声で指示を飛ばす。


「突撃!」


「タイチョサン! オレ、配電盤トサーバー壊ス」


「詳しいのか!?」


「オレクワシイ」


 まずはいつもどおり。

 中に侵入するとフロアの天井のすき間からダクトに侵入。

 エレベーターのケーブルをよじ登って……さらにダクトからサーバールームにぬるっと入る。

 サーバールームにはエンジアニアが……銃を出しやがった!


「コウイウモノイデスガ!」


 名刺代わりに手裏剣を投げる。

 メリッサに教わっててよかった!

 その辺にあった通信ケーブルで拘束ッと。


「タイチョサン、サーバールーム制圧」


「お前、元特殊部隊だろ?」


「チガウ、カワゴンイモ農家」


「嘘つけ! オイコラ白状しろ……」


 面倒だったので通信終了。

 まずはプロテクターの情報端末で裏口作ってマイク&ハマーからぶっこ抜き放題にする。


「サーバー、裏口ツクッタ」


「了解。やっぱお前特殊部隊……」


 通信を切る。

 次は照明っと。

 情報端末からリモートで照明オフ。


「照明切った」


「ぜったいお前特殊部隊……」


 通信終了。

 チガウ。オレ、パイロット。アトイモ農家。

 そのままサーバールームから出る。

 するとエンジニアたちが一斉にこっちを見る。


「せ、清掃でーす」


「嘘つけ!」


 しかたないので超高速で走り回りながら首トン。

 ヘタクソなので普通のKOだけど気にしたら負けだ。

 みんな……首トン上手すぎない?

 俺ヘタなままだよ……。

 十人ほどKOして廊下に出る。

 おっと、武装したヤクザが階段を降りてるのが見えた。


「タイチョサン、ヤクザガ下イッタ!」


「了解! カワゴン、お前は支社長を拘束しろ!」


「ワカッタ」


 なぜだろうか?

 すでに新入社員以上の働きを求められてる。

 俺はどこに行ってもそういう扱いなのだろうか。

 警報とセンサーを切ってエレベーターの扉をこじ開ける。

 中に侵入してケーブルをよじ登る。

 サクサク登って最上階。

 天井から役員室をのぞく。


「組長! マイク&ハマーの連中がカチコミかけてきやした!」


 完全に見た目がヤクザのおっさんがまくし立てる。

 違うのは顔のウロコだけだよね


「なあに、ビビるこたぁねえ。すぐに増援が来る」


 バーコード頭の汚いおっさんがそう言った。

 なるほど、あれが支社長か。

 するとヤクザの方がなにやら部屋の隅にある槍を……これお約束の展開!


「ふん!」


 思いっきり突き刺して来やがった!

 もうーやだー!

 天井を突き破って飛び降りる。

 そのままヤクザの脳天にエルボー。

 一撃で昏倒させる。


「シャチョサン、オ覚悟!」


「てめえなにもんじゃあああああああああ!」


 銃を撃ってくるが当たるはずもない。

 全部回避。

 ふははははははは!

 銃なんか怖くねえぞ!


「成敗!」


 足元に滑り込んでおっさんを引き込む。

 そのまま後ろに回って首を絞める。

 寝技! 圧倒的ねちっこい寝技!

 はい落とした。


「タイチョサン、シシャチョ、捕マエタ」


 責任者を確保すればあとは総崩れ。

 ふははははは!

 一人で笑ってると妖精さんから通信が入った。


「レオくん! システムのエラーだって! それで間違えて忍者部隊に配属されちゃったんだって!」


「では帰ったら新入社員に戻る感じで……」


「もう無理だよ~! もう『あの大型新人は誰だ!?』って話題になってるよ~! どうして大人しくできないんですか!」


「俺もわかんない」


 これは運命的ななにかのような気がする。

 そのジェスター的な文脈で。

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― 新着の感想 ―
猿、忍者、ロケマサ。 うーん、ごちゃ混ぜ。
カワゴン、アイサツできてえらい!
と言うかなんで忍者部隊が存在してるんですかねぇ…
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