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【書籍化決定】羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~  作者: 藤原ゴンザレス


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第二百十六話

 金鉱山を爆破した。

 サリエルは……たぶん生きてるんだろうな。

 隙間とかに入り込めそうだし。

 ここまでやって倒せなければあきらめるしかない。

 鉱山の方だけど金がすべて消失……ってこともない。

 掘り直せば鉱山も使えるだろう。

 金はいまだに電子回路に使われている。

 算出できる惑星がたくさんあるから昔ほどは高価じゃないけど、産業で使われるからそれなりの価格ではある。

 人口比では未だにレアではあるからね。

 公爵会のアホが総純金作りの宮殿を建てられない程度の価格を保ってる。

 どちらかというとルビーやサファイヤやダイヤモンドの方が値段が暴落してるかな。

 光学メディア見たことないし。

 一方金は海から抽出する方法も未だにコストに見合ってない。

 なので産業にも影響ないかな。

 ちゃんと帝国に税金納めて補助金もらって事業やれば問題ないはずだ。

 邪魔する公爵会もいなくなったしね。

 惑星シナガワを取り戻した。

 幸いなことにカニの大群は逃げられるもは逃げ、残ったものは生命活動を停止していた。

 疲れ果てた俺たちは救助を待つ。

 嫁ちゃんが送ってくれた輸送機には人型含む重機と小屋の組み立てパーツが積まれていた。

 仮設の基地を作れって事ね!

 荷物を出して怪我人を収容する。

 いつメンは怪我一つないが、新入隊員や各領の近衛騎士からは笑える程度の怪我人が出た。

 うちのレイブンくんも肋骨が折れた。

 船に帰還である。

 エディの所の末松のおっさんは無事。

 彼さ、射撃も剣も操縦も下手だけど、異常なくらい頑丈じゃないかな?

 あの爆発を盾だけでしのいだ挙げ句、足が遅くて爆発に飲み込まれたけど無傷。

 俺の能力はギャグ世界の住民に対して高い効果があるようだ。

 もしかすると俺の能力以前に末松のおっさんって団長やってるだけあって能力高いんじゃ……?

 ……考えないでおこう。

 考えるべきはエディであって俺ではない。

 人型重機で小屋を組み立てる。

 今日中に宿舎は作りたい。

 今回は物資が豊富にある。

 テントを暮らしじゃない。

 物量に感謝!

 仲間たちは杭を打って有刺鉄線を張っていた。

 いくつかの小屋を建ててベッドを搬入する。

 発電機を設置して、温水器を設置する。

 微生物分解方式の簡易トイレを設置して、シャワー代わりのプラズマ式の身体洗浄機を設置っと。

 おっと、水を使わないタイプの洗濯機もあるわ。

 ここを前戦基地にするんじゃなくて、作業員用の宿舎にするんだろうな。

 俺はシャワーに一番乗り。

 というかちゃんと作動するかのテスト要員である。

 水を使わないやつで、ポッド型の容器に入ってビームとかプラズマとか電気で汚れを落とす。

 さっぱりしないけど汚れは落ちたので今度は洗濯。

 芋ジャージに着替えて洗濯物開始。

 こっちも人柱。

 10分ほどで洗浄終了。

 まあキレイ!!!

 戦闘服の方は船で分解洗浄しないとならん。

 誰かが設置した物干し台に干しておく。

 一応、俺の名前が書いてある樹脂のタグつけとこ。

 俺が芋ジャージでウロウロしてるとシャワーが使えると察した連中がシャワールームに押し寄せる。

 まずは女子。

 軍隊だし「レオの後だから嫌!」なんて言わない。

 サクッと風呂に入ってくる。

 洗濯もやってさっぱり……はしないけど清潔になった。

 俺と同じように戦闘服を物干し台に干して終わり。

 男子もサクサクシャワーと洗濯。

 俺を含めた先に終わった連中が飯を作る。

 水をあまり使えない環境だ。

 レトルトの炒飯を炒めて炒めて炒めて……。

 ……うーん、この炒飯うまみ調味料足りないんだよね。足しとこ。

 大鍋でこれまたレトルトのエビチリを煮て……微妙に味が良くないな。ちょっとアレンジしよ。

 炒飯にかける。

 エビチリ炒飯!

 ペットボトルの水を配って、みんなでいただきますと。

 なぜか輸送機で来た記者のお姉さんに写真を撮られる。


「少佐が作られるんですか?」


「うちは当番制じゃないときは、手が空いたものがやることになってますので」


 士官学校の連中はこのくらいはできる。

 できないではすまされない。


「レオ様は少佐ですよね?」


「昇進嫌だったんですけどね」


 何を言ってるんだ君は!

 俺はさんざん抵抗したのよ!

 でも昇進しろって言うのだからしかたないじゃん!

 飯を食ってバトンタッチ。

 後片付けはエディたちがやってくれるって。

 で、俺はお仕事。

 まずは兵器開発部に「おめえらの寄こした拳銃! 反動大きすぎて当たらねえぞ! (当てたけど)もうちょっと弾を小さくしたサブマシンガンの方がマシだっての! ぶち殺すぞ!」というレポートを婉曲表現にして文章装飾ゴテゴテつけて送信。

 そしたら「的撃ってみて」とレポートが来たので小屋の外に出て的を立てる。

 ……ったくよう。


「俺じゃなきゃ当たらねえって! のよ!」


 フルオートで全弾命中。

 お手々が痛い。

 動画送信。

【片手で撃つなボケが!】という言葉が婉曲表現と文章装飾山盛りで来た。


【片手で撃てねえととっさのときに使えねえだろ! ぶち殺すぞ!!!】


【カニを一発でぶち殺せる兵器を片手で使うとかバカなの死ぬの!?】


【そういうの拳銃に求めてないから! アサルトライフルでやってくれないかな!!! 現場わかってねえな! 一度現場に来やがれ!!!】


【くッ! しかたねえ! 修正してやるよ! 夜道に気を付けろよ! 死ね!】


(なおすべての文章はビジネス文章表現かつお互いに敬意をこめているものとする)


 俺の勝ち。

 ふう、疲れた。

 絶対、就活中の大学四年生よりビジネスメール上手だと思う。

 今度は嫁ちゃんに通話。


「うん? なにかあったか婿殿」


「女の子どうし秘密のお話しできるかな♪」


 目をキラキラさせたら嫁ちゃんが嫌そうな顔したのでこの路線は終了。


「俺の剣にサリエルの体組織がついてる。研究できないかな?」


「その剣は?」


「ここ」


 液体窒素対応の冷凍ボックスに剣ごとぶち込んである。

 黒い液体がついてたから慌てて冷凍した。

 普通の温度じゃどうなるかわからんから液体窒素漬けだ。


「今すぐ人をやる! というか速く言わんか!」


「さっき気づいて冷凍処理が終わったタイミングで連絡したのよ。動き出したら嫌だから拳銃の苦情書きながら冷凍処理監視してたのよ」


「いいから全兵に待機命令を出せ! すぐに人をやる!」


 というわけで全員鍵かけて小屋にこもる。

 そしたら二時間くらいで防護服を着た回収班がやって来た。

 回収班は全員分の武器と戦闘服を持っていく。

 その代わりに新しい装備を置いていった。

 外に干してた戦闘服まで回収よ。

 さらには洗浄機のフィルターまで回収。

 俺なんて芋ジャージとはいてたパンツまで取られたわけである。

 あたい……もう……お嫁に行けないわ……。

 あ、新しいパンツはボクサーブリーフでお願いします。

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― 新着の感想 ―
レイブン君っていつ出てきたっけ? どんなこか忘れた
ほぼ絶対零度保管だが一度のミスで大惨事あったなー(BMネクタールの日本BM)
うわぁ…液体金属型アンドロイドよりも更に危険度を上乗せして警戒しとる!? まぁ相手を精神支配するような液体生命体。汚染や感染は疑われて当然なのか……ヤダヤダ(‐д`‐ll)
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