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【書籍化決定】羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~  作者: 藤原ゴンザレス


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第二百十八話

 48時間ほど隔離されて解放された。

 出るときにはお尻の穴まで検査された。

 ……もうお嫁に行けないわ!!!(すでに婿入りはしてる)


「元気だった?」


 クレアが待っていてくれた。


「暇すぎて死にそう。そっちはどう?」


「こっちもずうっと検査だった。だってレオの作った物食べちゃったし」


 あ、やべ!

 そういうことか!

 俺が原因か!


「ごめん……」


「しかたないよ。誰も気づいてなかったし」


「で、サリエルは?」


「レオの脳が乗っ取られる可能性があったから情報伏せてたんだけど」


「さらっと怖い話するのやめて」


「いいから。サリエルの破片は金属を取り込んで巨大化。クルーの避難後自爆装置で爆破したわ」


「ほへー……怖いわー。人的被害は?」


「怪我人多数。だけど乗っ取られた人はいない」


「……つまりサリエルは金属だけしか取り込めないってことか」


 と言うことは高確率でサイボーグかアンドロイドだろう。

 メリッサの実家で出現した肉の塊よりはマシである。

 主に精神的に。


「じゃ、最新兵器見てくるわ」


 造形プリンターのある小屋に行く。

 新兵器が造形プリンターで出力される。

 敵が電子回路で制御されてればボルトスロワーみたいな兵器も有効だろう。

 自分も焼ける欠陥兵器だけど。

 新兵器はグレネードランチャーのようだ。

 なんか嫌な予感するな。

 どうせ使うの俺だろうけど。

 小屋から出るとエディと出くわした。


「おっすレオ、ようやくシャバに出てきたか」


「刑務所入ってたみたいに言うのやめて! エディも検査されたん?」


「レントゲンとCTと血液検査だけな。別に問題なかったぞ」


 それくらいでよかった。

 はっはっは。


「よかったよか……」


 ぐらっと地面が揺れた。

 警戒アラートが鳴る。


「地震発生! 各自警戒してください!」


 お外である。潜り込む机もない。

 その場で亀になって後頭部を守ってやりすごす。

 日系の帝国では避難訓練だけはちゃんとやるのだ。

 軍服が粉塵で汚くなった。

 せっかく新品なのに!!!

 いや二日着てるけどさ!


「なんだ! なにがあった!?」


 一分くらいで地震が収まった。

 エディが声を上げた。


「敵襲! 大気圏外から何者かが侵入しました!!! 各自持ち場につけ!」


 つい数日前に整地したばかりのはずの仮設基地。

 立とうとすると地面に足がめり込んだ。

 液状化ってほどじゃないけどだいぶ土壌がグズグズになってる。

 足を取られながらヨタヨタと本部に入る。

 エディもなんとかついてきたようだ。


「なにが来たのよ!」


 俺が言うとモニターを見てたケビンが答えてくれる。


「わからない! でも宇宙から襲来したみたい! こっちに落下してるよ!」


 ニーナさんがヘッドマウントディスプレイを装着する。


「とりあえず着地予想地点に自走砲と戦車向かわせるね」


「ボクも偵察ドローンを向かわせてる」


「宇宙!? じゃあこの地震は?」


「また別の原因だよ!」


 えー……。

 俺が待ってると嫁ちゃんがやって来た。


「婿殿! 探したぞ!!!」


「嫁ちゃんは逃げて! ここは俺が食い止めるから!」


「い、いや、だが!」


「いいから! ピゲット! 応答して! 作戦本部に嫁ちゃんがいるから回収して避難。俺が時間稼ぎする」


「了解」


 すぐにピゲットが来て嫁ちゃん連れていく。

 ここの方が安全だと思ったんだけどねえ。

 クレアやメリッサ、それにレンも遅れてやって来た。

 レンとメリッサが食事当番だったようだ。

 エプロンつけたままだ。

 そしてメニューは高確率で肉だ。


「せっかくチャーシュー作ってたのに!!! お鍋ひっくり返っちゃいました!!!」


 ぴえーんっとレンが泣いた。

 人数分だ。

 ひっくり返った鍋の数は膨大だろう。

 もったいない……。


「クソ! ナポリタン全部ぶちまけた! 許せねえ!」


 ちょっと待って。

 チャーシューとナポリタンを同時に出すつもりだったのかね?

 君らなにを作ろうとしてたの? ねえ?

 そ、そうか! つけ合わせだ。そうに違いない!


「クソ! メインディッシュまでダメにしやがった!!!」


 ナポリタンがメインディッシュ!?

 そこにチャーシュー……ご、ご飯まであるのかね?


「冷凍のメンチカツ揚げようと思ってたのに……」


「揚げ餃子もな……」


 男子小学生が考えたようなメニューなのだけは伝わってくる。

 仮設基地の料理だから栄養価とか考えてないし、あるものテキトーに作るだけだ。

 だが……欲望に忠実すぎる相撲部屋の食事みたいなのを作るとは……二人ともやるじゃねえか。

 いまのところサラダなどという軟弱なメニューが出てきてない。

 炒飯にエビチリかけただけでやりすぎと思ってた俺が甘かったぜ!

 なんて余計なことを考えてると放送機器からつんざくノイズが鳴り響いた。

 そのノイズはだんだんと人の声になっていく。


「やあ、レオ・カミシロ。体を再構築するのに手間がかかってしまったよ。さあ交渉を再開しよう」


「嘘つけボケ!!!」


 もうやだこのサリエル!

 言葉通じてるのに会話が成立しない。

 というか嘘しかつかない。

 話し合いをする価値がない。

 そ、そうだ!!!

 例の新兵器!


「ちょっと武器取ってくる!」


 俺が飛び出すとエディとメリッサ、それにレンがついてきた。

 造形プリンターの小屋に行くとできた武器を取る。

 こっちがグレネードでこっちがカードリッジと。


「レオくん! 気を付けてください! その武器、使うと死ぬかも!?」


 妖精さんが慌ててる。


「なにそれ呪われてるの? これ毒ガス?」


「違います! えっと……50歳より上だともしかすると……と、とにかく気を付けてください! 意識を失ったらすぐにドクター呼びますんで!」


 怖すぎるだろ!

 もう一度ドスンと地面が揺れた。


「レオくん遊ぼう」


 外に出ると不定形の液体みたいなのが揺れていた。

 さらに最悪なのは天からカニもやって来るのが見えた。

 いきなり難易度上がったぞ!

 難易度調整どうにかならんかったか!!!

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― 新着の感想 ―
勉強不足のAIみたいな。日本語なのに言葉が通じない
え!寿命吸い取る系の兵器もあるの!?旧帝国時代やばすぎない!?
>>さあ交渉を再開しよう 人類文化学ぶのに終わりのクロニクルでも使ったの?
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