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【書籍化決定】羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~  作者: 藤原ゴンザレス


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第三百二十一話

 プローンはまずは鬼神国に宣戦布告。

 ぶ厚い宣戦布告書が送られてきた。

 ただの人食い生物なのに作法に縛られてるのは宗教国家だからだろうか?

 ほぼ同じくして我が帝国にもバトルドーム経由で宣戦布告書が送られてくる。

 まずはプローン教からの破門書。

 そもそも入信した記憶なし。

 バカなのかな?

 次にプローン教の教えにどう反してるかの書類。

 生まれ出でて生きてること自体が罪。

 はいはい、どこかで見た文言だ。

 原罪はプローンに食べられることで赦されると。

 あー、はいはい。(鼻ほじ)

 原罪を償う義務を忘れたから破門と。

 族滅せねばならないと。

 お前らの肉なんか食ってやらねえぞと。

 あー、うん、はい。死ね。


「バカなのかのう?」


 嫁ちゃんが困ってる。


「ゾークより話が通じないよね……」


「うむ、これ翻訳版を一般公開しようと思うのじゃがどう思う」


「天才!」


 ということで晒し上げてやった。

 悪意ですがなにか?

 バトルドームも面白がって晒し上げ。

 バトルドームのネット放送のPVはかつてないほどの数字になった。

 さらに細かいところからツッコミ入れていく番組を製作。

「あいつら邪悪じゃね?」ってのを言語化していく。

 そのせいか銀河帝国との同盟打診が相次いだ。

 今日もこの銀河で低位の国の大使と面談する。

 なお外交であるが、帝国から呼び出された文官が中心である。

 それと同時に野球部にサッカー部に空手部に柔道部に……と体育会のメンバーから選抜した連中を外交員として働かせる。

 プロレス研究会もな!!!

 スポーツで外交ってのも、もちろんある。

 だがそれだけじゃない。

 彼らは体力お化けだからだ!

 ノウハウが不足してるのを体力と気合で乗り切ってもらう。

 で、外交の総責任者はなぜか俺。

 外務大臣級は外務大臣でもないのに俺が出るはめになってる。

 なんで!?

 サリア大王とズッ友だからぁ!?

 ……あ、はい。

 今日もいろんな国の大臣とバトルドームで会談する。

 会談相手はオオカミ獣人国の大臣。

 低位の中では上位ランクの国らしい。

 かつては中位勢だったらしい。

 残念ながら美味だったらしくプローンの侵攻で低位に陥落。

 プローンへの恨みは深い。

 オオカミ獣人国の外務大臣はどこか武士っぽい。

 人間よりも獣に近い容姿だ。


「大公閣下……」


 なぜアイドルを見るような熱い視線を注がれているのだろうか?


「大公閣下の戦いを見せていただきました。拙者……誠に感動しました!!!」


「は、はあ」


「プローンの破門状の公開、まさに策士!!!」


 なんかやけにほめてくるな。

 ほめまくって有利な条件勝ち取ろうとしてるのかな?


「我が国もなめくじどもに深い……深い恨みがございます。私も娘をやつらに食われ……戦争の際にはぜひお声がけを!」


 目がガンギマってた。

 正直、タマヒュンした。

 なめくじ……どれだけ恨まれてるのかな?


「感謝いたします」


 握手。

 なんかさー、普通さー、外交ってもっと難しいものってイメージあったんだけど。

 プローンどもが嫌われすぎてて今のところイージーなんだよね。

 プローンのスパイって線もなさそうだし。

 外務官僚が事前に協議した条約に署名する。

 写真を撮ってバトルドームで会談の成果を報道してもらう。

 そしたら今度は亀の人たちと会談。

 爬虫類から進化したんだって。

 こっちも美味しかったらしくてプローンに絶滅寸前まで追い込まれたとのことである。

 こっちも覚悟ガンギマリ。

 またもやタマヒュン。

 今までプローンと戦う力がなかっただけのようだ。

 サリア就任前の鬼神国は弱者に冷たかったため連携することもできず放置。

 ところが俺たちによって刑事ドラマや時代劇、特撮やアニメで洗脳した結果、世論は「弱者を弾圧する悪いやつらは生かしておけねえ!」って空気に変わった。

 帝国は自前で持ってるコンテンツの恐ろしさを自覚したのである。

 サリア公認だから文句も出なかったけど。

 歴代の大王はプローン潰したかったんだけど、国内世論をまとめられずに動けなかったんだって。

 代替措置として作られたのが通商連盟であるバトルドームだそうだ。

 亀の人たちとも条約を結んで記念撮影。

 他の種族とも次々会っていく。

 どの種族もプローンにバチキレしてた。

 そりゃ家族食われたら一生かけて復讐するよね。

 帝国の出現でそれが夢じゃなくなったのだ。

 結局、こうやって調子にのった国家は衰退していくのね。

 こうしてプローン包囲網ができてきたのである。

 歴史的には包囲網作った方が負ける感あるけど、それは勝ったから歴史に残ってるだけだからね!

 包囲網作った方が強いんだからね!

 信長が化け物すぎたんよ……。

 ところで俺、なんで外交やってるんだろ?

 俺はパイロットが本業だと思うのよ。

 帰って嫁ちゃんに聞いてみた。


「だって婿殿、誰とでも仲良くなるではないか」


「自分ではわりと人間苦手な陰キャのイメージなのですが?」


「人外レベルの人たらしで陽キャだと思うぞ」


 そうなのか?

 そうなのか?

 うーん……わからん!


「それに大公で実質帝国のNO2なのだから問題ないじゃろ」


 大公が学生なのが問題なのだと思うのよ。

 その言葉は言っても意味がないのはわかってた。

 だってゾーク戦争で官僚が死にまくったのだ。

 学生で補うしかない。

 院生なんて経験者扱いでもう外務省の管理職の仕事させられてるもん。

 権力の一派閥への集中は良くないんだけど、カミシロ一門しか人材がいない状態なのよね……。悲しいことに。

 でももう覚悟決めるしかない。

 多少ヘタクソでもプローンやゾークよりはマシな外交してる。

 サリアの手も借りながらここで踏ん張るしかない。

 オラオラ! 各国の大臣かかってこいやー!!!

 はーい! プローンぶち殺す子こっちにおいで~!

 そしてプローンも戦争準備を進めていた。

 屍食鬼や海賊どもと手を組み、人間の調理方法を模索していた。

 彼らは傲慢すぎたのである。

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― 新着の感想 ―
プローンどもに塩掛けたら倒せないかしら
何も知らない外部から見ると とても優秀に見える
海賊よく喰われてないっすね つまみ食いとかは?((ヾ(・ω・`)
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