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【書籍化決定】羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~  作者: 藤原ゴンザレス


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第五十六話

 戦艦型ゾークの首がもげて穴が空いていた。

 どくんどくんと脈打つ肉に青い血が流れていた。

 全体を見るとカブトガニ型だったのがわかる。

 そこにエビのような頭が生えていたような形だ。

 中は生物の体内と言うよりは宇宙船。

 ちょうどダンジョンのようになっている。

 光る謎の物体が通路を照らしていた。

 半分生き物で半分機械みたいな存在なのだろうか。

 都市ごと粉砕しても倒しきれないとか、たいがいである。


「レオ、待機命令」


「了解」


 他の機体が来るまで待機。

 次に近衛隊のおっさんたちが来た。

 盾を片手にもう片方を機関銃装備で突撃してきた。

 盾はボコボコだ。

 だけど本体にはダメージがない。

 やっぱ化け物だろこいつら。

 手を振って一緒に待つ。

 次に来たのは士官学校組。

 やつらも化け物に鍛えられし者たち。

 メリッサをはじめとして盾で自爆を防いだようだ。

 ただ近衛隊と違って機体に多少のダメージがあった。

 俺たち……もしかして準近衛隊クラスの実力なんじゃないか?

 そう思うには理由があった。

 後から続く他の隊の兵士の機体の多くがスクラップ寸前だったからだ。


「隊長……もしかして俺たち……」


 メリッサも余計なことに気づいたようだ。


「気にすんな。俺たちはただ上を目指せばいい」


 敵の強さが上がりすぎてる。

 人間の中での強さランキングなんて意味がない。

 むしろ下を気にしてたら足をすくわれる。

 いまのところ敵はゾークなのだ。


「負傷者はここで待機! 他は進むぞ!!!」


 ピゲット少佐が指示を出した。

 レイモンドさんと違って頼りがいがある。


「婿殿は切り札だ! 今度ばかりは先行したらぶち殺すからな!!!」


「ふえーい」


「やーい隊長、怒られた」


 メリッサにまでこの扱いである。

 俺はトボトボ後ろをついていく。

 すると妖精さんが現われる。


「レオくん、ハッキングかけてみます?」


「未知のシステムに侵入できるほどの端末ないよ」


「私がアタックしかけてみます。処理はクラウドサーバーにまかせて……」


「生きてるサーバーあるの?」


「宮殿に処理能力に空きがあるサーバーがいくつもあります。皇帝や重鎮のライブデータを保存しているサーバーかな? あ、ヴェロニカちゃんのデータはないです」


「よしやれ。俺が許す。むしろそいつら皆殺しにしろ!」


「らじゃ! えっとそこの血管ぽいのをはがしてください」


 肉々しいパイプをチェーンソーを使って壁から剥離する。


「外側のタンパク質カバーをはいでください」


 魚を三枚下ろしにする要領で指を入れて外側を外す。

 中は鳥の神経みたいなケーブルが入っていた。

 いや神経か?


「有線端子からケーブル出して繋いでください」


「先っぽは?」


 端子になっている。

「引きちぎって出した線を戦艦型ゾークのケーブルに巻き付けてください」


「へーい」


 俺は工兵じゃないが、宇宙船乗りは電気関係の修理くらいできる。

 造形プリンターが壊れた船のサバイバルは電気関係設備の手動修理である。


「溶接は?」


「たぶんいらない。レオくん、【プローブモード】選択してケーブル切り離し」


「へーい」


 ガシャンと通信機器ごとケーブルを切り離す。

 これで簡易通信設備の設置ができた。


「じゃあハッキングするね」


 おっと報告してないわ。


「ピゲット少佐、妖精さんがハッキングかけるって。簡易通信施設設置したっす」


「……婿殿は片時も目を離してはならんのだな」


「ちゃんと命令に従ってますって! 自然とイベントが起こるだけで」


「それで、AIは何をするつもりなのだ?」


「妖精さーん。これから何するの?」


「システムをズタズタにしてやります。システムをズタズタにしてありとあらゆる指揮を邪魔してやります」


 やだ怖い!

 妖精さんを敵に回すのだけはやめよう。


「ふ、ふへへへ。未知のシステムへの侵入。ふへへへへ」


「やだ変態がいる!」


 俺の言葉を妖精さんは無視。

 よほど楽しいようだ。


「解析完了! ふえーっへっへっへ!!! レオくん! システムダウンするね!」


「それ墜落しねえ?」


「大丈夫! じゃあシステムダウン!」


 どうんっと音がして照明らしき発光物が一斉に消えた。

 少しの間を置いて照明が青色のおそらく非常灯に変わった。


「警備が来ますよ~。排除してください」


「俺たち不利になっただけ?」


「違いますよ~。機械兵も配置されてたんですがそれは動けないようにしました」


「機械兵?」


「ほら触手の」


「寄生体か。あれ機械だったのか」


 あれが来たら面倒だった。

 カニの足音が響く。


「楽しくなってきやがったぜ!!!」


 メリッサが剣を抜いた。

 近衛隊もそれぞれの武器を出す。

 学生は実弾兵器を出して配置についた。


「ちょっと男子ぃ! せっかくの戦闘なんだから剣で戦えよ!!!」


 メリッサが男子を挑発した。


「できるかボケ!!! そんなのお前らだけだ!!! 死ねレオ!!!」


「なんで俺に弾飛んでくるのよ!!!」


「るせー!!! ふ、ふはは……俺、この戦争が終わったらあの娘と結婚するんだ……」


「いねえだろそんな女!? 死亡フラグ増産するんじゃねえよ!!!」


「るせー!!! みんな! 戦闘のどさくさに後ろからレオをやっちまおうぜ!!!」


 軽口で恐怖を和らげてると鬼がうなり声を上げた。

 ピゲット少佐である。


男子(バカ)ども軽口はいいが後ろから襲撃発言は見逃せん。この戦いが終わったらお前ら全員その曲がった根性を叩き直してくれる」


「うわああああああああん!!!」


「やーいばーかばーか!!!」


 笑ってると俺へ鬼が一言。


「婿殿もだ」


「あ、はい」


 このとき俺たち男子(バカ)の心は一つになった。

【ゾークに八つ当たりしよう】ってね。

 もう恐怖は霧散していた。

 ただそこにいたのは狂戦士の群れだった。

 カニちゃんがやって来た。

 そうカニちゃんは見てしまったのだ。

 怒れるヒャッハー男子の群れを。

 チェーンソーの音がした。


「突撃ぃッ!!!」


 かつてないモチベーションで戦う男子を見て、一般の兵士は恐れおののいたという。

 男子どもは対ゾークの経験値高いからね。

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― 新着の感想 ―
精神汚染、かぁ。何をどうしたらこうなる?超能力、賢者とは?興味深い。
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