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【書籍化決定】羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~  作者: 藤原ゴンザレス


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第二百三十九話

 さーて俺の懸念は一つである。

 ゾーク側のジェスター問題である。

 だって絶望を糧にしてって、要するにせっかく俺がこさえたギャグ時空を現実に引き戻しちゃう能力でしょ?

 そもそもゾークさんは数は多いわ、蟻とか蜂みたいな中央集権型の群れだわ、人権の概念ねえわ、命への執着ねえわで縛りプレイを強要される人類に勝てる見込みがない。

 そこに俺がメモリエディター的な反則技で介入してると。

 で、それを元の地獄みたいな世界に戻すのが敵と。

 ということは絶望させなきゃいいわけよ。

 つまり俺が前に出て戦ってるうちは損耗が最小限になるわけ。

 俺が死ななきゃって但し書きがつくけどね。

 さーて陣取りゲームは進行中だ。

 俺たちは浮遊台座で……冷静に考えたら一本だけじゃ効率悪いな。

 エディの部隊が使ってた台座に放置された銃を取る。

 で、俺のも取って両脇に軽機関銃を構える。

 二挺軽機関銃。一度やってみたかった。


「ぐははははは!!!」


「ば……バカだ……バカがやりやがった!!! この大事な戦闘中にバカがやりやがった!!!」


 仲間が俺を見てどん引きする。

 だが軽機関銃をぶっ放す俺を見てカニどもが押し寄せる。

 あれよ、戦国時代の派手な兜効果。

 現代戦じゃスナイプされるだけだけど、カニには効果あり。

 それに俺には野生の勘が! ある!

 俺が身をよじってムリヤリ方向転換するとカニの放ったプラズマキャノンがすぐ横を通っていく。


「あははははは!!! こっちだよ!!! オラオラ! 俺をつかまえてみやがれ!!!」


 花畑でキャッハウフフするかのように俺は華麗に舞う。

 俺はいい囮だったのだと思う。

 知性のないカニどもは他の兵など無視して俺に殺到する。

 そう、カニどもは陣取りゲームを無視して陣形が細く長くなっていった。


「ネットミサイル発射!!! メリッサ、レン! 援護して!!!」


「了解!」


 ケビンの指示でメリッサとレンが援護に入る。

 メリッサもレンも遠距離からライフルを撃った。

 メリッサ機はライフル装備してないので仲間から貸しもらってた。

 メリッサは俺たちの中じゃ射撃ヘタな方なんだけど、それでも軍全体から言えば上位なのである。

 レンもメリッサもカニを足止めしていく。


「ニーナちゃん! 準備は!?」


「できてるよー」


 え?

 なに?

 準備ってなに?

 俺聞いてないけど。

 ネットミサイルに先頭のカニが捕らわれた。

 先頭がつっかえることで、長くなったカニの行列の動きが止まった。


「モノポール砲発射するよ~」


 待てコラ。

 我、カニの目の前ぞ!!!

 波動砲的な皆殺し砲が嫁ちゃんの戦艦から発射された。

 俺は泣きながら逃げる。


「いすかんだあああああああああある!!!」


 もう必死だ。

 死ぬほど逃げた。

 デスブラスターもひでえ武器だけど、そんなもんじゃねえ。

 超希少物質を兵器転用してやがった!

 ビーム無効とかそんなもの無意味だ。

 だってアホ出力だもの。

 戦艦用の攻撃兵器どころか惑星破壊レベルの砲撃がカニを襲った。

(俺は全人生で最大級のリアルガチ本気で回避した)

 何やってくれてんのよ!

 もはや採算度外視。

 戦争経済なんぞガン無視レベルの一撃である。

【札束で殴るのが戦争じゃい!】と言わんばかりの暴挙だ。

 そう、敵の数の多さは向こうが上だ。

 敵の戦闘力も俺たちより上だ。

 だけど全体の物資生産量を考えたら俺たちの方が勝る。

 だって人間って生産技術特化の生き物だもの。

 二足歩行で作業用の手を持ってる時点でそういう生き物なのよ!

 カニにマネできるわけねえわな!

 カニは反射的にプラズマ砲を撃とうとした。

 そういう行動を取るようにプログラムされていたのかもしれない。

 そこに知性などなかった。

 カニは人間をベースに遺伝子を改造した生き物だと思うと気分が悪い。

 モノポール砲はカニを飲み込み、撃ち返したかにも次々爆発していく。

 その爆発が誘爆していき。

 激しい衝撃が起った。

 俺も衝撃で飛ばされたが何とか姿勢を維持した。

 宇宙空間でよかった!

 地上なら衝撃で死んでたわ!!!


「バカ生存確認!」


「バカが生きてたぞ!」


「バカ殿ぉ!!! よくぞご無事で!!!」


 おかしい……いつから俺のコードネームは【バカ】になっただろうか?

 最後のレイブンくんまでバカ殿呼ばわりである。

 つうかさ、悪いのニーナさんというか作戦総責任者の嫁ちゃんだよね?


「婿殿生きてるか!?」


「生きてるー!」


「秘密にしてすまぬ! 本当の極秘兵器じゃ! 婿殿なら必ずチャンスを作ってくれると信じてた! 次弾までチャージに時間がかかるから耐えてくれ!」


 そうまで言われちゃしかたない。

 未だにゾーク側の工作員が潜んでる可能性もあるもんね。

 でも死にそう。

 嫁ちゃんを一人にするところだったぜ……。

 ま、俺がバカ寄りの行動取っても嫁ちゃんはちゃんと補正してくれるってわけよ。

 これって頭脳がたくさんあるからできるのよね。

 でもゾークマザーは一人で全部こなさなきゃならない。

 つまり俺たちの戦略勝ちである!

 ふははは! 勝利!!!

 って思うじゃん。……すぐに第二波が来たよ。

 でもさ、それがなんか変なんだわ。

 その……殺戮の夜が複数体……?


「殺戮の夜をコピーしてきた?」


「カメラアップするね。レオ……これ見て」


 敵側の機体がアップになった。


「なんじゃこりゃ……岩?」


「たぶんカニの殻だと思う」


 やだ……カニで殺戮の夜を作ってきたってこと!?

 しかも殺戮の夜は俺が前に使っていたチェーンソーそっくりなものを装備している。


「あー……レオ……ゾークはよほどレオのこと怖かったんじゃないかな? レオって工具とかその辺のもので戦うイメージあるし……」


 おいおい、次の敵は俺かよ!


「エディ! メリッサ! チャンバラのお時間ですよ!!!」


「はーい、隊長♪」


 メリッサのがうれしそうに返事した。

 なおエディは無言だった。

 ちょっと前戦で無茶したことを怒っているかもしれない。

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― 新着の感想 ―
ヤ○トちゃん「なぎ払え!」
二丁機関銃はロマンよな 狙いもくそもないけれど
ストライクガンダムにビビり散らかしたザフトがインパルスとか作ったりするアレですねわかります。
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