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第五百五十四話

 あたちは「カワイイ」。

「猫さん」とか「きなこ」とか「ラテ」とかの呼び名もあるけど、一番みんながうれしそうにするのが「カワイイ」なのでたぶんあたちの名前はカワイイ。

 パパはレオくん!

 レオくんはたぶん農家?

 おイモさん育ててる。

 こないだくれた。美味しかった。

 またくれるかな?

 ドッスンドッスンと廊下を歩いて行く。

 日課のパトロールだ。

 変な人から家族を守らなきゃ。

 それにしても……最近廊下が小さくなったような気がするわ。

 でもあたちはエレガントな猫。

 家具や壺を壊すなんてことはないわ。

 歩いていると知った顔がいた。

 クレアママだ!

 クレアママが声をかけてくる。


「きなこちゃん、どこいくの?」


「にゃー」


「もう、かわいい!」


 クレアママがなでてくれた。

 やはりあたちの名前は「カワイイ」なんだと思う。

 さてパトロールに戻らねば。


「遠くに行っちゃだめよ」


「にゃー♪」


 クレアママと別れて奥に進む。

 すると小さなネズミがやってきた。

 メリッサママの頭に乗ってる。


「お、きなこ。今日もかわいいな!」


「にゃー♪」


 ワシワシされた。

 メリッサママは普段は「動物は死ぬからイヤ!」とか言ってるけど一番甘い。

 会うたびに何かくれる。


「ほーい、お魚」


「にゃーん♪」


「かわいいな~。うちの実家も猫いるんだ。きなこと違って四キロくらいしかないけどね。もうお婆ちゃんでさ」


「にゃ~」


「お前も長生きしてくれよ~」


「にゃーん♪」


 ご挨拶したらパトロールに戻る。

 今度はレンママがいる。

 甘そうだけど一番厳しい。


「あらラテちゃん。お散歩ですか?」


「な~ん♪」


 シュタッとお座り。

 レンママは「礼儀正しくしなさい」っていつも言うのだ。

 だからお座り。あたちはできる子なのである。

 レンママはあたちと同じ種族のような気がするんだけど、少し違う。

 もうちょっと強い生き物のような気がする。

 そんなレンママの頭の上には妹のだいふくがいた。

 ちっこいけど妹。

 だいふくがご挨拶してくる。


「きゅっきゅっきゅ!」


「にゃーん♪」


 だいふくがあたちの背中に飛び移る。


「きゅ!」


「いいですかラテちゃん。だいふくをお父様のところに連れて行ってください」


「にゃーん!」


 レンママにお使いを頼まれた。

 がんばらねば!

 パパを探す。

 たぶん庭かな?


「きゅ、きゅ!」


 だいふくが「神様のところに行こう」だって。

 そうだねえ。

 トコトコ歩いて行く。

 最近道が狭いのよね。

 ごつ!

 花壇の柵にぶつかった。

 ありゃま倒れちゃった。

 ま、いいか。

 歩いて行くと庭にある神社に着いた。

 神様がいた。


「なーん♪」


 神様~。


「きなこちゃん!」


 神様が抱きついてくる。

 ゴロゴロ喉を鳴らす。

 神様はワンオーワンちゃんとタチアナちゃんとシーユンちゃんとサッカーしてたみたい。

 ワンオーワンちゃんも抱きついてくる。


「きなこ~!」


「にゃーん♪」


 ワンオーワンちゃんは元気な子だ。

 抱きつかれるとこっちも元気になる。少し乱暴だけどね。

 痛いことされたら頭ぽんぽん。それでわかってくれる。

 タチアナちゃんも抱きついてくる。

 タチアナちゃんは優しい子だ。

 痛くないように優しく抱きついてくる。

 すると今度はシーユンちゃん。

 シーユンちゃんは遠慮しながら。

 シーユンちゃんも優しい子ね。

 ぽんぽん。

 神様たちとサッカーをする。

 あたちの方が大きいから怪我させないように気をつける。

 だいふくはシーユンちゃんと見学。

 シーユンちゃんはだいふくちゃんにベリーちゃんとリンゴちゃん、それとシーユンちゃんとこのモンちゃんのお世話をしてる。


「ぷいぷいきゅー!」


「きゅきゅきゅ!」


「きゅっきゅー!」


「きゅーきゅきゅきゅ!」


 子どもたちが丸まってシーユンちゃんの膝の上にいる。

 しばらく遊んでるとパパが来た。


「にゃーん!」


 パパー!

 飛びかかってスリスリ。

 あたちの方が大きいけどパパは抱っこしてくれる。

 パパは力持ちなのだ。

 パパとじゃれてると、後ろでお座りしてる青い猫、ドラお姉ちゃんがいた。

 あ、ドラお姉ちゃん!


「にゃあああああああん!」


 ぺしっと頭を押さえられた。

 ドラさんは一番上のお姉ちゃんだ。

 クールなお姉ちゃんなのだ。


「お、ドラさん。きなこの前だからお姉さんぶって」


「な~ん」


「そうかそうか」


 パパはあたちたちと会話ができるみたい。

 言葉は通じてないけどなんとなく話が通じる。


「きなこ、カワイイカワイイ」


 ワシワシなでくり回される。

 やーん♪

 おなか見せちゃう。

 パパ大好き!

 だいふくたち、小さな妹たちもパパによじ登る。


「きゅっきゅっきゅ♪」


 妹たちもパパにウリウリされる。


「きゅ~♪」


 遊びが終わると、パパはあたちを抱っこしてだいふくを頭にのせて部屋に移動する。

 あたちはお姉ちゃんだから一人部屋。

 妹のだいふくはまだ赤ちゃんだからヴェロニカママと一緒に寝てる。

 あたちは部屋に入れないからね。大きすぎて。

 メリッサママがあたちの部屋で添い寝してくれる。

 メリッサママ大好き!

 廊下を歩いて行くとヴェロニカママがいた。


「にゃーん!」


 ママー!

 ワシワシされる。


「おうおう、ラテ。かわいいのう」


 ヴェロニカママがなでてくれる。

 あたちは自分の部屋に戻ってパトロールは終わり。

 眠くなるとメリッサママがやって来て一緒にねんこ。

 たまにヴェロニカママに追い出されたパパともねんこする。


「いいかきなこ……夫婦ってのはいろいろあるのさ……嫁ちゃんとは真反対のギャルものの動画購入がバレたときとかな……」


 よくわかんない。

 ぽんっと肩を叩くと優しくなでてくれた。

 ペロンとなめるとワシワシしてくれる。キャー!

 みんな大好き!

 だからみんな仲良くしてほしいな。

 あたちがパパとねんこするとき、メリッサママはドラお姉ちゃんとねんこする。

 あたちはパパの匂いをかぐと安心して眠れるのだ。

 あたちにはたくさん名前がある。

 ヴェロニカママとレンママは『ラテ』。

 パパにクレアママにメリッサママは『きなこ』ってあたちを呼ぶ。

 でもみんなかわいいっていつも言ってくれる。

 だからあたちの本名は『カワイイ』なんだと思う。

 あたちは『カワイイ』。

 パパはレオくん。大好き!

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― 新着の感想 ―
よくあるパターンだけどちゃんと名前を固定して呼ばないと混乱するんだよねぇ
ウチの子も「カワイイ」だと思ってるフシある
可愛いは正義という宇宙の真理
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