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第五百四十六話

 オーゼンがクロノスに宣戦布告した。

 というか、いきなり戦闘になった。

 さーて意図が読めない。

 そりゃさー、攻撃してきたんだから勝ち目があると踏んでるんだろう。たぶんね。

 ただ国力に関してはクロノスの方が圧倒的に上。

 そりゃイナゴテロで人口が減ったけど、それでもラターニアに太極国も味方だ。

 当然、兄弟国の銀河帝国も味方である。

 みんな傷ついてるけど、それでも大国四カ国だ。

 そこにみんな大好き鬼神国も加わる。

 喧嘩を売っても勝てるわけがない。

 でも勝算あるんだろうな。

 早期講和する材料持ってるとか。

 しかも四カ国とも殺意マシマシである。

 フルボッコにする未来しか見えない。

 この間の兵器はすごい威力なんだけど連射力に問題あり。

 大艦巨砲主義に走ってるのかな?

 うちらも似たような威力の兵器はある。

 デスブラスターの技術を主砲にしたものだ。

 でもそれって人型戦闘機、ドローン、ミサイルの支援を受けながら使うものなんだよね。

 そもそもゾーク戦争で近接戦闘重視の戦略が花開いただけで、本来銀河帝国は中遠距離がメインである。

 だから俺よりエディの方がパイロットとしては評価が上だ。

 俺は遠距離中途半端、中距離なんとなくこなせる、近距離ヒャッハータイプである。

 本来であれば評価は普通くらいのはずだ。

 というわけで開戦時の戦闘に俺は出ない。

「でりゅー!」って言ったら正座させられて説教された。

 カナシイ。

 事実上の総司令官として現場を見る。

 敵は旧マゼラン領に侵攻する予定だ。

 さてマゼラン暫定政府の閣僚や議員であるが、旧マゼラン領で襲撃が相次いだ。

 車に乗ってるところを火炎瓶投げられたり、家に火をつけられたり、外出しようと外に出た瞬間にトラックが突っ込んできたり。

 暗殺なんてしてない。

 単に結果は予想してたけど守らなかっただけだ。

 あと海賊ギルドには「護衛するな」と言ってある。

 それでもマゼラン人の傭兵を雇ったけど、雇った傭兵に始末されたもの多数。

 旧マゼラン領の警察が護衛してたけど、自分の身が危なくなったらさっさと逃げてた。

 裏切者に命をかける価値はない。

 せめてクロノス警察で逮捕してれば話は違っただろう。

 でもあいつらさー、弁護士通じて「クロノスの法律には何ら違反してない」って言い張ったのよ。

 その弁護士が裏切者なのに。

『イナゴテロで妻と子どもが亡くなってる』ってちゃんと教えたのに信じなかったのね。

 難民として受け入れない以上、情報提供だって大サービスだ。

 ……バカだね。お前らを殺すために来た人間だというのに。

 その弁護士であるが爆弾を積んだトラックで外務大臣が外に出たところに突っ込んだ。

 中から黒焦げの遺体が見つかり、彼は家族で撮った写真を守るように丸まっていたと報道された。

 やるせない。

 クロノス人も同情的だ。

 そしてクロノス公国軍には志願兵が殺到するのだった。

 そんな背景が繰り広げられながら、俺は執務室で仲間たちと戦闘を見る。

 アホな格好なんかしてられない。

 クロノスの伝統的儀礼服に着替える。

 閣僚たちもそれぞれ指定の服だ。

 ライブ中継はできないけど部屋の外にはマスコミが待機してる。

 スーさんもいる。

 総ツッコミは覚悟である。

 クレアが状況を説明する。


「オーゼン軍はマゼラン暫定政府領を攻撃。オーゼン人を含めて民間人を無差別に攻撃してます」


「バカなのかな?」


 オーゼン人の保護を理由にした侵攻なのにオーゼン人含めて虐殺開始。

 戦争の後にオーゼン自体の存亡が危ういと思うのよ。

 俺たちを圧倒的戦力で打ち倒すしかないわけでさ。


「まるでゾークやプローン、屍食鬼を相手にしてるみたい」


「話通じないもんね」


 メリッサがあきれ声を出す。


「なんでうちらの相手って話が通じないのよ!」


「ほんとそれな!」


 とうとう外務大臣になったイソノが手をあげる。


「こちらの外交チャンネルで呼びかけてるが無視。ラターニアも太極国も無視されてる状態だ」


「アホなのかな?」


 それじゃ要求がわからんのよ。

 攻撃するからには狙いがあるんだろうけど、それを俺たちに伝える気がないのだ。

 まあいいや。戦うしかないわけだし。


「レイブンくん。とりあえず、もう一度だけ呼びかけて」


「御意」


 敵船団に対して呼びかけるが無視。


「わかった。銀河帝国標準防衛戦術で作戦開始せよ」


「御意」


 あのさー、俺たち、ゾークとの戦いだから近接戦闘繰り返してただけなのよ。

 普通の戦いをしてやるか。

 防衛戦の機雷を発射。

 敵エネルギーを感知して追尾する機雷だ。

 パルスグレネードと同じくエネルギー兵器のためゾークには効果がないのが弱点だ。


「機雷設置完了」


 機雷はさー。

 本当は使いたくないんだよね。

 あとのデブリ掃除が面倒だから。


「レイブンくん、陣形を整えたらあとは現場判断。すべての兵器の使用を許可する」


「御意」


 さーてここで俺の仕事は終わり。

 すべての兵器って言ってるけど、さすがに宇宙空間で毒ガス使うバカはいないでしょって話。

 今回は持ってきてない。

 それもオーゼンくんの出方次第だけどね。

 陣形はすでに整っていたようだ。

 艦隊戦だと陣形が大事なんだよねー。


「ミサイル発射」


 まずはミサイル。

 クロノス艦隊のバリアーに敵の主砲が当たる。

 はっはっは、こちらはゾーク加工済み。

 怖くなんかねえぞ!

 当然倍の数撃ち返す。

 こちらは連射もできるのだ。

 バリアーを貫通した主砲が戦艦の表面を焼く。

 だがビームじゃ貫けない。

 乱反射して終わりだ。

 物理攻撃してゾーク加工した装甲を壊す必要があるのだ。

 それがもっと高出力で溶かすとかね。

 それを防ぐためにバリアーでビームの軌道を曲げて直撃しないようにしてるってわけ。

 当然、敵はミサイルを撃ち込みながら人型戦闘機も出してくる。

 六本腕の変わった機体だ。

 すると喧嘩だいしゅき鬼神国パイロットが出撃。

 武者姿の機体だから丸わかり。

 遅れてクロノス人パイロットも出撃。

 こっちは騎士姿。

 銀河帝国軍の標準機からデザインを変更した。

 クロノス人デザイナーの作である。


「ひゃっほー! 喧嘩じゃ喧嘩じゃ!」


「クロノス守るぞ!」


 もうセリフだけでパイロットがどっち側かわかる。

 鬼神国人の機体は突っ込んでいき、クロノス人パイロットたちは訓練通り中距離に陣取る。

 人型戦闘機は、敵人型戦闘機との戦闘用。

 本来これが当たり前なのよ!

 ゾーク相手だから違うことやってたわけでさ!

 人型戦闘機どうしが戦闘する。

 目的は機雷の除去……のはず。だけど鬼神国人と近接戦をしてる。

 当たり前の戦術から離れてきた。

 すると報告が飛んできた。


「レオの兄貴! 連中様子がおかしい!」


「最初からいままでおかしい事しか起きてねえよ!」


「そうじゃねえって! パイロットだ! ほら画像」


 それは宇宙空間を漂う人型戦闘機の残骸だった。

 パイロットが放り出されて……嘘だろ。

 パイロットの体はほぼ全身が機械化されて、人型戦闘機に組み込まれていた。


「バカじゃねえの……あいつら」


 どうりで呼びかけに応じないはずだ。

 たぶんオーゼン人は何者かにすでに改造されていたのだ。

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― 新着の感想 ―
まぁゼン神族が後ろにいるんだもんなぁ…ゾークにプローンに屍食鬼…運命を委ねた(支配された)連中は須くアウトオブアウトな存在に成り果てるからなぁ…
主人公周りがトンチキだから忘れがちだけどタイトルからして羅刹の銀河だったね う〜ん乱世乱世
既に「誰もいませんよ」という可能性もありますな。
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