第百四十九話
さーて今回のレオ・カミシロさんは……。
戦いがマスコミに報道された結果。暴動が起こりまくって俺終了への巻。
そのまんまである。
俺のメチャクチャな戦いは全宇宙に報道されていた。
最後、脱水で動けなくなった俺がアマダの野郎の肩を借りて軍の車両に乗車したとこまでノーカットで……。
それを見てブチ切れたのは徴兵終了勢の皆様。
「ガキになにさせとんじゃいボケがああああああああああッ!」
とブチ切れた。
そりゃね、帝都惑星に存在する都市のだいたい半分が更地になったわけだ。
市民の不満がたまりまくってたのは事実である。
他の惑星でも、特に俺が解放した惑星の住民がとうとうキレた。
そこで巻き起こったのは大暴動。
役場を中心に放火が相次ぐ。
軍の事務所には志願兵が列を作った。
以前とは規模がかなり違う。
老いも若きも男女関係なく志願兵に応募した。
おかげで死ぬほど不足してた事務職が大量に入隊。
俺、最大の敵、事務仕事が減少したわけである。
サンキューベイベ!!!
みんな驚いただろう。
兵になって戦おうと思ったら事務職なんて。
だって足りないんだもん。事務職。
ぼそっと階級に【佐】のつく人たちが【やめないでね……】と基地に配属された事務職に懇願する様を見て、彼らも軍が危機的状態だったのをくみ取ったことであろう。
はっはっは、貴重な事務職を戦場なんかで使い潰すわけないじゃないですか!!!
お前に感謝!!!
暴動は数日続いたけど、警察は役所を放置して商店を守った。
なので暴徒も役所を焼き払った後は普段の生活に戻ったのである。
なお役所の中の人も率先して職場を焼いた。
ひでえ話だな。
で、俺への非難であふれかえると困るなと思ったら、称賛された。
もう意味がわからない。
俺の基地と化した学生寮にも事務職が配属された。
事務仕事で疲弊した仲間たちも大喜びである。
さらに料理人も配属されて、俺たち大歓喜!
こうして俺たちの無限事務編と無限冷食編は終了したのである。
あ、俺自体は終了してねえわ。タイトル詐欺だったわ。
ケビンの手作りクッキーを食べながら会議。
おからの粉が入ってるのでタンパク質を摂取できる。
ケビンは完全に女子に溶け込んでる。
【元野郎がいたら嫌じゃないっスか?】と素直にアンケートを取ったところ。
嫌じゃない。30%。
男子寮には渡さない50%。
もっとお菓子の増産を10%。
胸と尻触ってもいいっすか?10%。
となった。
もう女子寮でいいや。
ゆるふわ系女子のニーナさんもお菓子係に就任。
お菓子の生産に励んでる。
なぜお菓子の生産をさせてるのか?
あやうくクッキーが通貨代わりになる闇経済が発生しそうになったからだ。
女子も腹ぺこであったのである。
俺たちは、またもや休暇を命じられた。
みんなで海にでも行こうと思ったら寮で待機だって!
俺たちに全員に護衛が必要なんだってさ!
なので勉強と訓練、たまに仕事の日々である。
俺は昼間は大学校への受験勉強をしながら、たまに寮の物資の検品をしている。
今やってるのは生クリームの山だ。
生クリームが切れると女子が暴動を起こす。
重要な任務である。
読み取り機でコードを読み込んで数量を照合。
輸送中に盗まれてないことを確認。
あと暗殺狙った勢力が異物を紛れ込ませてないかだ。
それもコード確認すれば回避できる。
ここに到着する前に三重チェックくらいされてるだろうけど。
「ふう……たいへんだ」
「まったくだぜ」
他の男子どもも砂糖と格闘してる。
砂糖は重要だ。
切れたら女子が暴動を起こす。
検品が終わったら受験勉強だ。
男子どもと学習室で勉強。
数学に帝国標準語に歴史に……。
普通の高校生みたいになってる。
電子書籍のマニュアルを読みながら学習。
これは前世とあまり変わらない。
基本的には数学偏重だ。
勉強してると後ろから抱きつかれた。
「うん?」
「来たぞ!」
嫁ちゃんである。
「遊ぶ?」
「うむ」
出ようとすると男子どもが入り口でウンコ座りして威嚇してきた。
「ヒューッヒューッ!!!」
「うざ!!!」
「どうして貴様だけモテるのだ!!!」
「お前らだって婚約の話来てるだろ!!!」
基本アホな士官学校の生徒どもではあるが、婿入り案件や嫁入り案件が大量に来ている。
たとえ平民であっても伯爵家相当からオファーがある。
なのでこいつらも連日お見合いの日々を過ごしている。
はたから見てもどん引きなくらい忙しくしてるのだ。
「違う! 俺たちは一度しかないスクールライフで恋愛がしたいのだ!!!」
「てめえら、それをドブに捨てただろが!!!」
ブス決定戦なんてやったのがいけない。
それが女子に無視されてる根本原因なのだ。
「うるせえ! だから俺たちはお前の邪魔をすることに決めた! 男の嫉妬はみっともない? うるせええええええええええッ!!! 俺たちは貴様を許さん!!!」
「全員そこに正座しろ。端から殴っていくから」
相手にしてられない。
俺はドアの側でリーゼントのカツラをつけて威嚇してきたアホを蹴飛ばす。
「あ、てめえ! 蹴ったな! 母ちゃんにはいつも蹴られてるのに!!!」
「蹴られてんじゃねえか!!!」
嫁ちゃんをエスコートして部屋に行く。
部屋に行くとすでにメリッサとレンがいてお菓子を食べてた。
「おーっす! 邪魔してるぜ~」
「旦那様お帰りなさいませ」
部屋の隅にでかいおっぱいがいるなと思ったらケビンもいた。
芋ジャージでむくれてる。
「どうしたケビン?」
「おっぱいもまれるからこっちの子になる!」
「無茶言うな」
ケビンを切り捨てると嫁ちゃんは人のベッドにゴロンと寝転がった。
やりたい放題だなこいつら。
「なんでエロ本の一つもないんだよ!!!」
メリッサは手足をバタバタさせる。
「残念だったな! 全部電子だ!!!」
くっくっく、【人妻忍者ザ・ファイナル】はあとで鑑賞する予定だ。
と思ったら拡張現実の隅から妖精さんがやってきた。
「やっほー! 遊んでください!」
「来たかルナ。ゆっくりするのじゃ」
人の布団を頭から被った嫁がつぶやく。
「ういっすルナ」
メリッサは自分のマンガを読みながら。
「ルナちゃん、今日はなにします?」
レンはすでにゲームを起動してた。
「ルナちゃん聞いてよ~」
ケビンはルナに愚痴る。
もー、ぐっだぐだ。
なにこのカオス。
すると妖精さんは胸を張った。
「重大発表です! レオくんの軍での出世は保留になりました」
「おっしゃ!!!」
「でも皆さんの昇進が決まりました」
「は? どういうこと?」
「メリッサさんが少尉になるので、それに合わせて士官学校の生徒全員が少尉になります」
なにそのカオス……。




