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【書籍化決定】羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~  作者: 藤原ゴンザレス


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第三百十五話

 宮殿が燃えている。


「ま、まあ……代替わりの時にはよくあることですから」


 αオスになったサリアが引きつった笑顔を作った。


「おうち燃えてるね」


「言い方!!! だいたいね! 私はバトルドームの男子寮に住んでるんですよ。あんなデカい家いりませんっての!」


 怒るサリアの隣にいた大王がガハハと笑う。


「息子よ! もっと器の大きい男になれ!」


「私はコンパクトに生きたいんです!!!」


 サリアへの親近感が止まらない。

 俺もコンパクトに生きたい派である。

 帝国に帰っても宮殿じゃなくてマンションに住みたい。

 なるべく物がない空間で過ごしたい。

 それを周りが許すわけないけど。


「はっはっは! コンパクトにか! 器の小さいことをいうではない! いいじゃないか。宮殿が焼けても! さらに大きく作り直せばいい!」


「だからいらねえってつってんだろ!!!」


 サリアパパとの話は平行線であった。


「ところで息子よ」


「さらなる嫌な予感しかしませんがなにか?」


「後宮はどうする?」


「……レオさん、亡命させてもらってもいいですか?」


「だが断る! 俺もハーレムに悩む漢だ! 相談にだけは乗ってやる!!!」


「……挑戦者なんです」


「は?」


「嫁候補は一人残さず私を倒そうとする武芸者なんです!!!」


 俺はサリアの肩に手を置いた。


「あきらめろ」


「うぜえええええええええええッ!!! その顔やめてください!!!」


「だってなにもできないし~。そっちの風習なんでしょ?」


 すると大王が笑った。


「なあに、絶対的な力があればいい! さすれば真の愛を得ることができるだろう!!!」


「愛を手に入れる前に死ぬ未来しか見えないから文句言ってるんです!!!」


 どうやら鬼神国は恋愛すらバトルのようである。


「レオさんみたいに圧倒的力でねじ伏せないといけないんですよ」


「うん? ちょっと待って……それって……シャルのことぉ!?」


「そうに決まってるでしょ!!! 鬼神国の女の子があんなベタ惚れなんて……見たことないんですからね!」


「お、おう」


「ちゃんと責任取ってくださいね。じゃないと自害しちゃいますからね」


 重いわ!!!


「そういうのは先に言ってくれないかな?」


「そりゃレオさんが化け物じみた強さだって知る前ですし」


 ……なぜこうなった。

 さっきまで俺をあおってたサリアも無言になる。

 そうかすぐに俺と同じ立場になるのか。

 ざまぁ!!!

 心の底からざまぁ!!!


「プローンの話しましょう」


「だね……」


 サリアパパも無言になる。


「戦力差は?」


「プローンは単体で増えますので。それこそ数なら圧倒的に向こうが上です」


 ミステリークレイフィッシュみたいなものか。

 むしろプラナリアの方が近いのか?

 厄介だな。


「人型戦闘機の数は?」


「我らよりもだいぶ少ないです。向こうは開発できませんので買ったものだけですね。ただ戦艦やその他はそれなりにそろってるはずです」


 なるほどねー。

 これから全面戦争だし気合入れるしかないか。


「気合入れて行きますか」


 でさでさ、夜。

 いつもの食堂。

 ここで俺はメリッサに切り出したんだ。


「おっぱいもませてください!!!」


「いいよ」


 おっと。

 まさかの肯定。

 これにはみんなが焦る焦る。


「待てメリッサ! はやまるな!!! バカはなにも考えてない!!!」


 イソノが妨害に走る。

 ホントこの野郎!!!


「えー、いいじゃん、胸くらい。嫁になるんだし」


 だがこの時、中島は賛同しなかった。

 だって中島……。

 プローン相手に奮闘してたのが中継されて、鬼神族の女性から決闘申し込みが殺到したのよ。

 そのせいで自信を持ってしまった。


「ふ、胸くらいで大げさな。この腐れ童貞野郎め!」


「あ、てめえ! 裏切ったな!!!」


 なおイソノはあの酷い試合で人気が急下降。

 艦の女子にまで距離を取られてヒソヒソ話されるとこまできた。

 なお婚約者からは「あとでシバく」とお叱りを受けたようである。

 完全に尻に敷かれてる。

 中島もエディと同じように女子に許された模様である。


「イソノ……戦士には愛が必要なのさ」


「うぜえええええええええええええええッ!!! 俺何も悪くねえだろ!!!」


 もうちょっと相手を尊重するとかさー。

 そういうのが重要なんだぞ。

 俺が慈愛に満ちた表情をしてるとワンオーワンたちが来た。


「少佐! かまってほしいであります!!!」


「はい元気! ほめちゃう!!!」


 チョコをあげる。

 なお相棒のタチアナにシャルもいる。

 仲良くなったようだ。

 タチアナとシャルにもチョコを渡す。


「どうよシャル。ここに慣れた?」


「ええ。二人が仲良くしてくれるので」


「一応言っておくけど……ワンオーワンは現在のゾーククイーンだし、タチアナは俺と同じジェスターだからね。喧嘩売っちゃダメよ。その二人、この艦でも最強クラスだからね」


「友人にそんなことしません」


「それならよかった」


 鬼神族は女の子どうしは仲いいのね。

 なるほど。


「すでにワンオーワンの執事殿にボロ負けしてますので……」


「あー、あのおっさん強いよね……」


 この世界は少年少女が活躍するヒロイックスペースオペラなんだけど、おっさんの戦闘力が異常に高い。

 そういうところが現実寄りなのである。

 俺も執事と戦いたくねえわ。


「あれ? そしたらタチアナは?」


 そう言うとシャルは遠い目をした。


「閃光グレネードからの手斧って反則だと思いませんか?」


「タチアナはあれでもたたき上げの兵だからな」


 タチアナは俺たちといて生き残ってるのだ。

 そりゃパラメーターはクリアレベルだわ。

 剣では勝てても総合力はタチアナの方が上だよね……。


「パーソナルシールド張って突撃してくるとか度胸ありすぎるでしょ!」


 ヒューマさん仕込みの戦術である。

 帝国下士官の恐ろしさはガチよ~!!!

 俺はシャルの肩を叩く。


「相手が悪かったんだ。ほら……俺たちずっと前線だったし」


「うううううう……手も足も出なかった……」


「がんば!」


 そしてシャルをなぐさめてたら気づいた。

 おっぱいもませてもらえる話……忘れてたって。

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― 新着の感想 ―
> αオスになったサリアが引きつった笑顔を作った。 うん?
自ら話をうやむやにしていくスタイルw
中島はイソノの抜けた穴を埋めるべく孤軍奮闘してたもんな 評価が変わるというかヘイトがイソノに集中したというか
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