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第五百十四話

 ニーナさんの焼いてくれたピザを食べる。

 うどんも食べる。コシ強め。

 明らかな炭水化物過多。

 だが日系人の心にしみる。

 次は実家のカミシロ式トルティーヤも焼くか。

 肉があまり手に入らんから具が大豆のやつ。

 あと嫁ちゃんから支給されたパンも。

 そうそう、嫁ちゃんの銀河帝国式パンの人気が爆発した。

 鬼神国、ラターニア、太極国でお店を増やしまくってる。

 ミラノ風サンド……茶色ければミラノ風らしい……はとても美味しいよ。

 ニーナさんのピザはマルゲリータにボロネーゼに……パイナップルオンザピザ。……いわゆるハワイアンピザ。

 待て、また物議が起こりそうな物体を!

 予想どおりパイナップルあり派となし派が醜い争いを繰り広げる。

 なお俺は『うまければなんでもいい派』。


「てめえこら! パイナップルはピザへの冒涜だろ!」


「うるせええええええええええええ! なんにでもピーナッツバターかけるてめえらに言われたくねえ!」


「そうだよ! ピザは薄い生地が最高ってお父様も言ってたし!」


「あんた! 分厚い生地こそ思考でしょ!」


 俺はバカどもを横目で見ながらハワイアンもぐもぐ。

 うみゃい。

 そろそろ来るな。

 すると笑顔のニーナさんがやってくる。


「嫌なら食うな。ガタガタ言うなら作らねえぞ!」


 はい一喝。


「あ、はい! ニーナさんの料理最高ッス!」


 団女子関係なく黙って食い始める。

 バカどもめ!

 ニーナさんに逆らえる生き物が存在するわけがないだろう!

 ……たぶん次点はクレア様。

 そもそもだ。

 おしゃれな洋食はニーナさんしか作れない。

 俺もケビンもニーナさんのクオリティには届かない。

 ニーナさんがヘソ曲げたら反乱が起きるだろう。

 そしてこの空気は俺が耐えられない。


「なあみんな、蕎麦収穫できたらなに作る?」


 俺は漆黒の汁の江戸蕎麦。

 十割……は難しいから八割で。


「ご隠居かお前は……」


 男子がツッコミを入れる中、クレアの目が光った。


「へぎ蕎麦……食べたい」


「作るの難しいやつ来た!」


 へぎ蕎麦とは海藻の布海苔をまぜた蕎麦である。

 なお雪国出身のエディも食いたいって顔してる。


「さすがに麺のレシピわからねえべ……」


 二人がしゅんとした。

 いや無理だから……。さすがに無理だから!


「実家から送ってもらう……」


 ですよねー。

 なんて話をしてたのが昨日。

 今日は久しぶりに嫁ちゃんとイラコラ。

 クロノスの家で嫁ちゃんと夫婦の時間である。

 デートに行け?

 はっはっは!

 まだ遊ぶところがない。

 カウントワンツースリーも宮殿側に一号店が来月開業予定だし。

 オーゼン連合も大人しいし、今日くらいは大丈夫だろう。

 っていうかさー、ゼン神族くんさー。

 いちいち人に罪なすり付けてくの。

 最高に卑怯じゃないかな?

 俺怒っちゃうよ?

 そんな話を嫁ちゃんとする。

 夫婦の部屋でしかできない会話ってあるもんね。

 二人とも国の偉い人なのが異常なだけで。


「クレアはどうした?」


「もう、アタイの前で別の女の話ぃ?」


 嫁ちゃんにチョップされた。

 ナイスツッコミ!


「クレアは白いご飯目当てにがんばってます。クレア様万歳!」


「落ち着け!」


 だって太極国の米はなんか違うんだもん!

 ラターニアのは茹でるやつだし。

 ラターニアとの通商交渉で「そんなに美味しいのですか?」と聞かれたので戦艦のを分けたら「ぜひ売ってください」と前のめりに言われた。炊飯器込みでね。

 すでにシーユンもうちらの米の虜だし。

 いや正確に言おう、うちらの米もあんまり美味しくない。

 軍の米は一番安いやつだ。

 精米機と炊飯器によるテクノロジーの力で美味しいが……やはりブランド米とは違う。

 そう伊達政宗turboRや今川義元マーティーなどのブランド米が食べたい。

 我らの命運はクレア様にかかっているのだ。

 コケたら反乱フラグだと思うのよ。


「クレアが統治するなら大丈夫か。わかった。妾の方でもクレアをマゼラン総督……そうじゃな。公爵に任命しよう」


 はい公爵が出た。

 クロノス公国での地位まで入れるとみんな偉くなっちゃったな。


「どいつもこいつも出世したくないとのたまいおって。偉くさせるのに一苦労なのじゃ」


「だって俺自体が偉くなりたくなかったし。それにさー、植民地とか人聞き悪いしさー」


「まあな。結果的に侵略したのと同じじゃからな……クロノスはまだいいが……マゼランは本当に意味わからんからな」


 喧嘩売ってきて勝手に滅びた。

 当たり屋と変わらない。

 なのに内務省に怒られるのは俺たち!

 俺たちだってわからんのに……。


「問題はオーゼン連合じゃな。屍食鬼が言ってたメインランドがオーゼンならば滅ぼせば終わりじゃな」


「まーた物騒な。なるべく話し合いで解決したいな~」


 そう話し合いで解決したかった。

 だけどさー。

 夫婦の時間をすごす我々に連絡が来た。

 クロノス外務省から通信が来た。

 嫌な予感しかしない。

 嫌そうな顔で通信に応じる。


「レオ陛下。オーゼン連合が会談を申し込んできました。それと銀河帝国ヴェロニカ皇帝陛下との会談の仲介も要請してます」


「わかった。嫁ちゃんもいいでしょ」


「ああ。なんの問題もない」


 こうして我々は会談前の調整をするのだった。

 その夜。

 急かされて会談スタート。

 相手はいままで何度も会談を申し込んでも出てこなかったオーゼンの外務大臣。

 外務大臣は古代人だった。

 ふーん、古代人じゃなくてゼン神族か。

 でもゼン神族の国は別にあったはず。

 つまりオーゼン連合はゼン神族の植民地ってわけね。

 嫌な話だね。


「我がオーゼン連合はマゼランへの侵略に抗議します」


「要件はそれだけですか?」


 だってオーゼン連合の外務省から何度も言われてることだし。

 なにを今さらって話である。


「我が友好国である。マゼランへの仕打ちを許してはおけない」


「すでにマゼランと友好国という関係ではなかったことはわかってます」


 大統領は死んじゃってもう話を聞けない。

 だけど外務省の記録からマゼランはクロノスべったりで友好国という関係ではなかったことがわかってる。


「いや……だが……」


「マゼランの件はメインランドと関係ありますか?」


 すると外務大臣の顔が歪んだ。


(さえず)るな小僧! この呪われた血が!」


 そっちが本性か。

 嫁ちゃんが冷たく笑った。


「我が夫に呪われた血とは。いいだろう。戦おうではないか!」


 ここまで予定どおり。

 オーゼンの出方次第とは思ってたけど、ここまで露骨に敵対してくるとはね~。

https://blog.over-lap.co.jp/shoei_2511/


羅刹の銀河12月25日発売です!

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― 新着の感想 ―
偉くなっちゃったんだし、蕎麦職人さん呼べば良いんじゃね?
呪われたアメザリの血を引く侵略的外来種、その名はカワゴン!
こんな交渉能力のこの字も持たない奴が外交担当www これまでゼン神族の外交と言うのが外交(笑)だった事がよく分かるな。超上から目線の命令とかそんな程度なんだったんだろうね
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