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【書籍化決定】羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~  作者: 藤原ゴンザレス


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第二十三話

 さらに次の日、とうとう長兄と親父が見つかった。

 二人とも出撃したがいいが敗走を繰り返し鉱山に追い込まれていた。

 兵が逃げ出したせいか少数だったのでドローンで見つけるのに時間がかかってしまった。

 いま輸送車で向かってる。

 つうかね!!!

 GPSオンにしてくれないかな!!!

 あと味方機の識別認証!

 機械音痴はこれだから!!!

 全部切ってやがったせいで見つけられんかったわ!!!

 二機の標準機がカニちゃんと戦っている。

 よく死ななかったなと思ったら、すでに銃を撃ちつくして鉱山にあった鉄骨でぶん殴ってた。

 俺……もしかして脳筋一族の血を濃く引いてないか?


「ふん!!!」


 鉄骨を持ったロボがゾークをぶん殴った。

 なお親父は軍事訓練など受けたことがない。

 当時の法律だと徴兵対象外だった親父は大学卒業後、帝都の役所勤務一筋だ。

 運動神経がアレすぎたらしい。

 その親父の長男のデクスターは理系院生なので徴兵代わりの義務警察官である。

 そんな二人は喧嘩などしたことあるはずもなく……。


「ギシャアアアアアアアアアアアッ!!!」


「ぐあああああああああッ!!!」


 威嚇されると尻尾を巻いて逃げる。

 ゾークに敵とすら思われてないようだ。

 デクスターがカバーに入る。


「警察官の強さを思い知らせてやる!!!」


 お、いけるかなと思ったら。

 その辺に落ちてた鉄パイプを拾って殴る。

 ぽこん。

 あ、死んだ。


「ギシャアアアアアアアアアアアッ!!!」


「ぎゃあああああああああああああッ!」


 警察官の業務もテキトーだった模様。


「婿殿。帰ってイチャイチャでもせぬか?」


「あきらめないでください」


「レオは狂戦士なのに……どうして」


 クレアもあきれていた。

 俺にもわからねえっす。

 やはりあまりの弱さに「鬱陶しいハエ」程度にしか思われてない。

 司令ユニットがいないのかもしれない。

 それと俺たちが目立ちすぎたせいもあるだろう。

 この惑星のゾークはほとんどぶち殺したし。


「隊長さー、いいかげん助けようよ。親なんでしょ?」


 メリッサが呆れた声を出す。

 ですよねー。


「へーい、レオ機いっきまーす」


「今まで一番テンション低い。ウケるー」


 るせえ。

 俺は輸送車から飛び出した。

 ゾークは一匹。

 一匹に壊滅させられた侯爵軍……。

 気にしたら負けに違いない。

 それに士官学校の学生ってなんだかんだで優秀なのよ。

 国公立で一番上の学校だし。

 俺だって1級船舶免許(宇宙空間)をはじめ各種重機にロボに特殊無線にAI技術者持ってるし。

 メリッサや他の学生だって資格まみれである。

 クレアなんて狙撃資格持ってるし。

 銃を撃つのすらままならない田舎の軍隊とは違うのだ。

 俺たちが一人の死亡者も出してないのはなんだかんだで戦えるからだろう。


「オラァッ!!!」


 直したロボでの鉄骨アタック!!!

 べきんと殻が割れる音がした。

 さすがに戦艦の外壁ほどの強度はないが、そこは勢いでカバー。

 一発殴って満足したので足からブレードを取り出す。

 よし、今までの武器がおかしかったんだ!!!

 普通のブレードだ。


「ギシャアアアアアアアアアアアッ!!!」


 カニちゃんが今度こそブチ切れた。

 カニの爪が襲ってくるが、俺の方が速い。

 爪を避けながら関節部に斬りつける。

 メリッサみたいに威力全振りじゃないので切断はできない。

 だから蹴り入れて相手の体勢を崩す。

 触覚を斬り落として今度は殴る。

 するとめちゃくちゃに爪を振り回してきたので避けながら何度も斬りつける。

 爪の勢いがなくなってきたら、避ける避ける避ける。

 大振りが来た!!!

 飛びついて関節を逆向きにへし折る。


「ギシャアアアアアアアアアアアッ!!!」


 悲鳴なのか咆吼なのか。

 折りながら押さえつけてブレードを突き刺す。


「クレア」


「発射!!!」


 至近距離からの砲撃にカニちゃんはバラバラになった。


「うっわ、帝国軍式剣術ってそんなエグいのか……」


「知らないよ。習ったの儀礼用の槍と剣とナイフだけだし」


 それだって年に数回だけだ。

 そもそもそんなにやるもんじゃない。

 海賊相手なら中距離の射撃を訓練した方が生存率高い。

 ゾークが現われなきゃ無駄技術だ。


「あ! レオ後ろ!!!」


 突如、ゾークが地中から現われた。

 だけど俺は手をかざす。


「ファイア!」


 ぼうっと音がしてゾークがいきなり燃えた。

 レベル1の発火能力だ。

 すかさずナックルでぶん殴る。

 ベこんっと殻がへこむ。


「発射!」


 バンッと音がして終了。

 カニだけど毒があって食えないので肉は回収しない。

 素材は機体の修理に使わせてもらう。


「レオ! いまの超能力は!?」


「やってみたらできた。ケビンに撃たれたときに使えるようになってさー」


「あー、うん災難だったな」


 クレアもメリッサも黙った。

 やめて、無言になるのやめて。

 で、父親氏&兄貴との感動の再会。


「おおおおおおお! れおー!!!」


「弟よ!!!」


「あ、お前ら隠居な。俺が侯爵になるから」


「え?」


 すでにおかんが寝返ってるなんて知らないだろう。

 サム兄も俺が当主でいいってさ!!!


「げ、下剋上か!!!」


「ちがいますー。軍事に詳しい俺がやるしかなくなっただけですー」


「こ、この親不孝者が!!!」


 すると嫁の通信が入った。


「あー! もー!!! 話が進まん!!! この惑星は妾が占領する。暫定で我が夫をこの惑星の領主に任命する。文句があるなら夫を倒してみせよ。以上じゃ!!!」


「だってさ、パパ」


 わざと挑発する。


「ぐぬぬぬぬぬぬ!!! レオ憶えておけよ! 泣きついてきても知らんからな!!!」


「泣きつくもクソもこれ以上悪くならねえって」


 そんな挑発を繰り返したが、正直言って親父も兄貴もギャグ世界の住民でよかった。

 レオ・カミシロ君は本来シリアス世界の住民でむしゃむしゃ食べられちゃうんだから。

 これで惑星は制圧完了。

 さーて次はケビンの尋問するかねー。

 あと集めまくった素材を作って機体をカスタムせねば……。

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― 新着の感想 ―
[一言] ヘタレお笑い枠のギャグ存在じゃ無かったら死んでたなww
[一言] ギャグ世界の住民って最強だよね… 爆発してもアフロで終わり 雷当たっても骸骨透けてアフロで終わり ぼこぼこに殴られても鼻血ぶーのあと絆創膏とか包帯ぐるぐるミイラで終わり …親父と兄貴を盾に…
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