第五百八十三話
攻略方法がわかれば襲いかかるだけ。
蛮族の群れの行動はシンプルだった。
カトリ先生はわざとワープを誘発させてボコボコに。
鬼神国有志一同も同じチャレンジをしてた。
うわー……やりかたさえわかればボコボコよ。
俺の耳血はなんだったのだろうか……。
いやさー、たぶんだけど。
ワープ回避とワープ奇襲ができるのって有利すぎて戦略の幅が狭まると思うのよ。
ワープに頼っちゃう。
俺でもつい使っちゃう。
レンはワープしたところを狙撃していく。
レンの反射神経なら見てから撃てば間に合ってしまう。
次々と撃墜していく。
「ぐ、うおおおおおおおおおおおおおッ!」
レンが一番ヤバいことに気づいた一人がレンの死角にワープした。
あちゃー。
レンは敵が出現した瞬間、その頭部をライフルで殴打する。
ビースト種の強さをわかってない。
反射神経そのものが我々と桁違いなのだ。
鬼神国人が腕力特化型ならビースト種は瞬発力と反射神経特化型。
しかもレンは女王種。最強だぞ!
俺だって本気で戦ったら勝てるかわからない。
「ぐッ!」
頭部をグチャグチャにされながらも敵は戦おうとする。
でもレンは冷静だった。
狙撃銃を至近距離用の散弾銃モードに切りかえて腰撃ちで引き金を引く。
散弾を食らった敵は一発で動けなくなった。
それで終わりだった。
我々に弱点などなかったのだ。
彼らの敗因はワープに頼りすぎたことだろう。
でさ、でさ。
人型戦闘機でやって来るってことはさ。
もっと大きいのでもできるってことだよね。
そう……できちゃったのだ。
「レオくん! 軍艦が多数出現!」
「ですよねー! みなしゃーん! 軍艦狩りに行きますよ~!」
「うおおおおおおおおおおおおおッ!」
みんなテンションMAXである。
だって人型戦闘機で軍艦沈めるのって一種の憧れだもの。
大きさが違いすぎて普通やらねえから。
俺らはやらされたけど。
クロノス艦隊と銀河帝国の共同作戦だ。
さらにクロノスから難民があふれるのを恐れるラターニアに太極国も参戦。
クロノスがマゼランやオーゼンの難民を受け入れてるおかげで助かってる国も多いのである。
シーユンだって「義により」なんて言い訳しなくても正規軍を出せるほどだ。
鬼神国の皆様は大きな喧嘩に目を輝かせて参戦。
鬼神国の国民はフリーダムでいいよね!
嫁ちゃんと通信。
「嫁ちゃん、やっぱりワープみたい!」
「うむ。ルナから動画が来た。いきなり現われて奇襲するつもりだったみたいじゃが、わざと隙を作って待ってるだけじゃった」
「うーん、有利すぎて戦略がガバガバなんだよね」
「それに関しては敵だとしても責める気にはならぬ。我らが先に開発してたらこうなったじゃろう。敗北からしか得られぬ経験もある……というか初見で圧倒する婿殿が異常なだけじゃ」
そうなのである。
作戦は単純、わざと陣に穴を作って待機。
ワープしてきたところをフルボッコである。
とはいえ不利な陣形なのは変わらない。
早急に陣形を立て直す必要があるのだ。
つまり、この作戦は高リスク。恐ろしく難しいのだ。
それができてしまうのは嫁ちゃんの恐ろしいところである。
「第二陣ワープしてきます!」
「第二陣からは厳しくなる! 婿殿急げ!」
「はいよ!」
俺はもう近くまで来ていた。
そしてワープ地点は予測済み!
来た!
巨大戦艦が目の前に現われた。
俺も驚きだけど、向こうは度肝を抜かれてるだろう。
「え、もういるのぉ!?」ってね!
戦術は海賊戦法。
至近距離で銃を撃って外壁を破壊。
そこから侵入!
中からぶっ壊してやる!
「ちゃーっす、ラーメンのお届けです!」
「さ、殺戮の夜だ! クロノス大公が乗ってるぞ!」
乗組員が銃を撃ってくるがサイズが違いすぎる。
そんな豆鉄砲効くわけないじゃないですか!
外壁の穴を広げてっと……。レオくんパンチ!
「うわあああああああああああああ!」
乗組員が宇宙空間に放り出されていく。
お外にご招待。
あとで雑に回収されるでしょ。
ちゃんと船外活動用のスーツみたいだし。
船艦を自由にぶち壊していく。
俺は機関部を目指す。
逃がすわけないじゃん!
人型重機やタレットが応戦してくるが無駄無駄無駄ぁッ!
蹴散らしていく。
機関部に到達したらグレネード放り込んでさっさと退避。
爆発とともに戦艦は完全に航行不能になる。
「ヒャッハー! やっぱりアニキは普通じゃねえ! イカれてやがる!」
ソンナコトナイヨ。
カトリ先生からも通信が。
「俺もやるぜ!」
やる気に燃えまくってる蛮族どもが俺のまねをする。
小学生に爆竹与えてしまった感が……。
俺たちは次々と戦艦を撃破。
普通は戦艦って弾幕張って人型戦闘機出撃して近づけないようにするんだけどさ。
出現地点をコントロールされてることで俺たちのカモになったわけである。
護衛の人型戦闘機がいないのは舐めプだろうか。
いや……必要ないと判断したのだろう。
だって本来なら俺たちは人型戦闘機と交戦中のはずだもの。
作戦がガバガバというよりは極端に戦略の幅が狭いのだ。
俺たちの人型戦闘機に勝てなかったときのことを考えてない。
自信満々でやってきた結果がこれである。
というわけでレプシトールは全宇宙に恥をさらしたのである。
ミコシ商事会長は作戦失敗の報を受け、辞世の句を残し切腹。
レプシトールはそのことを俺に知らせてきた。
それで勘弁してくれって意味だろうか?
お前らなめてんの?
俺をなめてんの?
許すわけねえだろ。
地上に戻って笑顔で手を振る俺を見た嫁ちゃんは一言……。
「とんでもないのを怒らせたのじゃ……」
はっはっは。キレてないッスよ。
「次はなにするのじゃ?」
「お休みを頂こうかなと」
「ほう……?」
「ためには宇宙海賊のお仕事も消化しようかなってね」
笑顔の俺を見て仲間たちは「あちゃー」って顔をする。
カトリ先生も「あー、あいつら死んだわ」って言ってる。
別に殺さないよ。
レプシトールを引っかき回してくるだけで。
なおこの映像はたいへん高額で配信各社に売れたそうである。
プロレス大会もね!
さーて、マイク&ハマー社をカレンさんに売ってもらおうっと。てへ♪




