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【書籍化決定】羅刹の銀河 ~取り返しのつかないタイミングで冒頭で死ぬキャラになったので本当に好き放題したら英雄になった~  作者: 藤原ゴンザレス


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第百九十六話

 一通り遊んでからシュラスコ食べ放題へ。

 肉。

 とにかく肉である。

 肉食のレンはとてもいい顔をしていた。

 ワンオーワンとタチアナもいい顔してる。

 なぜかしいたけとエリンギのぬいぐるみを持って……買ってやった。

 キノコのぬいぐるみを持っているのにキノコに目もくれない。

 肉は正義なのである。

 実は大公&少佐に任命された日に嫁ちゃんと軍の偉い人たちとディナーを食べた。

 どこから金が出たのかわからないが、少なくとも俺は一銭も払ってない。

 なんかすごい高い牛肉だの、寿司だのが出てきたが味が思い出せない。

 仕事飯はどうして美味しく感じられないのか……。

「ジュースですよ?」って顔で酒を飲もうとしたが嫁ちゃんにガードされた。

 完全に行動パターンを読まれてる。

 そんな俺は思うのだ。

 友だちと食べる子供だましメシが一番美味しいよね?

 友だちと食べに行ったラーメンとか、ファストフードとか。

 あと寮の飯。

 あれが一番美味しいと思うのよ。

 軍の偉い人と行く飯の味のわからなさよ。

 で、バカみたいに肉食ってたわけよ。

 もうお腹いっぱいになるまで食べる。

 うまい。

 なんとか牛に比べて脂身は足りないが、それでもこちらの方がうまい。


「旦那様、美味しいです」


「おいしいであります!!!」


「ほら、口汚れてるぞ」


「タチアナありがとうなのであります!!!」


 嫁ちゃんにクレアにメリッサは普通に。


「こういうのもいいな」


 庶民の味である。

 こういうのでいいんだよ。こういうので。

 俺はドリンクバーでジュースを取ってきてみんなに渡す。


「お、隊長ありがと」


 なぜジュースを取ってくるのか?

 だってドリンクバーのジュース、放っておくと混ぜはじめるんだもの。

 物体Xは作らせない。

 俺はサラダを取ってくる。

 野菜、野菜はすべてを解決する!

 ニーナさんも肉を堪能。

 食べる姿……最高にえっちだ。

 そんな10代らしい、なにげない旅行。

 本当だったらお土産買って適当に遊んで夜のパレードでも見て終わり。

 そのはずだった。


「そういやさ聞いた?」


 ケビンが笑う。

 なんだろうか……嫌な予感が。


「ヴェロニカちゃんの就任反対派のデモ」


 そう言ってケビンがニュース映像を投影する。

 なんでも逆張り勢はいるものだ。


「共和制に移行しろって」


「それの話か。妾はやつらに直接言ってやったぞ。ゾークに勝てるなら退位でもなんでもしてやるとな」


 嫁ちゃんはプリプリ怒ってる。

 かわいいので取ってきたいちご「あーん」。


「でも彼ら、講和派でしょ」


「ゾークと会話ができぬのに寝言でしかないな」


「ルナちゃんが女性型をハッキングしたんだけど、末端から中央は攻略できなかったって。マザー乗っ取って講和しようと思ったけどダメだったってさ」


 物騒だなおい。


「ま、講和は不可能じゃろ。愚か者の言うことなんぞすでに試しておるわ」


「だよねー」


 なんて話をしてたんだわ。

 そしたらさ、アマダの野郎の声が館内放送で響いた。


「デモ隊がゲートを突破! 殿下! 避難してください!」


 ほう、なるほど。

 喧嘩売ってきやがったな。


「ねえねえ嫁ちゃん。鎮圧してくるね♪」


 もう許さん。

 俺は普通の学生の楽しい旅行を満喫したいの!!!


「ど、どうするのじゃ?」


 あれ使うね。

 それは館内ショー用の馬型ドローンだった。

 それに俺はまたがろうとする。

 気分はカウボーイ……。


「レオ、こいつを着ろ」


 ほうチョンマゲのカツラとゴージャス裃セット。

 刀まであるか。


「じゃあお前らはバイクとオギャリオンのスーツな」


「……へっ、わかってるじゃねえか」


「やるぜ!」


 男子との共同作戦である。

 ぱからぱからぱからぱから……。

 ロイヤルランブル将軍!!!

 たーん!!!


「はいやー!!!」


 上様になった俺は園内を白馬で駆ける。

 横をオギャリオンたちがバイクで走る。

 ちゅどーん!!!

 誰だ! セットの花火爆発させたバカは!!!

 デモ隊を発見!!!


「ふ、ふはははははは!!! 皇帝を人質にとって共和制を実現んんんん!」


「俺たちの前に立ち塞がるのはみんな敵だ!!!」


「その悪事、許すわけにはいかぬな!!!」


 たーん!


「な、な、なんだ!」


「馬が走ってくるぞ!!!」


「はいやー!!!」


 俺はデモ隊を飛び越える。

 たーん!!!

 先ほどから時代劇にありがちな謎打楽器の音が聞こえる。


「お、お前はレオ・カミシロ!!!」


「この御方がどなたなのかまだ分からんのか!!!」


 オギャリオンズがバイクでやって来た。


「いやだからレオ・カミシロ……」


「だまらっしゃい!!! うちのバカ殿であるぞ!!!」


 ちゅどーん!!!

 また花火が打ち上がった。


「オギャリオンさん! やっつけてしまいなさい!!!」


 ちゅどーん!!!

 男子のオギャリオン部隊が突撃する。

 その手にはショーで使う剣……いや違う。

 お土産物屋にあった遊園地のキャラが焼き印された木刀だ。


「オギャリオンセイバー!!!」


「いやそれ普通の木とうぎゃああああああああああああああああああッ!!!」


 ホームラン。


「成敗!!!」


 俺も二刀流でボコボコにしていく。


「かっとばせー!!! 殿様!!!」


「うおおおおおおおおおおおッ!」


 かっきーん!!!


「ま、待て! 軍が市民に武器を向けていいのか……待てやめろぎゃああああああああああッ!」


 かきーん!


「せっかくの休みを堪能していた学生に対する仕打ち! 許してはおかぬ!!!」


 なぜ……人は争うのだろうか?

 オギャリオンが容赦なくボコボコにしていく。

 俺も死なない程度アタックでボコボコにしていく。

 俺と嫁ちゃんがなにをしたというのだろうか?

 許さん。


「お、俺たちは正義のぎゃあああああああああああああッ!」


 目が合ったアホどもを成敗していく。

 すると連中はなぜかジェットコースターに逃げた。


「とう!!!」


 俺はGの如き素早さで先回りする。

 オギャリオンたちも一緒だ。


「ぎゃあああああああああああああッ! こんな所まで追ってきた!!!」


 俺たちはやって来たジェットコースターの上に飛び乗る。


「バブみ戦隊オギャリオン!!!」


 男子どもがポーズを取ったので俺も木刀を構える。


「うぎゃああああああああああああああああああッ!!!」


 やだー突っ込むわけじゃないですかー。

 だってやつら勝手に落ちてったもん。


「成敗」


 たーん!

 こうして悪は滅んだのである。

 なお俺たちの戦いは思いっきり撮影されててネットの海にばら撒かれたのであった。

 嫁ちゃん、メリッサはゲラ笑い。

 レン、クレア、ニーナさんは笑いを我慢してくれた。

 タチアナは「バカだな」と辛辣な意見、ワンオーワンは「隊長は上様だったでありますか!!!」と目を輝かせてた。

 ワンオーワン……いい子だからキャラメルあげ……。


「今日はもうだめ! 虫歯になっちゃう!」


 とクレアさん。

 さてこんなアホな日々を過ごしていると嫁ちゃんの皇帝就任の日がやって来たのだ。

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― 新着の感想 ―
英雄レオ・カミシロなど仮の姿! その正体は我らがバカ殿だ!!
貸し切りなのに誰が撮影したんだ
こんなところにまでバブみが侵食してきている…
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