第五百六十三話
ノコノコやって来たバカどもを素手で制する。
即席チームに連携なんてできるはずもない。
「うおおおおおおおおおおおおおッ! レオくんお覚悟!」
ひげ面のおっさんを盾にして後ろの若者の木刀フルスイング攻撃をおっさんブロック。
「んご!」
背中を強打したおっさんが体勢を崩した。
俺はその隙におっさんを小手返しでぶん投げる。
一回転したおっさんが若者を巻き込んで倒れる。
「ひでえ!」
「るせえええええええ! 死にたいやつからかかって来いやああああああああッ!」
前にいる連中は様子見。
間合いを遠くにした。
でもね、後ろから来てるのはわかってるんだよ!
襲撃者の足元に潜り込む。
「うおッ!」
俺につんのめったところをレオくんカエルアッパー!
「ほげッ!」
からの後頭部へギロチンチョップ! 足払いを添えて。
こっちも一回転。
背中から落ちる。
「気をつけろ! いつもより攻撃に容赦がねえぞ!」
「ぬはははははは!」
と襲いかかろうと思ったら、同じターゲットを攻撃しようとしたサリアとぶつかる。
「んが!」
サリアがヒザからコケ、俺は「おっとっと」とバランスを崩した。
はい、連携できてないのは俺たちも同じ。
そこに鬼神国の精鋭が……ってお前らなんでここ来てるんよ?
お前らサリアの護衛だろ?
「レオ様、サリア様お覚悟!」
あ、汚え!
下剋上狙ってやんの!
「おりゃ!」
ムカついたのでさらにバランスを崩した……と見せかけて胴回し回転蹴り。
と、見せかけてよけられたところに足をとって……襟をつかんで足を胴体にくっつけて。
「ほいさ!」
足で蹴って放り投げる。
この程度じゃダメージはない。
「おらあああああああああああッ!」
だけどサリアがダイビングエルボーからの馬乗りぶん殴りで仕留めてくれた。
俺は膝立ちからもう一人の足目がけて高速タックル。
相手は受け止めて上から潰そうとしたから、クルッと方向転換。
起き上がって背中から胴に腕を回してジャーマンスプレックス!
もちろん数人巻き込む。
「ぎゃあああああああああああああッ!」
大丈夫だ。
鬼神国人の頑丈さならこの程度じゃ壊れない。
首ブリッジから高速で立ち上がり、飛び蹴りしてきたやつを受け止めて、そのまま後方へぶん投げる。
今度はブリッジから全身を使ってそのまま起き上がる。
「ば、化け物か! き、気をつけろ! 間合いに入ったら瞬間投げられるぞ!」
「ふしゅるーふしゅるー」
「も、もう半分しか動けない!」
「サリア様も強すぎる!」
サリアも必死だった。
拳を手刀で落としつつの手刀突きを一瞬で叩き込む。
さらに殴ってきた手をつかみ、首に手刀を入れつつ足払い。
別のやつのフックを手刀で止めて首をラリアットみたいに刈りながら足払い。
合気道の入り身投げっぽいけどちょっと違うやつ。
スパーンと倒れる。
これが鬼神国の武術か。
サリアは蟹挟みで相手テイクダウンする。
俺は倒れた相手目がけて巨漢の男を……。
「ちょ……待……!」
ボディスラムでサリアごと巻き込む形で落とす。
びたーん!
「ちょ、バカ! なんて事しやがるんですか!」
サリアはあわてて脱出。
ははーん連携?
知らない子だなぁ!
「サリアきゅん、……殺すつもりならパイルドライバーにしてるよ……」
「てめえ憶えてろよ!」
とはいえ、仲間と争ってもしかたない。
挟まれたのでお互いの背後にいるやつを飛び蹴り!
「あークソ! コツをつかんだら戦いやすい! これがレオさん……銀河帝国なのか!」
「ふははははは! 我らは軍人。協力プレーこそ真価を発揮する生き物!」
次々とボコボコにしていく。
なおこの光景であるが駆けつけたルーちゃんママにすべて撮影されていた。
鬼神国人への教育的指導が終わる。
もうねボコボコにしてやった!
だいたい20人くらい?
ここまでやって全員軽傷!
打撲と捻挫程度。
頑丈すぎるだろてめえら。
俺とサリアの拳が痛くなったので終了。
もうね、折れるほどじゃないけど拳ダコの硬くなった皮膚も破れちゃってるし!
次はグローブつけよう。
飛んできたケビンに治療される。
「しみるー!」
「当たり前でしょ! バカなんだから!」
怒られた。
サリアも嫁のキールティちゃんにお説教されてる。
そういや結婚したんだよね。二人。
結婚式は俺と同じで準備中だけどね。
サリアはまぶた切ったようだ。
落ち着いたら顔腫れてきてやんの。
氷嚢を顔に当ててる。
「もう! なにやってるの! あなたは大王なんですよ!」
「そう言ってもね。悪いのはレオくんで……」
「あなたが大王なのに決闘から逃げ回るからでしょ!」
あれ……?
怒られの方向がおかしい。
「いやだって私は喧嘩好きじゃなくて……弱いのに……」
「鬼神国の誇る近衛戦士をたった二人で下してなにが『弱い』ですか! 歴代でも最強と言われてますのに……」
なんか頑丈だなと思ったら近衛戦士かよ!
俺はサリアの肩を叩く。
がんばれよ。
「レオさん……なに他人事みたいな顔してるんですかね! あんたには私を憐れむ資格ないですからね!」
「そうだよレオ! まったく喧嘩ばかりして!」
今度は俺がケビンに怒られた。
ぷんぷんしてる。
「え……俺、悪くないと思うのよ……悪いの鬼神国人じゃーん!」
「ルールをちゃんと決めなさい!」
「ですよねー」
それは俺も思ってた。
まー、サッカー大会での応急措置だし。
鬼神国人も空気は読めてる。
サッカー大会の終了までは大人しくしてたわけだ。
……だけどさ。
「レオ、格闘大会へのエントリーが殺到してるぞ」
イソノの野郎に言われた。
「ふぁ?」
「この間の喧嘩な。あれが引き金でパーシオンからも多数参加だってよ。なんでも優勝するとお前と戦えるって噂が流れててな」
「俺、エキシビションしか出ねえっての!」
「俺らもそう答えたんだけどな」
誤解が誤解を呼ぶ。
大喧嘩祭りが開催されることになったのだ。
なお、サッカー大会であるが決勝戦は太極国と銀河帝国だった。
結果は銀河帝国の圧勝。
だけどその成長は驚くほどのものだった。
銀河帝国サッカー協会は外宇宙の選手育成に本腰を入れるのであった。
……宇宙ヤンキーどもこっち見んな。
俺はカトリ先生としか試合しねえからな!
羅刹の銀河① 12月25日発売です!
場所によっては書店に並んでるかも!
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