第五百二十五話
エディ班が侵入経路でアンドロイドの襲撃を受けた。
リコちと愉快な仲間たちの活躍によりアンドロイドを殲滅。
そこまでは良かったが負傷者多数により撤退が決まった。
あらま。
「レオくん、リコちゃんから始末書が届いてます」
妖精さんが苦虫噛みつぶしたみたいな顔してる。
「気が早いね……うん? 近衛騎士が戦闘服を脱いでステゴロ……なにこれぇ!?」
「なにもわかりませんよね~」
リコちの仲間たちの生態が謎すぎる。
ドクターストップによる戦闘不能多数なれど、重傷者なし……。
一行で矛盾するのやめてくれないかな?
ドクターストップだけど重傷じゃないってなによ……。
気にするのやめとこ。
奥に行くと行き止まり。
このルートもハズレだ。
俺らも戻ることにする。
戻るとリコちとエディの部隊の連中が全身用洗浄機でゴシゴシ除染されてた。
「し、しみるううううううううッ!」
リコちの部下が悲鳴を上げてた。
うん知ってる。
何度も入ったことあるし。
傷口まで含めて全身が洗浄されるまで出してくれない。
とにかく洗浄しまくって傷口はナノマシンで直せばいいさって扱いである。
深い傷だとダメになった肉の除去までやってくれる。
効果はとんでなく高い。
こいつとナノマシンのおかげで化膿したことない。
ただ死ぬかなって思うくらいしみるけどね。
エディは自分で薬を塗って包帯巻いてた。
エディがケガするくらいだ。
かなりの激戦である……。
報告はギャグでしかなかったというのに。
「よ、レオ。久しぶりにやっちまった」
「報告とずいぶん違うじゃん!」
「報告者のリコちとその仲間がおかしいだけだ。死人が出てもおかしくなかった」
「敵はアンドロイド?」
「ああ、対パルスライフル用の装甲だった。おかげで近接戦を強要された」
「あー……なんていうか……ごめんね」
「いいって、そっちも化け物と戦ったんだろ?」
「こっちは力が強いだけだった」
エディは銀河帝国でも屈指の実力者だ。
それを考えたら敵はかなり厄介な相手だったのだろう。
よかった……こっちはただの実験体で。
「体内の汚染物質の除去に三日かかるってさ。俺はこの惑星で足止めだ」
大変だなーと思ってたら、俺の検査結果も送られてきた。
汚染物質検出されず。
「汚染物質確認されずだって」
「よかった。じゃ、あとは頼むわ」
ですよねー。
元気な人間が引き継ぎですよねー!
「妖精さん、イソノは?」
「えーっと、健康検査は良好。……なんですけど軽微な汚染が検出されて部屋で待機ですね」
「中島は?」
「中島くんも汚染で待機ですね。イソノくんと中島くんは、この惑星来たときに雑な格好してたのが原因かと」
男子ども弱ッ!
「俺だけぇ?」
「いえメリッサちゃんとクレアちゃんにレンちゃんの班と合流してください」
「ういー」
ということで婚約者たちと侵入。
侵入経路は作業員用の裏口と推測されてる場所だ。
幾重ものセキュリティーゲートをくぐり抜け、物資搬入口の横に作業員用の出入り口がある。
セキュリティーゲートは警備員も警備ドローンもないから機能してないんだけどね。
これは推測だけど、外の警備は置いて行かれた現地人の先祖が狩り尽くしたんじゃないかな?
文明を維持するには物資が必要だし。
それで数世代……たぶんある程度の教育を行えた子どもの世代までは文明を維持できたかなと思う。
その先は……無理だよね。
エッジの惑星もそうだけど文明を維持できないよね……。
エンジニアや科学者がいても文明の維持には農に商に医の専門家と労働者が必要だ。
他にも料理を始めとする文化に……宗教は放っておいてもいいけど、変な宗教が科学やテクノロジーを弾圧しはじめたら文明は終了する。
俺たちの文明ってギリギリのとこで維持できてるんだな……。
さーて侵入。
俺は傷なんてついてないもんね~。
普通に化学戦仕様の戦闘服で中に侵入する。
「ねえ、レオ気づいた?」
クレアが聞いてきた。
「敵が武器持ってない件?」
「気づいてたんだ……。あれどう思う?」
「物資が不足して作れなくなったんじゃないかな? アンドロイド使って回収品をリサイクルするにも限界あるし」
錆びて風化した金属まで回収するのは難しい。
それこそ土から金属成分抜くくらいの手間が必要だ。
戦闘用アンドロイドにできるはずないよね。
イナゴが金属貯める性質あるみたいだけど、土まではどうにもならないしね。
壊さないように保管するのも難しい。
そもそも遺棄した施設に難しい保管ができるはずもなく。
その割には実験体は生きてたな。
いや作っては廃棄を繰り返したのか。
で、実験体を作り出す設備だけメンテナンスしてたと。
無駄の極みだな。
中を進むと作業用のエレベーターが見えてきた。
「うーん怖い」
とりあえず回路を見る。
あーだめだこりゃ。
ヒューズが溶けてる。
「階段ね」
ドアは半分崩れてた。
もうセキュリティーもクソもねえな。
ドアを撤去して階段で上に向かう。
油圧ドアだけどこうなったらただのゴミである。
「こっちはセキュリティーガバガバだね」
メリッサが笑う。
たぶん兵士とドローンで対応だったんだけど、外との距離が近いのと汚染物質で風化しちゃったんだろうね。
「あ!」
ガラガラッとクレアの足元の階段が崩れた。
怖! 危ない!
「き、気をつけてね……」
「怖いわ~。メンテナンスしてない建物怖いわ~。事件体やアンドロイドより怖いわ~」
普通に死ぬもんね。
いやこれリコち来なくて良かったわ。
リコちの重装備じゃ階段崩れて落下死したかも……。
うーん適材適所。
サクサク上がっていく。
三階に上がる、正面からだと入れない区画か。
資料が置いてあるけど風化して読めないだろう。
あとで専門の要員に任せるしかない。
奥に進んでいく。
フロアのあちこちに穴が空いてて錆びたアンドロイドが転がってる。
ここは外の空気が入ったんだろうな。
樹脂も崩壊してボロボロになってその辺に転がってる。
窓らしき場所から土砂も入りこんでた。
奥に進もうとするとアンドロイドがこちらに向かってきた。
おっと戦闘、と思ったら天井が落ちてきた。
罠じゃない。崩壊した。
天井のあった場所から土砂と水が落ちてくる。
床に穴が空いてアンドロイドが穴に飲み込まれていった。
怖ッ!
一番恐いの崩壊した建物じゃん!




