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第五百十八話

 ここから村の奪還である。

 ケビンに頼んでドローンで偵察。

 ケモ度が高いせいか村の女性をさらって……なんていうエグいシーンはなかった。

 俺の精神衛生上助かった。

 問題はなにやってるかだよね。

 マゼラン残党こと魔王軍は村に隣接する川の近くで穴を掘っていた。

 ボーリングマシンが見える。

 土壌サンプルの抽出だろうか?


「地中探査機まであるよ。なにやってるんだろう?」


 ううううううううん?

 とてつもなく嫌な予感がした。


「ケビン、俺たちも調査できる?」


「地中用のドローンがあるから簡易検査できるけど」


「すぐにやって」


 金鉱探ってるとかならいいんだけど……。

 なんだか嫌な予感しかしない。


「うーんと、化合物を検出」


「具体的には?」


「様々だね。薬品で汚染された大地みたい……ちょっと待って。イナゴのタマゴ……」


 はいシャレにならない!

 薬品の廃棄場だったのかな?

 現地人の皆さんのケモ度が高いのって……もしかして薬品のせい?

 環境ホルモン的なもので変異したとか。

 あとで医師の診断が必要かもしれない。

 それとイナゴだ。

 イナゴは驚異だ……だが俺たちはもう恐れてなかった。

 なぜなら……対策はできたのだ。


「イナゴコロリは?」


「あるよ」


 イナゴコロリ。

 マゼランの食料庫から見つかったカビから抽出した成分を含む薬品だ。

 ただ単にお米や小麦粉の管理が悪くて発生したカビだが、これがイナゴに効果絶大。

 タチアナの結界は防除に使えるインフラとすると、イナゴコロリは即効性の殺虫剤である。

 イナゴコロリで安全を確保しながら時間を稼いで結界で防除する。

 もう俺たちはイナゴを克服したのだ。

 このイナゴコロリはマゼランで大量生産してる。

 米ぬかをベースにした培地で簡単に培養できる。

 そこから成分を抽出した物で粉末で持運びも楽だ。

 あとは水で千倍にしてドローンで散布すればいい。

 タマゴにも効果がある。

 イナゴ以外の害虫にも効果があるのが問題なくらいか。

 こういう自然環境へばら撒くやつは、農業用とは違って殺しすぎてもよくないのよ。

 よくわからん地中の微生物殺しちゃっただけで病気が大発生とかは本当にあるあるなのだ。

 でもそれも結果論だよねって話でしかない。

 スペースイナゴが発生すれば環境なんて簡単に破壊されるのだから。

 クロノスやマゼランでは野生動植物の絶滅がかなりの数起こってしまったのだ。

 サンプルあるからクローン作れるけどさ~。

 でもさー、それってなんか違うよねって話である。

 あと微生物まではカバーできない。

 超どマイナーなキノコがそっと絶滅しててもわからんもの。


「マゼラン残党片付けたら散布ね」


「了解」


 さーてマゼラン残党と戦おう。

 現地人の皆さんには夜になったら襲撃してもらおうと思う。

 まずはイナゴコロリを作る。

 川から水くんで展着剤、葉っぱにつきやすくする薬というか界面活性剤と混ぜる。

 この展着剤は地中でも効果があるそうだ。

 地中の糖類にくっついて……細かい話はいいか。

 展着剤と水を機械で混ぜた液に粉を投入。

 かなり音がうるさいけど、マゼラン残党も地質調査で音出しまくり。

 こっちに気づかないでやんの!

 できた薬をドローンに充填して待機。

 農業ならすぐ使わないとダメになっちゃうところだ。

 だけどこの展着剤なら半日は置いても大丈夫らしい。

 イナゴ皆殺しドローンをスタンバイが終わったら潜入。

 闇夜から襲撃よ~。

 暗視ゴーグルつけて敵キャンプというか村に潜入する。

 敵は、おそらくマゼランの残党。

 オーゼン連合のスパイやってた連中だと思う。

 武器は旧式。

 現在の最新兵器がちょくちょく変わりすぎという批判は甘んじて受ける。

 原因のほとんどを作ってるのは俺らである。

 まずは孤立してた兵士……動きが素人だな……。

 二人組すら守ってねえのバカじゃねえの。

 ツーマンセル重要。

 まあいいや、捕獲。

 絞め技で意識を落として縛って草むらに放置。

 そしたら巡回する兵をサクサク潰していく。

 照明を守ってる兵士を締め落として。

 なんか静かだなと確認しに来た兵士も締め落とす。

 ここで指揮官が異常に気がつくのでキャンプの電源を落とす。

 真っ暗な中、戦闘員をボコボコにしていく。

 ここでようやく武器を持った殺意の高い連中が出ようとするがもう遅い。

 麻酔ガス入りのグレネードを指令部に放り込む。

 数人があわてて逃げたのでケビンに連絡。


「成敗!」


 自爆ドローンで車両ごと爆破。

 それを合図に地元民さんのご登場。


「村を取り戻すぞ!」


「わおーん!」


 作業員は残してある。

 ボコボコにしてね。

 あとで聞き取りするから殺すなよ~。

 そして俺はもう一人、最後に残してた男の元へ行く。

 その男は豪華そうなテントの中にいた。


「マゼラン代官鬼畜生の介、貴様の所業このレオ宗が天に変わって成敗いたす」


 名前は適当。

 おっさんはパニックに陥っていた。

 ノリが悪いな。


「う、うわあああああああああああああああッ!」


 ビーム式の拳銃を抜いた。

 はーい、大逆罪な。

 撃ってきたのでホイっと避ける。

 当たりませんよ~だ。


「あ、当たらない!」


 そりゃねー。

 銃口からどこ狙ってるかわかるし。

 あ、ほい。ほい。ほいさっさ。

 避けまくって目の前に立つ。

 ていッ!

 拳銃を握ってる手に手刀を落とす。

 なんか拳銃ごと手首が変な方向に曲がったけど見なかったことにする。


「手が! 手がアアアアアアア! 指がああああああああ!」


「うるさい!」


 レオくんパンチ。

 ゴロゴロ転がってテントの外に出る。

 追い打ちで蹴ろうかなって思ったら住民の皆様が来た。


「成敗!」


「わおーん!」


 こうして現地人をいじめた悪者は滅んだのである。

 現地人がバカどもをボコボコにする音をBGMにテントでケビンと一緒に救助を待つ。


「ボクね、今回の件で痛感したよ」


 ケビンがなにか言いたいようだ。


「なによ?」


「レオは誰かが止めないとって」


 なんということだろうか。

 俺はこんなにも正義の味方してるのに。

 すると現地民が俺に声をかける。


「王様。火アブリシタイ」


「ちょっと殺すなっての。ほらー、ダーツの的までにしときなさい!」


「ちょ、あんた。クロノスの王様だろ! いいのか、こんな非人道的な扱いして!?」


「知らねえよ、ぶぁーか!」


「言うから! ちゃんと言うから! 全部言うからぁ!」


「もーしかたないにゃー。はーい、オシオキ終了。あ、嘘ついたら火あぶりね」


「オーゼン連合だ。オーゼン連合がイナゴで国を取り戻せって!」


「はい、火あぶりね」


「ちょっとぉ~、レオ殺しちゃだめだよ」


 しかたないにゃー。

 こうして一件落着するのだった。

 って思うじゃん。

 ……レイブンくんにかなり真面目にお説教された。

 カナシイ。

https://blog.over-lap.co.jp/shoei_2511/


羅刹の銀河12月25日発売です!

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― 新着の感想 ―
なんか昔映画でなかったっけ? バンパイアでコマ落としのように早く動くヤツ。 目の前にいるのに拳銃を避けるわ、手刀で手首折るわ、パンチで建物の外まで弾き飛ばすわ、レオはもはや出会ったら終わりの怪異(物理…
なぜか暴れん坊◯軍のじゃなくてド◯フのBGMが脳内で再生されるんだが?
書籍楽しみ
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