五百七十五話
モニター越しだとわかりづらかったが、カミラさんはとても大きな人のようである。
胸じゃなくて身長。
身長2メートル超えてるかな。
ラターニアが輸出してるミネラルウォーターが会議の画面に映ってて比較できた。
ラターニアに聞いたら男性はもっと大きいらしい。
胸の大きさも細くて大きいケビンと比較すると体積的に大きい。
いやエロい話じゃなくて!
種族が違うんだから比較して考えるの重要でしょ!
ラターニアに聞いたら大きいらしい。
格闘戦は不利かな。
戦争になるとは限らないけどね。
こうやって情報を蓄積することは重要だ。
さて胸でもめたが、嫁ちゃんが機嫌を直してくれた。
生クリームいっぱいの夢のプリンアラモードを賄賂として献上……。
愛の力でどうにかした。
そんな俺は神社の掃除をしてた。
大国が戦争をしてるからといって俺たちまで非日常でいる必要はない。
みんなで落ち葉を拾い焚火を……。
ボランティア多いな!
当初、神道という外宇宙からやってきた謎宗教の存在にビビリ散らかしてたクロノス教であるが、日系人特有の宗教へのいいかげんさを見て態度をあらためた。
現在では神社主催の落ち葉拾いや周辺の清掃活動に人を出すほど仲良くしている。
侵略的な宗教じゃないしね。
そんなわけでクロノス人もボランティアに参加しやすい土壌ができあがった。
なので近所の住人、俺や嫁ちゃんを見たい人、企業から手伝いを命じられた人、神木ちゃんと座敷童ちゃんのガチ信者などなどが参加したのである。
なので芋焼こうと思ったけど数が足りず、団子に変更。
落ち葉を集めて櫓を作り、どんど焼き状態で団子を焼く。
きなこ、あんこ、みたらし、ずんだ、ごま、海苔と醤油……。
またもや地方勢による醜い争いが開始される。
「フチャギはないのか!」
「そうだそうだ! ささげ餅が食べたい!」
男子どもが地元の餅菓子を所望する。
「自分で作れ!」
そもそもどんど焼きで食べるものじゃないだろうが!
ただ餅菓子食べたいだけだよね!
「なー、レオ。よもぎ団子ないの?」
「手に入らなかった。作るの面倒だし」
「ぐ!」
だいたい……テメエら、レシピあれば作れるだろうが!
士官学校出身者は基本的に料理できるんだし。
「ねえねえ、すあまの三色……」
「手に入らなかったの!」
「ぎゃあああああああああああああッ!」
ということで市販品のあんことみたらし、醤油にきなこに黒蜜、それと海苔をセルフで置く。
好きに作れ!
クレアはみたらし。
メリッサはしょうゆと海苔。
嫁ちゃんはあんこ。持参した生クリームをかけてる。
タチアナ、ワンオーワン、シーユンはあんこ。
嫁ちゃんから生クリームをもらう。
嫁ちゃん……恐ろしい子!
男子は黒蜜とみたらし派が多い。
女子はケビンとニーナさんによる追加の生クリームとカットフルーツによりバーサーカー化。
お互いを牽制し合う……もう知らん。
なぜ日常の方で我々は崩壊しそうになるのだろうか?
俺は醤油と海苔、それとみたらしを食べながら考えるのだった。
なお、なんとなく俺なら作ってくれそうと思われてるという可能性を排除するものとする。
市民も好きなように団子を食べてた。
そんな楽しいイベントが終わってお茶を飲んでるとパーシオンから通信が入る。
謎の非難声明である。
【海賊ギルド大首領としてパーシオン領土での犯罪活動をただちに止めることを要求する。要求を無視すれば貴国を焼き尽くすことになるだろう!】
してねえッス。
前に海賊ギルドに問い合わせたことがあるが麻薬密売などからは手を引いたようだ。
パーシオンで行ってるのは合法的に行ってる運送業に警備業に飲み屋に風俗業くらいか。
風俗業もお姉さんつき飲み屋にお兄さんつき飲み屋、各種えっちなお店にえっちなコンテンツを作ってるプロダクションまである。
あ、不動産と投資会社もあるか。
かなり手広くやってたわ。
俺が海賊ギルドを手に入れたのと同時に各種組織は合法化した。
ラターニア、太極国、クロノスに鬼神国、それにバトルドームで協定を結び、麻薬や殺人などの重大犯罪でなければ過去の罪を問わないことにした。
単純にいちいち捕まえてられねえよって話である。
現地法に従い会社組織化。
ちゃんと納税するクリーンな組織になった。
それが気に入らない連中は袂を分かち、個人で海賊を続けてる状態だ。
地方惑星だと警察までやってるのに敵対するのって……バカなのかな?
そんな俺に従わない連中の罪を被せてきたのだ。
普通にムカつくよね?
なので「俺とは関係のない連中です。お好きにどうぞ」と返事しとく。
俺への暗殺もしくは捕縛。いわゆる斬首作戦の正当化なんだろうけどさ。
したければすれば?
また恥かくだけだと思うよ。
なので海賊ギルドに連絡。
「大首領様。今日はいかがされました?」
「パーシオンが難癖つけてきた。パーシオンのギルドメンバーは夜逃げの準備して」
「かしこまりました」
「保険は?」
「大首領様のご助言通りかけております」
素晴らしい。
保険というのは比喩ではなく、ラターニア保険の事業保険だ。
海賊ギルドが合法化するメリットは大きい。
税金使ってでも事業の保証をしていいレベルだ。
だから俺は、国がバックにいる民間保険でカバーすることにした。
ギルドに直接金をぶち込むより民間噛ませた方がいいでしょって話だ。
国営企業とみなされたらパーシオンやレプシトールになにされるかわからない。
今回みたいにね。
だから全力で民間の体裁を整えた。
今回だってちゃんと海賊ギルドは保険の掛け金を払ってる。
「かしこまりました。女たちはどうします?」
「残る子には合法的に退職金を支給して。ちゃんと色つけてね」
「かしこまりました」
「保険会社に出す損害の計算書提出してね」
「会計士と弁護士の先生にお願いします」
「それがいい。わかってきたじゃん!」
「へい。大首領様のおかげでございます」
ということでとにかく会社という箱の仕組みをしっかり作る。
ちゃんと動く箱さえ作ってしまえば、あとは組織が稼ぐのさ~。
とにかく合法的に動かすのだ。はっはっは!
あとは撤退すればいい。
パーシオンくん度肝抜かれると思うよ。
まさか合法的に撤退されると思わないだろ。




