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第五百十三話

 もう意味がわからないが、マゼランが勝手に滅んで全土がクロノスの子になった。

 とは言っても併合するとまたマゼランが余計なことばかりしそうな気がする。

 なのでしばらくは移行期間を設ける。

 しばらく……つまり永遠に移行期間でもいいのだ。

 具体的には教育が終わるまで!


 嘘つくな!

 話し合いしろ!

 法律守れ!


 これを厳守させる。

 まずは詐欺と脅迫の罪を重くする。

 そして農業と工業の国にする。

 まずはクレア様による明るい独裁体制を敷く。

 ……いいか、クレアには『様』つける。

 工業は軍と直結。

 生き残ったタックスイーターの資本家には地獄を見てもらう。

 オーゼンとの戦いはすぐそこだし。

 後悔してももう遅い。

 そもそもクロノスの子になる必要はなかったのよ。

 喧嘩さえ売ってこなきゃ援助するつもりだったのに。

 アホみたいな理論ばかり唱えてたアカデミアも閉店してもらう。

 電気、土木、農業、通信!

 まずはこれらに注力する。

 インフラ整備と管理体制だけは殴ってでも叩き込む。

 まずはゴミ出しと肥料作りから!

 はっきり言おう!

 てめえらを植民地にしても奪うものなんてねえからな!

 まずクレア様は笑顔で反体制派……議論できる方じゃなくてただ引っかき回したいだけの連中を逮捕。

 開拓地送りにした。

 共産主義などの思想が気に入らなかったわけじゃない。

 とりあえず政権を倒して自分に都合の良い政府が出現するのを待つという……革命ガチャを回したいだけの勢力だからだ。

 非効率すぎるだろ!

 いや昔からどこの国でもいるんだけどさ!

 そういう連中は非常時には邪魔でしかないのだ。

 欠員の出た惑星での市長選への妨害を口実にさせてもらった。

 お前らは現在のマゼランで一番いらない勢力だ。

 開拓地で人生やり直しておいで。

 クレア様はもう恐ろしい勢いで増産していった。

 田んぼを作り米を増産していく。

 そう……クレア様の真意を我らは読み違えていたのだ。

 クレア様は見た感じから図書委員か委員長系日系人。

 実の親はわからないらしいが、どう見ても日系人の特徴が出てる。

 好きなものは和食。

 そう……クレア様の欲するもの。

 それはお米様だったのだ。

 もうクレア様は餃子と麺類は飽きていたのだ。

 あるのは戦艦内で生産している少量の米。

 それと太極国から輸入してるなんか違う陸稲。ボソボソ。

 荒野の惑星出身の俺には理解しきれないストレスがたまっていたのだろう。

 だって惑星カミシロの主食はイモとトウモロコシだもん。米は高級品。

 毎日タコスかイモだしね。

 クレア様の御意思を完全に理解できるはずがない。

 そこに米が主食の文化がクロノスの子になってしまった。

 その重みを我らは理解していなかった。

 クレア様は暴走した。田んぼを増産しまくる。

 前のゴミ収集どころの騒ぎではない。

 米本位制に金融政策を変更しかねない勢いで米を作りはじめた。

 銀河帝国から直輸入した品種を銀河帝国風の栽培方法で育てる。

 畑も恐ろしい勢いで整備する。

 畜産はラターニアや太極国から家畜を仕入れた。


「タマゴ……タマゴハ……ダイジ」


 空腹で人をやめたクレア様を見るたびに少し心が痛んだ。

 ちょっと我慢させすぎたようだ。

 あと蕎麦の実などの雑穀も増産。

 家畜の餌かなと思ったら蕎麦ガチ勢のようである。


「マゼランノ蕎麦……違ウ……」


 あ、うん。了解ッス。

 逆に日系名家出身のメリッサは「小麦粉でいいじゃん。それよりウドン作ってよ。あとピザ」と余裕である。

 ……工業惑星は別に存在しててよかった。そう俺は思うのだった。

 うどんは汁でもめるのでピザ作り。

 生地を作ろうとしたらニーナさんに腕をつかまれた。


「レオくん……それじゃだめ」


 配合からやり直し、というか洋食ガチ勢のニーナさんにピザ作りを取り上げられた。

 なのでウドン作り。

 汁でもめるよな。絶対もめるよな……。


「味噌味! つうかトロトロに溶けたほうとうよこせ!」


 中島が暴走した。

 だから嫌なんだよ!

 俺がビニールに入れた生地を踏んでるとあちこちで喧嘩が発生した。


「醤油で黒くなった汁こそ至上!」


「透明汁しか認めぬ!」


 本当に殴り合いだ。


「今回は透明汁な!」


 汁を作る。

 なお惑星カミシロは武蔵野うどん、それもキノコではなく肉汁うどんの地域だ。

 高級品で滅多に食べられない。

 俺だって我慢してる側よ!

 ああ……醤油びちゃびちゃのうどん汁……しゅき。食べたい。

 ケビンが天ぷらを作ってくれる。

 カボチャにイモに川海老のかき揚げに……。

 クロノスで手に入るものだけな~。

 あとワカメとおネギ~。

 ウドンを出すとやはり争いが起きる。


「醤油で黒くなった汁を寄こせ!」


「うるせえええええええええ! 俺もそちら派なんじゃあああああああああ!」


 イモ天美味しい。

 お蕎麦も食べたいな~。

 後はカレーか……。

 出汁を入れた和風カレー。

 あとカツ丼。

 まだ作れないもの多いな。

 久しぶりの和食に蛮族どもの食欲が暴走した。

 レイブンくんですら人間やめてる。

 中島は「ほうとう食べたいよ~」と泣いてる。

 うるさい。俺も武蔵野うどん我慢してるのだ!

 すると帝都出身勢がなにやら騒ぎ出す。


「佃煮と白いご飯食べたい……」


 ここでもか……。

 佃煮ガチ勢か……。

 海苔の佃煮……ここじゃ高級品だもんな。


「俺たちはクレア様に忠誠を捧げる!」


 あ、やべ。

 俺がクーデター起こされそう。


「白飯をよこせー!」


「うどんで我慢しなさい!」


 ところがクレアが一喝する。


「米も蕎麦もすでに生産中。ふふふ、白いご飯」


 米……それは日系の魂。

 いつも俺たちは……食い物とかくだらない理由で崩壊しかかるのなんで?

 本当の危機は協力して乗りこえるのに。

 このようにクレア様は我らの上位者として君臨するのだった。

 逆らったらお米様の供給がなくなってしまう!

 クレア様だけは守れ!

 こうしてマゼランは「いらないんだけど個人的には重要な地域」という扱いが難しい立ち位置になったのである。

 海苔も取れるし。

 意味わからんわ!

 なお嫁ちゃんはパン派である。

 だから一言。


「ラターニアで作らせたパンは美味しいぞ」


 嫁ちゃんは惣菜パンのお店を増殖させてるようである。

https://blog.over-lap.co.jp/shoei_2511/

羅刹の銀河12月25日発売です!

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― 新着の感想 ―
銀シャリはいいよね(笑)
これが宇宙きのこたけのこ戦争の始まりであった、まる。
シベリア送りは後で色々言われそう レオとクレアちゃ…クレア様がされることですから酷いことにはならないでしょうがハイ
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