表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
561/652

第五百六十一話

 カトリ先生に気づかれないように遅延行為。

 そして俺たちで議論のための議論を繰り返す。


「なあなあレオ、今日の晩飯なんだっけ?」


 イソノの野郎に聞かれた。


「宮殿の畑でブロッコリーが収穫できたから、他の野菜と魚で中華風ガーリック炒めにするみたいよ」


「なるほどブロッコリーか。では今日の会議は解散で」


「ブロッコリー!」


 はっはっは!

 俺たちの勝ちだ!

 永遠に大会など開催させない!

 さーて、きなこと遊ぼうっと。


「きなこ!」


「にゃーん♪」


 神社でだいふくと遊んでたきなこを迎えに行く。

 ニコニコしながらやってきた。


「はいはいパパでしゅよ~。かわいいでしゅね~」


 どうぶつ係と化したメリッサが笑う。


「ふふふ。隊長、赤ちゃん言葉になってるよ」


「いいでしゅよね~」


「にゃーん♪」


 ゴロゴロスリスリしてくる。

 やはり癒しだわ。

 うちの子が一番かわいい。


「だいふくもかわいいでしゅよ~」


「きゅっ!」


 ということで帰ろうとすると、なぜか二匹ともメリッサの後ろに隠れた。

 殺気を感じて振り返りもせずに脱兎のごとく逃げる。

 ……が襟をつかまれた。


「レオくんさ~、大会どうなってるの?」


 カトリ先生である。


「先生、現在安全面評価などの会議を重ねてます」


 俺は胡散臭い顔で言いきった。

 毎回ブロッコリーがどうたらやゲームの新作の話をしてることが漏れるはずがない。

 官僚構造で徐々に忘れられていき、いつかは計画や責任の所在そのものが消えるさだめ!

 あまりにも完璧! 完璧すぎる!

 官僚構造そのものを使いこなす己のセンスが怖い!


「そうか」


 そう言うとカトリ先生は木刀を地面に突き刺した。

 ふふふ、暴力で官僚構造を破れるとでも!

 はっはっは!

 勝ったな!

 するとカトリ先生は俺に紙を差し出した。


「なんスかそれ?」


「果たし状だ」


「ふぁ?」


 なに言ってんだおっさん。

 半分バカにしながら読む。

 おいおいおいおいおいおい……。


「人型戦闘機での決闘って……あんた目はどうすんだよ?」


「手術を決めた。ゾークと外宇宙のテクノロジーを取り込んだいまなら可能だ。お前の真の全力、そして俺があきらめた夢の果てを見たい」


 一気に頭が冷静になった。


「俺はこれでもパイロットの頭張ってんだ。何度も死線をくぐり抜けたし、何度も死にかけた。剣が強いだけのおっさんが……なめてんじゃねえぞ!」


 俺はカトリ先生の胸倉をつかんだ。


「わかってる。だがなレオ・カミシロ! お前という最強に挑む。いまやすべての武人の夢だ!」


「勘弁してくれよ……」


「くっくっく……この年で俺も挑戦者だ……。逃げられると思うなよ」


「先生、受けて立ちますよ。これでもパイロットの世界じゃ最強を名乗ってるもんで。だけど、せめてシミュレーターソロクリアくらいはしてくださいよ」


「当然だ! 待ってろレオ・カミシロ」


 カトリ先生は大喜びで帰って行く。

 クッソ、逃げられなくなった。


「あー……妖精さん聞いてた?」


「暑苦しい漢の友情。聞いてましたよ~」


「カトリ先生の専用機の用意して」


「いきなり専用機ですか?」


「カトリ先生ならすぐにソロクリアしてくるって。ゼン神族との戦いでカトリ先生が戦ってくれたら心強いでしょ」


 ということで俺は逃げられなくなったわけである。

 カナシイ……。


 野球の試合が始まる。

 するとパーシオンから連絡が入る。


「なにかありましたか?」


 笑顔で出るとビクトルのおっさんが全力で渋い顔をしていた。

 なにか大きなストレスにさらされたようだ。


「そちらが計画してるサッカーだが……我らも参加させてほしい」


「えっとルールなどは?」


「問題ない。ラターニアの資料から学んだ」


 ルールブックや初球指南書やテクニック指南の各種動画はラターニア語版もある。

 もちろんクロノス版もすでに出回ってる。

 できるって言うのだから断る理由はない。


「ならどうぞ、練習試合の日程は……」


 これは外交である。

 平和だの国威高揚の効果だのは著しく低いが、なにかあったときの緊急連絡先が増えると考えればコストパフォーマンスは高い。

 政治とスポーツは別なんてのは寝言なのよ。

 相手をコントロールするって意味じゃない。

 人間のつきあいの中に組み込んじゃうって意味である。

 だから断る理由はない。

 ということでサッカー大会にパーシオンが参加することになった。

 ……ちょっと用心しとこうかな。

 これは差別じゃないよ。

 いや本当に。

 責任者のイソノと中島のとこに行こう。

 ノックもせずに足でドアを開けてソファに腰掛ける。


「サッカー大会。パーシオンが参加することになった」


「……お、おう」


 イソノも中島もキョトンとした顔で俺を見る。

 察しが悪い。

 ……疲れすぎて思考停止してるようだ。


「警備を強化して」


「おう! リコに連絡する」


 リコちがやって来た。


「パーシオンが参加って本当です?」


「なのよー。だから警備強化して」


「了解……手荷物検査は?」


「強化して。表向きの理由は「酒の持ち込みが多かった」とかで」


「酒だけだと弱いかな……スタジアムでビール売ってるし……理由は酒と爆竹にするね」


「よろしく」


 ということで疑いながらも親善試合が組まれたわけである。

 野球であるが銀河帝国のチームが無双した。

 そりゃ当たり前だ。

 子どもの頃からリトルリーグで育った野球エリートが、中学高校と強豪校でしのぎを削りプロになるわけである。

 まだ野球が来て三年目のとことじゃレベルが違いすぎる……って言いたいとこなんだけど、試合にはなってた。

 ちゃんと試合が成立してた。

 技術的には圧倒的な差があるけど基礎体力や運動力でカバーしてた。

 銀河帝国のプロチームも手を抜かなかったのが素晴らしい。

 結局、ガチ勢が強い。

 キレ散らかしてた太極国との決勝だった。

 しかも圧倒的な展開じゃない。

 ちゃんと銀河帝国からも得点して意地を見せた。

 自国のリーグを見て顔を真っ赤にしてたシーユンも自国チームのまさかの健闘に満面の笑顔である。


「皇帝の名の元に褒美を与えなくてはなりませんね」


 シーユンは表彰台を見て穏やかにほほ笑む。

 選手たちを讃えるために国に一時帰国するそうである。

 シーユンの頭の血管が心配な俺だった。

 なお鬼神国であるが……悲惨な結果に。


「ド畜生があああああああああああああああああッ!」


 サリアの叫びが響いたのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
剣聖の参戦…素直に喜べないよなぁ。これって絶対ジェスターの運命改変現象の結果だろっていう信頼感がある 即ち剣聖が戦場に出ないとヤバいレベルのナニカが起きるフラグ…………嫌過ぎるんですけど?(苦笑)
ス夕ーリンが、デレた・・・!? なわけないか。
カワゴン、次元波動を発信して、ギャグギャラクシー拡張に成功する
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ