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第五百七十四話

 夕方、食堂で正座させられる。

 やはり許されてなかったか……。

 思い出し怒りですね。

 おっぱいに厳しい世界……。


「お胸の専門家を呼んだのじゃ」


「せ、専門家!?」


 イソノの野郎だろうか?

 だったら嫁さんに言いつけてやろう。


「ケビン先生どうぞよろしくお願いなのじゃ!」


「なじぇッ!?」


 まさかのケビンである。


「婿殿……ケビンはの……Iカップなのじゃ……」


「……なん……だと」


 もの凄く嫌そうな顔してケビンがメリッサに押されて入ってきた。


「ケビン先生の入場!」


 なぜか胸元の大きくあいたブラウスを着せられてる。

 おそらく女官さんがセレクトしたものだろう。

 恐ろしく似合ってる。


「やめてよヴェロニカちゃん! 恥ずかしいよ!」


「なに言っておる! このロケットみたいなお胸! 見ろ婿殿ぉ!」


 もむな。

 本当にやめれ!


「やめてあげなさい」


 俺のSAN値がピンチよ~!

 次のダイスロールでしくじったらマインドブレイクしてしまう!


「婿殿……近くにこんな大きなお胸があって、Gカップに目が移るとは……妾は情けない……」


「いやそうじゃなくて、爬虫類なのか哺乳類なのか気になっただけだっての!」


「うん?」


「爬虫類だったら胸いらないじゃん。爬虫類は授乳しないんだし」


 嫁ちゃんは「ほえ?」と驚いてた。

 待って……本当に胸の大きさだけを見てたと思ってたの?

 違うってウロコのある哺乳類か爬虫類か気になったの!

 爬虫類だったら冬の間活動が鈍るからそこがチャンスとかあるじゃん。


「だ、だが! 婿殿は胸の大きな黒ギャルが好きではないか!」


 やけにこだわるね。

 だから俺は優しい表情で言ってあげる。


「嫁ちゃん……よく聞いて。好きだからって毎日ラーメンは無理でしょ。たまには牛丼も焼肉も食べたいときがあるものさ……嫁ちゃんだってパフェじゃなくてタイ焼き食べたいときがあるでしょ!」


「だがいつも巨乳モノじゃろ?」


「それは男の子の本能ダヨ」


「正座じゃ正座!」


「ひーん!」


「あははははは! 隊長、相変わらず脳内バグってるね!」


 メリッサがゲラゲラ笑う。

 ひどい!

 するとレンがお茶を持ってきてくれた。


「皆様、お茶ですよ。……お肉食べたい」


「ハーさんのタレあったよね。よっこらせっと」


 たしかカミシログループで開発したタレがあったはず。

 長屋のハーさんのオリジナルレシピだ。

 売上の一部はハーさんが園長を務める児童養護施設の運営に使われてる。

 これ美味しいのよ。

 たしかタレに漬けた肉が大量にあったはず。

 お、あった。


「嫁ちゃん、食べる?」


「そろそろ夜か。うむ」


 漬物出してっと。


「手伝うよ」


 ケビンがエプロンを着けた。

 デッカ!

 なにとは言わないがたしかに……有識者クラス!

 いやさー、エロい意味じゃなくてさー、暗殺未遂の腹いせにケビンの胸のことをイジるのやめたのってさー、シャレにならなくなったからなんだよね……。

 笑えないイジリなんていじめと変わらん。

 だからなるべく話題に触れないようにしてるのに……。

 いまだって「Iカップってやっぱり肩こるの?」とか「作業の邪魔になる?」とかエロ抜きで質問してみたいことがあるが自重してるのだ!

 紳士として!

 それと反するように女子たちはケビンの胸をネタにするようになったんだよね……。

 女子に身内扱いされてるからなんだろうけど。


「ケビン夜の仕事は? 仕事あるならニンニク抜くけど?」


「もう今日は仕事終わったよ。ガッツリ食べたい……」


「了解」


 なんて言って食堂に視線を移すと、すでに笑顔のワンオーワンがいた。

 こっちも大きなお胸である。


「大公陛下! 自分おなかすいたであります!」


「今日は焼き肉な~」


「うわーいであります! タチアナ、シーユン、今日は焼肉であります!」


 通信で呼び出した。

 なんだかなー。


「ルーも呼ぶであります!」


「あれ、ルーちゃんママは?」


「お仕事であります!」


「了解」


 料理を作る。

 疲れた顔のシーユンとタチアナも来る。


「お疲れ」


 シーユンとお兄ちゃんは疲れてた顔をしてた。


「他国の戦争なのに。やることばかり増えていきます……」


「わかるー関係ないのにね」


 Gカップウロコ美女のせいで正座させられたりね。

 もうね、家庭内の問題解決の方が難しいまである。

 だいたい嫁ちゃん、ぺったんこじゃないじゃん!

 こだわらなくてもいいじゃん!

 なんて思ってると栄養ドリンクを飲みながらクレアが来た。


「お疲れッス」


「うん……ありがとう……もう! 仕事が多すぎる! 住民の避難経路の作成から物資の隠し場所までやってるなんて! もー、戦争なんてイヤー!」


「ですよねー」


 結局、イレギュラーが起こる確率の低い平和が一番なのである。


「レオ、それでレプシトールはなんだって?」


「一緒にパーシオン倒そうって」


「それ罠だよね?」


「たぶんね。だから断った」


「交渉の相手はどうだった? やっぱり威圧的?」


「Gカップじゃ」


「Gカップだね」


 嫁ちゃんとメリッサがつぶやいた。

 そこまで俺はこだわってないのに……。


「……なにそれ?」


「パーシオンより手強いかな。俺たちをちゃんと調べてる」


「そうなのじゃ。婿殿はおっぱい星人を見抜かれて骨抜きに……」


 ヨヨヨヨヨヨとわざとらしく崩れる嫁ちゃん。


「さーれーてーまーせーん!」


「そうだよね~。近くにIカップがいるんだし」


「メリッサちゃん! しつこいよ! 陛下もぉ~!」


 とうとうケビンが怒った。

 そしてそこで部屋に入ってきたのは疲れ切ったニーナさん。


「地上戦力の配備やっと終わった~」


 あ、そうかニーナさん陸軍参謀だもんね。


「焼肉作るけどいる?」


「レンちゃんと同じくらい食べる……」


「じゃあ焼くね~」


 肉を焼いてるとルーちゃんたちもやって来る。

 レンは山盛り肉に大満足。

 ニーナさんも失ったカロリーを補充する。

 飯を食いながらニュースを見る。

 パーシオンの惑星が攻撃されたようだ。


「うーん、パーシオンちゃん負け癖ついたな」


「その原因がなにか言ってる!」


 またもやメリッサがゲラ笑い。


「かと言って軍事的均衡が崩れるのも困るよね」


 クレアは現実的な一言を落とした。

 ですよねー。

 自分らが巻き込まれなきゃいいよねって考え方は確かにある。

 だけど勢力図が変わるのは面倒だ。

 レプシトールはいつかクロノスに攻めてくるだろう。

 それはこの戦いの発端を見れば明らかだ。


「旦那様。どうされます? パーシオンに味方します」


「それが問題なんだよねえ。敵対してるのはパーシオンなんだけど、ヤバいのはレプシトールなんだよね」


「でもレオくん、なにか考えてるんでしょ?」


 山盛り肉を食べてたニーナさんが俺に言う。


「いくつか考えてるけど、外交しながらシナリオ考えて行くしかないってのが本音かな」


「Gカップと」


 メリッサが話を元に戻す。

 てかおっぱいは主題じゃねえだろが!


「そう、Gカップと」


 嫁ちゃんのデュクシが俺の脇腹を襲った。

羅刹の銀河①

Amazonではあっと言う間に評価23件

秋葉原書泉のラノベ売上げランキングにも入ったそうで!

好評みたいです!

応援ありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
皮膚が鱗状の哺乳類なのかな?(犀とかアルマジロとか…)
ケービーン! ケービーン!
元男・・・。 すまん。 TSは駄目なんだ。
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