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第四百七十五話

 大佐のメッセージに困惑中のワイ氏。

 まず俺たちは人型戦闘機で降下。

 タチアナを護る。

 タチアナは結界を設置。

 これで安全圏確保と。

 屍食鬼ぃッ! お前なんて怖くねえぞ!

 そしたら組み立て式の小屋を設置。

 おそらくなにかの建物があった土地だ。

 持ち主がわかり次第、借地料払おうと思う。

 ……なんでくそ真面目に借地料払うかって?

 百年先までもめるからだ。

 地主はすげえぞ。

 やつら百年戦えるからな。

 ホログラム看板を設置。

 【銀河帝国本部】と表示される。

 こういう建築技術ってゾーク戦争で格段に進歩したよね。

 人型戦闘機使えば一時間かからないで設置できるもん。

 サクサク設置して小屋で着替え。

 女子陣も小屋で着替え。

 まだ上層部が生存してるかすらわからないから戦闘服。

 ただし地上作戦用。少し軽い。


「……なんでリコちフルアーマー?」


「レオくんの護衛ですので?」


 リコちの婚期がまた先になった気がする。

 女性だっていう情報出したのにいまやモデルはグラサンマッチョだ。

 誰もが声の野太いグラサンマッチョと信じてる。

 まあいいか!

 そういうこともあるさ。うん。

 嫁ちゃんは戦艦で待機。

 鬼神国とラターニア、それに太極国の精鋭部隊がタチアナを守ってる。

 我が銀河帝国も精鋭部隊【イソノと愉快な仲間たち】をタチアナの護衛に置く。

 メンバーは、士官学校野球部を中心とする体育会系で構成されている。

 強い。バカだけど。話聞かないし。

 こいつら任務ではクソ有能なんだよな……。なぜだ?

 まずは輸送車をラターニア銀行支店各店舗に向かわせる。

 太極国の教訓から、ここの地下は拡張されてシェルターになっている。

 確実に避難民がいるはずだ。

 それをしながら救助者の捜索。

 今回は俺も人型重機で久しぶりに現場仕事を……。


「座ってろ」


 エディに小屋に叩き込まれ折りたたみ椅子に座らされた。

 椅子の前にある折りたたみの長テーブルには【大公閣下】という紙が貼ってあった。

 俺の隣は【上級侯爵閣下】のエディである。

 俺の後ろにはカミシロ騎士団とアンハイム騎士団が俺たちを護衛してる。

 ……逃げ出さないように監視してる。


「レイブンくん、キミらも椅子に座ったら……」


 折りたたみ椅子を出そうとしたら両脇を騎士団につかまれる。

 捕獲された宇宙人状態である。


「今回は後方にいてください。いいですね!」


「にゃー」


 准将つらい。

 しかたないのでカミシロ騎士団が持ってきてくれたボトルのお茶を飲む。

 うーん、セルバンテスのプライベートブランド味。

 茶葉はどこの使ってるんだろう?


【惑星カミシロ産】


 俺はなにも見なかった。

 そうか、実家……お茶の生産に踏み切ったか。

 普通の農業できない土地が結構あったんだよね。

 おそらくそこで作っているのだろう。

 俺が士官学校入る前も作ってたんだけど増産したようだ。

 首都近くの近郊農家だしウハウハだろう。

 うちの兄貴……やっぱりさ、おかしいくらい優秀じゃね?

 なんか知らんうちにドラマの撮影誘致してるし。

 帝都近くの惑星なのに中途半端な田舎なのがいいんだって。

 末松さんはテントやらみんなへのお茶出しとかを率先してやってる。

 バックエンド全てこなすタイプの騎士団長……有能すぎる……。

 末松さん……恐ろしい子。

 これ本気で言うんだけど、末松さんと戦場で戦ったら解析不能な要因で負けるような気がする。

 なんで負けたか全くわからない感じで……。やだ怖い!

 前の領主も理解できないけど怖いから騎士団長に置いたんだと思う。

 今ならわかる。

 そういう意味じゃ前の領主ってすげえ優秀だったのかも。

 座ってたらクレアが報告に来た。


「ラターニア銀行クロノス本店で市民を救助しました。現在医療処置をしてます。病院施設の建設許可お願いします」


「おつかれー。ほい許可」


 いや市民全滅の可能性があったからあとで許可なのよね。

 準備はしてたけどね。

 輸送機が来て資材を運び出す。

 こっちも組み立て式。

 軽傷者用のテント並べて設置完了。

 俺は本部で椅子に座って「餃子食べたいな~」とか考えてる。

 惣菜屋に売ってる揚げ餃子が食べたい。

 だが、いきなり揚げ餃子作ろうとすると焼き餃子原理主義者どもが普通の作れとうるさい。

 焼き餃子大量に作って二日目のつけ合わせにするしかない。

 そういや春雨あったっけ?

 春雨のサラダ食べたいな。

 メモメモ。

 俺のメモは7割は食べ物のことだ。


「なあエディ、ラーメン何味がいい?」


「ハラ減ったのか?」


「いやな、飯ついでに炊き出しやろうと思うんだけどどうしようかなと」


「クロノス料理じゃね?」


 正論だった。

 クロノス料理か……うむ。


「妖精さん! クロノス料理のレシピ教えて!」


「うい~むしゅー。セルバンテスのデータにあるはずですよ~。調べますね~」


「えーっとこっちだと餃子に相当するものが多いですね。具は芋に魚に卵に……」


 俺は笑顔になる。

 揚げ餃子作ろうっと。


「レオ……お前……ここでも作る気か」


「だって暇なんだもん!」


 足バタバタ。

 もう申請書類書いちゃったから、あとは報告書書くだけだし。

 費用の報告書とか物資とかは承認するだけだし。


「リコちはなに食べたい?」


 憲兵隊と共に俺を守るリコちに話題を振る。


「焼きそば」


「了解ッス。ソースでいい?」


「目玉焼き乗っけて」


「うーっす」


 リコちは親指を立てた。

 フルアーマー時のリコちはたいへん男前である。

 俺もこうなりたいものである。

 今度はケビンから連絡が来る。


「ドローンが市民発見しました! 使われてない古い下水道です!」


「すぐ現場に向かわせる! 大佐、古い下水道で市民を発見! 地図ください!」


「大公閣下、今送らせます」


 下水道か……たいへんだな……。

 なんて思ってると太極国から報告があった。


「議会跡で多数の遺体を発見! 個人の特定は難しいです!」


 高確率で大統領は官邸と運営をともにしたのだろう。

 あちゃー……こりゃまずいぞ。

 次の責任者がわからない。


「副大統領は!?」


「遺体発見! 照合できました!」


 あー、クソ!


「議会議長!」


「本人と思われる遺体を発見。遺体の損傷が激しく鑑定待ちです!」


 うぎゃー!


「閣僚は!?」


「わかりません!」


 この辺から権力の継承順位がわからなくなる。


「最高裁判事は!?」


「現在捜索中です!」


「軍は! 国軍長官は!?」


「遺体発見!」


 どわあああああああああああああああ!

 どうすんのこれぇ!?

 大佐の言ってたことがようやくわかってきた。

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― 新着の感想 ―
ちょっと調べたけどアメリカ軍だとギリギリ軍の残存戦力が作戦行動扱いで動けるようなってるのがまあすごいわ
ほーん……無能はさっさと逃げて生き残るけど、有能なトップ陣は不退転で残り続けた結果全滅……ケースバイケースだけど、どっちが正しいか分からんくなるなぁ
中国だと水餃子が本道らしい。 揚げ餃子や焼き餃子は元々残り物処理だったとか。 大陸に遠征していた日本軍が、敗戦で引き揚げた時にそのレシピを持ち帰り、店でだしたり、家庭内で作ったりしたことで日本国内に浸…
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